1日何秒遅れたら故障?ロレックスが遅れる原因と自分で直せるかの見極め方

こんにちは。はらじゅく時計宝石修理研究所の天野一啓です。

愛用しているロレックスの時間が急に遅れるようになると、いよいよ寿命が来てしまったのではないか、どこか深刻な原因で故障したのではないかと不安になりますよね。

ロレックスが遅れるといったトラブルは、自動巻きの巻き上げ不足や磁気帯びといった日常的な影響から、内部の深刻な油切れまで本当に様々です。

突然5分遅れる、あるいは何分遅れるかわからないほどズレたり、完全に止まるような状態になると驚いてしまうかもしれませんが、まずは落ち着いて日差の正常な基準と対処法を知ることが大切かなと思います。

この記事では、私が日々お店で時計と向き合っている経験をもとに、時計の寿命を縮めないための解決策について分かりやすく解説していきます。

※もし、ロレックスの遅れが気になってお困りで「近所の店では取り扱いブランド外だから断られてしまった」「特殊構造だからできないと言われた」「もっと専門的なアドバイスが欲しい」とお困りの場合は、ぜひ私たち東京・渋谷区の「はらじゅく時計宝石修理研究所」にもご相談ください。

JR原宿駅(竹下口改札)から徒歩1分の場所にございます。国家資格を持つ技能士が、あなたの大切な時計を一本一本丁寧に診断させていただきます。

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この記事からわかること

  • ロレックスの正常な精度の基準と許容範囲について
  • 時間が遅れるまたは早く進む主な原因とメカニズム
  • メーカー保証と修理専門店それぞれのメリット
  • 精度低下を防ぐための日常的なセルフケア方法
目次

ロレックスが遅れる現象の正常と異常

ロレックスは世界最高峰の精度を誇る時計ですが、機械式である以上、環境や使い方によって多少の時間のズレは必ず生じます。まずは、どこまでが正常で、どこからが異常な遅れなのかを見ていきましょう。

新品の遅れ許容範囲と基準値

ロレックスの現行モデルは「高精度クロノメーター」という非常に厳しい独自の基準をクリアして出荷されています。この基準では、新品時の1日に生じる時間のズレはプラスマイナス2秒以内という、機械式時計としては限界に近い驚異的な数字が設定されています。(出典:ロレックス公式サイト『ロレックスの歴史 – 2013-2022』)

しかし、これはあくまで外部からの影響を極力排除した、理想的な検査環境下での話なんですね。実際に私たちが日常生活で腕に着けて過ごす場合、気温の変化による金属パーツの膨張・収縮や、腕の動かし方による姿勢差(重力の影響を受ける向きの変化)など、本当に様々な影響を絶えず受け続けています。そのため、この厳しい基準値を日常でピタリと維持するのは、物理的に非常に難しいのが現実です。

一般的には、新品で購入して間もない個体であっても、日差プラスマイナス10秒程度までであれば、日常使いにおける正常な新品の遅れ許容範囲内と考えてよいかなと思います。数秒の遅れを過度に心配するよりも、機械式時計ならではの「味」として付き合っていく余裕を持つことも、時計を長く楽しむ秘訣ですね。

姿勢差を利用した微調整のコツ

ロレックスのムーブメントは重力の影響を受けるため、夜間に時計を外して置く際の「向き」を変えるだけで、翌日の進みや遅れをわずかに調整できることがあります。例えば、文字盤を上にしたり、リューズを下にして置いたりして、ご自身の時計のクセを観察してみるのも面白いですよ。

経年で変化する正常な日差

時計は購入してから時間が経つにつれて、内部の潤滑油が少しずつ変化したり、微小なパーツが摩耗したりしていきます。時計の内部では、数百個にも及ぶ小さな金属部品が常に噛み合い、こすれ合いながら動いていますから、何年も大切に使っている時計であれば、新品時よりも日差が大きくなるのはごく自然な現象ですね。

