時計が遅れる原因は?自動巻きやクォーツ式・機械式の直し方や対処法の解説

機械式時計の磁器抜きをしている画像

こんにちは。はらじゅく時計宝石修理研究所の天野一啓です。

大切な時計の時間がずれていると、なんだか落ち着かない気分になりますよね。

時計が遅れる原因には色々なものがあって、電池はあるのに遅れるといった不思議な現象から、買ったばかりでも狂ってしまうトラブルまで、本当にお悩みの方が多いんです。

クオーツや機械式、自動巻き、ソーラー、そして電波時計が合わないなど、駆動方式によっても直し方が全く違ってきます。

もしかすると、時計の遅れにはスピリチュアルな意味があるのかなと思う方もいるかもしれませんね。

この記事では、それぞれの時計がなぜ遅れるのか、具体的な対処法も含めてわかりやすくまとめてみました。少しでも皆さんの不安を解消するヒントになれば嬉しいなと思います。

※もし、時計が遅れてお困りの方で「近所の店では取り扱いブランド外だから断られてしまった」「特殊構造の時計なので部品がないと言われた」「もっと専門的なアドバイスが欲しい」とお困りの場合は、創業60年・年間修理実績3万本以上の私たち東京・渋谷区の「はらじゅく時計宝石修理研究所」にも是非ご相談ください。

JR原宿駅(竹下口改札)から徒歩1分の場所にございます。国家資格を持つ技能士が、あなたの大切な時計を一本一本丁寧に修理させていただきます。

千原ジュニア様の東京で時計・アクセサリーの修理の納品画像

 

 

この記事からわかること

  • 駆動方式ごとに異なる時計の遅延メカニズムと解決策
  • アナログ針のズレや磁気帯びといった状況別の原因分析
  • 自宅で簡単にできる磁気帯びの確認方法と注意点
  • 大切な時計の精度を維持するための専門的なメンテナンスの重要性
目次

駆動方式ごとに違う時計が遅れる原因

時計と一口に言っても、内部で動いている仕組みは本当に様々ですよね。ゼンマイの力で動くものから、光で発電して動くもの、標準電波を受信して自動で時間を合わせるものまで、色々なタイプが存在します。ここでは、それぞれの駆動方式に隠された時計が遅れる原因の深層と、その対処法について詳しく見ていきたいなと思います。

機械式における油の劣化と摩耗

機械式時計は、電池などの電力を一切使わず、手や腕の動きで巻き上げられたゼンマイがほどける力を動力源としています。その力で無数の微小な歯車や脱進機といったパーツが連動する、とても精密でロマンあふれる仕組みになっています。しかし、この純粋な機械構造だからこそ、時計が遅れる原因として最も多く見られるのが、内部に差してある潤滑油の経年劣化や乾燥なんです。

時計の内部には、部品同士の摩擦を防ぐために数種類の専用オイルが何十箇所にもわたって繊細に注油されています。ですが、長年使っているとどうしても油が揮発して乾いたり、酸化してドロドロになったりしてしまいます。そうすると歯車同士の回転抵抗が著しく大きくなり、エネルギーがうまく伝わらなくなって、結果的に時間が遅れてしまうんですね。さらに恐ろしいのは、油が切れた状態で使い続けると、部品の軸などが直接こすれ合って微細な金属の粉(スラッジ)が発生してしまうことです。この状態を放置するとパーツの完全な破損に繋がるため、本当に危険かなと思います。

機械式の時計は定期的なメンテナンスが命ですので、3〜5年に一度はプロによる分解掃除をしてあげることが大切です。この作業の詳細や重要性については、時計のオーバーホールとは?の記事でも詳しく解説していますので、ご自身の時計を守るための知識としてぜひ参考にしてみてくださいね。

自動巻き特有のゼンマイ巻き上げ不足

自動巻きの時計は、腕の振りを利用してローターと呼ばれる半円形の重りが回転し、中のメインゼンマイを自動で巻き上げてくれる大変便利な仕組みですよね。でも、実はこの「腕の振り」が日常生活の中で圧倒的に足りていないことが、時計が遅れる原因になることも非常に多いんです。

