2018.11.10
						■西宮店「ラドー オーバーホール」
						
							今回お客様からお承り致しましたお時計は、1917年に創業された「ラドー」です。
スイスのレングナウにて、フリッツ・シュラップ、エルンスト・シュラップ、ウェルナー・シュラップの3兄弟がシュラップ・アンド・カンパニーを設立したのが始まりです。当初はムーブメント製造を中心とした事業を展開し、主にアメリカ市場に輸出を行なっていました。ムーブメント会社からウォッチメーカーへと転身する契機となったのは、1947年のことです。経済学者ポール・ルーテー博士が経営陣に招かれ、彼の指揮のもと新しい経営戦略として自社オリジナルブランドをスタートさせたのが始まりです。そして1956年、ブランドの第一号機「イグザクト」を発表したのちに、社名をラドーと改めました。
早い段階から頑強な硬度をもつ新素材を、時計に取り入れることに高い意欲を示してきたラドーは自社ブランドをスタートしてから5年目にあたる、1962年に「スクラッチプルーフ(=傷がつきにくい)」という超硬メタルケースを開発したことで、遂にその志を結実させます。このケースは同年発表の「ダイヤスター」に採用され、業界内の耳目を大いに集めました。その後も、世界で初めてセラミックを腕時計のブレス部分に採用した「インテグラル」や、さらにケースまでもセラミックで成型した「セラミカ」の発表など、ラドーの快進撃は続きます。近年では、ダイヤモンドと同等の硬度をもつハイテクダイヤモンドコーティングケースの「V10K」というモデルを2005年に発表したことが記憶に新しいです。