長年愛用している個体の場合、購入から3年から5年ほど経過すると、日差がプラスマイナス20秒程度まで拡大することがよくあります。これくらいまでのズレであれば、ただちに致命的な故障が起きていると慌てる必要はないかもしれません。さらに、数十年前に製造されたヴィンテージモデル(アンティークモデル)に至っては、当時の製造技術の限界や、長年の稼働による部品の経年劣化も考慮しなければなりません。そのため、古い個体の場合はプラスマイナス60秒程度までは許容範囲として扱われることが業界でも一般的です。

ご自身の時計の年代や使用歴に合わせて、おおらかな気持ちで向き合うことも機械式時計との正しい付き合い方かなと思います。ただし、日々のズレがあまりにも急激に大きくなったり、気になる場合は、一度専門店で見てもらうのが安心ですね。精度の具体的なチェック方法などについては、こちらの記事も参考にしてみてください。

ロレックスが遅れる!修理の前に自分でできる対処法と8つの原因

自動巻きの動力不足による影響

お店にご相談にいらっしゃる方の中で、故障だと勘違いされやすいのが「動力不足」が原因で時計が遅れているケースです。ロレックスの多くのモデルは、着用者の腕の自然な振りを利用して内部のゼンマイを自動的に巻き上げる自動巻き(パーペチュアル)機構を搭載しています。

しかし、現代人の生活スタイルでは、デスクワークが中心で腕をあまり動かさない日が続いたり、休日に数時間しか着用しなかったりすると、この自動巻き機構だけでは十分なパワー(エネルギー)がゼンマイに蓄えられません。エネルギーが不足してくると、時計の心臓部である「テンプ」と呼ばれる調速機の振れ幅が弱々しくなってしまいます。これを振り角の低下と呼ぶのですが、この状態に陥ると時計は姿勢差の影響を強く受けるようになり、結果として時間が遅れたり、最悪の場合は完全に止まってしまったりします。

もし「最近よく時間が遅れるな」と感じたら、まずはリューズのロックを解除し、手動で時計回りにゆっくりと30〜40回ほどゼンマイを巻き上げてみてください。現行モデルであれば、巻きすぎによるゼンマイ切れを防ぐスリップ機構が備わっているので、たくさん巻いても心配はありません。

正しい手巻きのポイント

手動で巻き上げる際は、必ず腕から時計を外し、リューズに無理な力がかからないようにして時計回りにゆっくりと回すのがコツです。時計本体を激しく振って無理やり動かそうとするのは、内部パーツに強い衝撃を与えてしまうため絶対に避けてくださいね。

秒針の停止など誤作動の確認

機械自体の故障ではないのに、思いがけない誤作動やユーザーの勘違いによって「時間が大きく遅れた!」と錯覚してしまうケースも実は非常に多く見受けられます。その中でも特に多いのが、リューズの操作状態に関するトラブルですね。

多くのロレックスのムーブメントには、正確な時刻合わせを行うためにリューズを引き出すと秒針がピタッと止まる「ハック機能(秒針停止機能)」というものが搭載されています。これが、服の袖口やバッグの紐、あるいは何かの拍子に引っかかってしまい、着用者が気づかないうちにリューズがわずかに引き出された状態になってしまうことがあるんですね。当然ですが、リューズが引かれている間はテンプの動きが物理的に止められ、時計は完全に停止しています。そして、後で時間を見た時に「何十分も大幅に遅れている」と誤認してしまうわけです。

また、リューズがしっかりとケースにねじ込まれていないと、そこから簡単に水分やホコリが入り込んでしまいます。水分が入ると内部で致命的なサビ(腐食)を引き起こし、ムーブメント全体をダメにしてしまう恐れがあります。日頃から、時刻合わせをした後はリューズがきちんと最後まで押し込まれ、確実にロックされているかを確認する習慣をつけることを強くおすすめします。