例えば、デスクワークが多くて一日中パソコンに向かっていてあまり腕を動かさなかったり、時計を外して置いておく時間が長かったりすると、ゼンマイが十分に巻き上がりません。機械式時計は、ゼンマイがしっかりと巻き上げられてトルク(回転力)が強い状態のときに、最も高い精度が出るように設計されています。巻き上げ量が不足してゼンマイの力が弱まると、時計の心臓部であるテンプの振り幅(振り角)が小さくなってしまい、等時性という正しいリズムを刻む能力が乱れ、結果的に遅れが生じてしまうんです。

巻き上げ不足かな?と思ったら

もし「最近よく遅れるな」と感じたら、まずはリューズを手動で30〜40回ほどゆっくり巻き上げて、内部のエネルギーを満タンにしてあげてください。それで数日間、正常な精度で動くようなら、単なる日常生活での巻き上げ不足だった可能性が高いですね。ご自身のライフスタイルに合わせて、休日はワインディングマシーン(自動巻き上げ機)を活用してみるのも一つの解決策かなと思います。

クオーツの電池消耗と部品の固着

電池で動くクオーツ時計は、水晶振動子という極めて安定した電子パーツを使って時を刻むため、機械式と比べて圧倒的な精度を誇ります。しかし、そんなクオーツでも遅れることはあります。一番分かりやすくて多い原因は、やはりボタン電池の消耗ですね。電池の電圧が時計を動かすための最低ラインを下回り始めると、針を動かすステップモーターの力が断続的に弱まり、それが時間の遅れとして現れてきます。

ただ、お客様からよくご相談いただく「電池交換したばかりなのに遅れる」という場合は、少し注意が必要かもしれません。実は、クオーツ時計の中にも針を動かすための小さな歯車列が存在していて、機械式と同じように微量の潤滑油が塗られています。長年メンテナンスをしていないと、その油が乾いて粘り気を持ち、新しい電池の電気エネルギーでも歯車をうまく回せなくなって、時間が遅れたり、秒針が同じ場所でピクピクと震えたりしてしまうんです。

電池切れの放置は絶対にNGです

時計が止まったまま長期間放置すると、過放電によって電池内部から強アルカリ性の液漏れが発生し、電子回路の基板を完全に腐食させてしまいます。こうなると部品交換ができず修理不可能になることもあるため大変危険です。もし使わない時計でも、電池は抜いておくか早めに交換するのが安心ですね。電池交換のタイミングや液漏れのリスクについても合わせて知っておくと、大切な時計をより長く安全に守れるかなと思います。

ソーラー時計の電力不足と電池劣化

光の力で動くソーラー時計は、「電池交換が一切要らない永遠の時計」と思われがちですが、これも遅れることがあります。ソーラー時計が遅れる一番の原因は、ズバリ慢性的な充電不足ですね。文字盤の下にあるソーラーセルで発電し、中の二次電池(蓄電池)にエネルギーを貯めているのですが、現代人の生活スタイルだとどうしても時計に当たる光が足りなくなるんです。

例えば冬場に厚手のコートや長袖のニットで時計が一日中隠れていたり、テレワークで室内で過ごす時間が長かったりすると、蓄電量がどんどん低下してしまいます。エネルギーが極端に減ると、時計は自己防衛のために秒針が1秒ごとではなく2秒ごとに飛ぶように動く「エネルギー切れ予告機能(省電力モード)」に切り替わり、結果的に時間が遅れたり止まったりしてしまうんです。

充電時の高温には要注意です!

充電不足を解消しようとして、車のダッシュボードなど直射日光が強く当たる高温の場所に長時間放置するのは絶対に避けてください。時計内部の温度が上がりすぎると、文字盤が変色したり、電子回路やプラスチック部品が熱で破損してしまう危険性があります。窓際の明るい日陰などで、数時間かけて優しく充電してあげるのがベストかなと思います。また、10年以上使っていていくら光に当ててもすぐ止まる場合は、蓄電池自体の寿命の可能性が高いですね。

電波時計の基準位置ズレと手動修正

標準電波を受信して自動で正確な時間に修正してくれる画期的な電波時計。それなのに「電波を受信しているサインは出ているのに時間が全く合わない」というトラブル、実は非常に多いんです。この現象の最大の原因は、時計内部のコンピューターと、表に見えている物理的な針の間に生じる「基準位置のズレ」という構造的な盲点にあります。

電波時計の内部のIC(コンピューター)は、「針がすべて12時ちょうどを指している状態」を究極の基準として記憶し、そこから計算して針を動かしています。しかし、時計をうっかり落として強い衝撃を与えてしまったり、強力な磁気を発する機器に近づけたりすると、針を動かす歯車が物理的にスリップしてしまうことがあります。すると、コンピューターは正しく現在時刻を計算しているのに、出力先の針そのものがズレているため、いつまで経っても間違った時間を表示し続けてしまうんです。

原因 論理的な対処法と解決手順
衝撃や磁気による針の物理的なスリップ 何度電波を受信しても直りません。取扱説明書やメーカーサイトを確認し、手動で強制的にすべての針を12時位置に戻す「基準位置合わせ(キャリブレーション)」の操作を行ってください。

このトラブルは時計そのものの故障ではないことが多いので、まずはご自身で基準位置の確認を行うことをお勧めします。腕時計の針ずれの直し方についてもプロの視点でまとめていますので、複雑な設定に迷った際はぜひ一度目を通してみてくださいね。

東京で時計修理のお困りごとなら「はらじゅく時計宝石修理研究所」

※もし、時計修理の依頼をしたいのに「近所の店では取り扱いブランド外だから断られてしまった」「古い時計なので部品がないと言われ」「もっと専門的なアドバイスが欲しい」とお困りの場合は、ぜひ私たち東京・渋谷区の「はらじゅく時計宝石修理研究所」にもご相談ください。

JR原宿駅(竹下口改札)から徒歩1分の場所にございます。国家資格を持つ技能士が、あなたの大切な時計を一本一本丁寧に診断させていただきます。

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状況や種類から探る時計が遅れる原因

時計の仕組みそのものだけでなく、私たちが普段どのように時計を使っているか、どんな環境に置いているかによっても、時間は狂ってしまうことがあります。ここからは、日常の状況や時計の種類から考えられる、少し意外な時計が遅れる原因についてお話ししていきますね。

アナログ時計の物理的な針のズレ

デジタル表示ではない、物理的な針が回って時間を教えてくれるアナログ時計は、直感的に時間が分かってデザインも美しい反面、物理的な衝撃にはあまり強くないという宿命を背負っています。

例えば、時計をうっかり床に落としてしまったり、歩いている時にドアノブや机の角に強くぶつけたりした拍子に、針自体が軸から少しズレてしまったり、重いテンプを支えている極細の軸(天真)が曲がって負担がかかってしまうことがあります。外装のガラスに傷がないため一見すると普通に動いているように見えても、毎日数分の遅れが定常的に生じているような場合は、この物理的なダメージが原因となっている可能性が非常に高いですね。

また、掛け時計のような長くて重い針を持つアナログ時計特有の現象として、壁に掛ける際のわずかな傾きが重力のバランスを崩し、特定の時間帯(例えば針が下から上へ持ち上がる6時から12時の間)でモーターの力が重力に負けてしまい、運針のペースが落ちて遅れるというケースも存在します。時計は私たちが思っている以上にデリケートな精密機械ですので、日頃から優しく扱ってあげることが精度を保つ第一歩かなと思います。

買ったばかりでも起きる磁気帯び

「買ったばかりの高級時計なのに、もう時間が遅れるようになった!」というご相談をお受けした場合、私たちがまず真っ先に疑うのは磁気帯び(帯磁)ですね。現代の私たちの生活空間は、スマートフォンをはじめ、ノートパソコンのスピーカー、ワイヤレスイヤホン、バッグや財布のマグネット式留め具など、目に見えない強力な磁気を発するデバイスで溢れかえっています。

時計の中の金属パーツ(特に精度を司るヒゲゼンマイやクオーツのモーター部品)が至近距離でこの磁界を浴びてしまうと、パーツ自体が磁石のように磁化されてしまうんです。磁化された金属部品同士は不自然に反発し合ったり引き合ったりして正常な動作ができなくなり、時間が遅れたり、逆に異常に進んでしまったりします。一度帯磁した金属部品は、自然に磁力が抜けることは決してありません。(出典:シチズンウオッチ オフィシャルサイト『磁気についての注意』)にも記載されている通り、強力な磁気を発する製品からは日常的に距離を置くことがメーカーからも強く推奨されています。