磁気帯びで時間が早く進む症状

現代の私たちの生活環境において、機械式時計にとって一番の強敵であり、精度を狂わせる最大の要因とも言えるのが「磁気」の存在です。スマートフォンやタブレット、ノートパソコンのスピーカー周辺、ワイヤレスイヤホン、さらにはバッグや財布のマグネット式留め具など、身の回りには強力な磁気を発するものが溢れていますよね。

時計内部の極めて繊細な金属パーツがこの磁気を帯びてしまうと、本来の規則正しい動きが全くできなくなってしまいます。特に、テンプの動きを制御している「ヒゲゼンマイ」という極細の渦巻きバネが磁化すると、コイル同士が磁力によって互いに引き合って密着したり、反発したりしてしまいます。多くの場合、このヒゲゼンマイの異常によって時間が早く進むという症状が現れやすいのですが、磁気の入り方や他のパーツへの影響によっては、極端に遅れる原因になることもあります。「昨日まで普通だったのに、突然何十分も進んでしまった!」という場合は、ほぼ間違いなく磁気帯びを疑ってみてください。

磁気帯びから大切な時計を守るために

就寝時などに、スマートフォンなどの電子機器のすぐ横に時計を置くのは非常に危険です。最低でも5センチ以上は時計を離して保管するように心がけましょう。一度磁気帯びしてしまうと自然に抜けることはないため、専用の脱磁器(磁気抜き機)を使った修理が必要になります。

ロレックスが遅れてしまってお困りなら「はらじゅく時計宝石修理研究所」

※もし、ロレックスの遅れが気になってお困りで「近所の店では取り扱いブランド外だから断られてしまった」「特殊構造だからできないと言われた」「もっと専門的なアドバイスが欲しい」とお困りの場合は、ぜひ私たち東京・渋谷区の「はらじゅく時計宝石修理研究所」にもご相談ください。

JR原宿駅(竹下口改札)から徒歩1分の場所にございます。国家資格を持つ技能士が、あなたの大切な時計を一本一本丁寧に診断させていただきます。

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ロレックスが遅れる主な原因と解決策

ここまでお話しした日常的な要因や正常な範囲を超えて、日常的に時間が大きくズレるようになった場合、それは時計内部からの深刻なSOSかもしれません。ここからは、本格的なトラブルの原因と、その解決策についてお話ししていきます。

突然5分遅れる深刻な理由

昨日まで全く問題なく正確に動いていた時計が、突然5分遅れるようになったり、数十分単位で時間が狂うようになったら、ムーブメント内部で看過できない深刻なトラブルが起きている可能性が極めて高いです。これは単なる微調整のズレといったレベルの話ではなく、何らかの物理的な異常を知らせる強いサインかなと私は思います。

考えられる理由としては、先ほど触れた強力な磁気帯びの重症化の他に、時計をうっかり落としてしまった際などの強い物理的衝撃が挙げられます。強い衝撃を受けると、極薄のヒゲゼンマイが絡まってしまったり、内部の微細なパーツが破損・ズレたりするケースがあります。また、長年の使用によって自動巻きの「ローター芯」という軸が摩耗し、ローターがケースの内側に「シャーシャー」と擦れてしまい、うまくゼンマイを巻き上げられなくなっていることも多いですね。さらに、針を取り付けている「筒カナ」というパーツが緩むことで、内部の機械は動いているのに針だけが回らないということも起こり得ます。こうした急激な変化を感じたら、無理に動かそうとせず、早めにプロに見てもらうのが一番の解決策です。

デイトジャスト特有の構造

ロレックスの定番であり大人気モデルであるデイトジャストは、深夜の12時付近で日付(カレンダー)がカシャッと瞬時に切り替わる、非常に素晴らしい機構を持っています。しかし、この便利な機能も、長年メンテナンスを怠ると、時計が遅れる大きな原因になってしまうことがあるんですね。