磁気帯びを防ぐための日常習慣

時計を外した際、スマートフォンの上に無造作に置いたり、ノートパソコンのすぐ横で保管するのは大変危険です。最低でも磁気発生源から5cm〜10cm以上は離して保管する習慣をつけるだけで、磁気帯びのリスクは劇的に下げることができますよ。見えない脅威から大切な時計を守ってあげてくださいね。

時計の遅れとスピリチュアルな関係

時計が遅れたり、突然止まったりする現象について、「もしかして何かスピリチュアルな意味があるのかな?」と感じる方も意外と多くいらっしゃいます。

例えば、風水やスピリチュアルな世界では、時計は「時間の流れ」や「持ち主のエネルギー」を象徴するアイテムとして捉えられることがあります。そのため、人生の大きな転機や環境の変化の前触れとして時計の時間が狂うと言われたり、あるいは持ち主自身の心身の疲れやエネルギーの乱れを、時計が身代わりとなって吸収してくれたサインだ、なんて考え方もあるようですね。不思議なもので、長年修理の仕事をしていると、持ち主の体調が優れない時に限って時計の調子も悪くなるとおっしゃるお客様に出会うことも実際にあります。

もちろん、私たち技術者の視点からすれば、時計の遅れはパーツの摩耗や磁気帯び、油切れといった100%物理的・化学的な故障であることがほとんどです。ただ、時計が狂ったことをきっかけに「最近忙しすぎたから、少し立ち止まって休んでみては?」という、時計からの優しいメッセージだと受け取ってみるのも、心に余裕ができて素晴らしいことかなと思います。ただし、実生活で時間が分からないと困ってしまいますので、想いを巡らせた後はしっかりと物理的なメンテナンスも忘れずに行ってくださいね。

自分でできる磁気帯びの確認と直し方

「もしかして私の時計、磁気帯びしているかも?」と思ったら、ご自宅にある方位磁針(コンパス)を使って簡単に帯磁の有無を確認することができます。スマートフォンのコンパスアプリはスマホ本体の磁気の影響を受けるため、必ず昔ながらのアナログな方位磁針を用意してください。

水平な場所に方位磁針を置き、針が完全に静止した状態を確認してから、そこに時計をゆっくりと近づけてみてください。もし時計を近づけた瞬間に方位磁針の針がピクッと大きく振れたり回り始めたりしたら、その時計の内部部品は間違いなく強い磁気を帯びてしまっています。

ご自身での修理や磁気抜きは自己責任となります

市販の脱磁器は、使い方や遠ざけるスピードを少しでも間違えると、逆に時計をさらに強く磁化させてしまうという大きなリスクを伴います。また、重度な磁気帯びでヒゲゼンマイが絡まり合っている場合は、機械を通すだけでは直らず分解作業が必須になります。少しでも不安に感じる場合や、確実な解決を望む場合は、最終的な判断は専門家にご相談いただくのが一番安全かなと思います。

時計が遅れる原因の対処は「はらじゅく時計宝石修理研究所」にお任せ

もし「原因がよくわからないから不安」「自分で直そうとして壊してしまうのが怖い」と感じたら、ぜひ私たち「はらじゅく時計宝石修理研究所」にお任せください。引き出しの奥に眠っている思い出の詰まった大切な時計や、親御さんから譲り受けた形見の時計が、また元気に正確な時を刻めるように、国家資格を持つ時計修理技能士が丁寧に点検し、心を込めて再生させていただきます。時計のトラブルでお困りの際は、どんな些細なことでも構いませんので、どうぞお気軽にお声がけくださいね。

 この記事を書いた人        

⚪︎⚪︎のアバター 天野 一啓 はらじゅく時計宝石修理研究所 店長

2018年4月に時計宝石修理研究所へ入社。現在は「はらじゅく時計宝石修理研究所」の店長として、店舗運営と接客、修理対応を担う。厚生労働省認定の国家時計修理技能士資格を取得し、大阪府から時計技能最高優秀賞を受賞。

お客様の大切な想い出が詰まった時計やジュエリーに向き合い、安心して預けられる存在を目指す。スイスの老舗時計工具メーカー・BERGEON(ベルジョン)とのコンセプトショップも展開し、時計修理の魅力発信にも注力。

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