このカレンダー機構を瞬時に弾き飛ばして切り替えるためには、通常の時刻を刻む以上の非常に大きなエネルギー(トルク)を必要とします。時計内部では、夜中の数時間前から少しずつバネに力を蓄積していくのですが、内部の油切れが進行していると、このカレンダーを動かす際の摩擦抵抗が異常に大きくなり、時計の動き全体に過度な負担をかけてしまうんです。結果として、夜中から明け方にかけてテンプの動きが鈍くなり、動作が重くなって時間が遅れるといった症状が出やすくなります。カレンダーの切り替わりがスムーズにいかなくなってきた、あるいは途中で引っかかるような感じがしたら、オーバーホールの時期が近づいている確実な目安かもしれませんね。

こちらの記事では、オーバーホールの頻度や費用についてさらに詳しく解説していますので、よろしければご覧ください。

ロレックス・デイトジャストのオーバーホールの料金と頻度を解説

精度が低下する根本的な原因

長い目で見ると、ロレックスの精度が著しく低下していく最も根本的な原因は、やはり内部の「潤滑油の経年劣化」と、それに伴う「パーツの摩耗」に行き着きます。機械式時計のムーブメントの中では、数百個もの小さな金属部品が常に休むことなくこすれ合いながら動いています。

この摩擦を極限まで減らすために、歯車の軸などには数種類の特殊な油がミリグラム単位で精密に差されているのですが、3年から5年ほど経つと、この油が酸化したり乾燥したりして本来の滑らかさを完全に失ってしまいます。油が切れた状態で無理に時計を動かし続けると、金属同士が直接削れ合い、微細な金属粉が発生してしまいます。その金属粉が他の歯車に噛み込むことでさらに動きを妨げるという、恐ろしい悪循環に陥ってしまうんですね。こうなると、大幅な遅れや止まりにつながるだけでなく、オーバーホールの際に高額な部品交換が多数必要になってしまうため、本当に注意が必要です。

メーカーの保証期間内の対応

もし購入してまだ間もないロレックスの精度に異常を感じた場合は、まずは正規のサービスセンターに相談するのが鉄則ですね。新品で購入したロレックスの時計には、現在5年間の手厚い国際保証がついています(※購入時期によって期間が異なります)。通常の使用範囲内で起きた自然故障や精度の不良であれば、この保証期間内は無償で点検、修理、調整を受けられる可能性が高いです。

ただし、保証期間内であっても万能ではありません。落下による強い衝撃でケースに打痕がある場合や、リューズの締め忘れによる水没、あるいは強力な磁気帯びなど、使用者の過失によるトラブルは保証の対象外となってしまい、有償での修理となることがほとんどです。また、アンティークモデルであったり、過去に一度でも正規以外の業者で社外パーツ(アフターダイヤなど)による改造が施された個体は、ロレックスの正規サービスでの修理受付自体を完全に断られてしまうこともあるので気をつけてください。正確な保証内容や修理の受付状況については、必ずロレックスの公式サイトや正規販売店で確認してくださいね。

専門の修理店における調整

メーカーの保証期間がすでに切れていたり、アンティークモデルで正規のサポートが受けられなかったりする場合、あるいは高額な正規メンテナンス費用を抑えたい場合に頼りになるのが、民間の時計修理専門店です。優良な専門店では、熟練の職人が専用のタイミング調整機を使って精度の調整を行ったり、丁寧なオーバーホールを実施してくれます。

修理専門店を利用する最大のメリットは、正規サービスに比べて基本費用が非常にリーズナブルに抑えられることや、納期が比較的早い(約1ヶ月程度)ことですね。また、ヴィンテージロレックスの文字盤の焼けや針のサビなど、オリジナルの風合いをあえて残したいという細かな要望にも、部品を強制的に交換することなく柔軟に対応してくれることが多いのも魅力です。ただし、お店によって技術力や使用する機材に大きな差があるのも事実です。「1級時計修理技能士」が在籍しているか、純正部品を適切に使ってくれるかなど、信頼できるお店をしっかりと見極めることが大切かなと思います。

依頼先 費用の傾向(目安) 納期の目安 主な特徴とメリット・デメリット
日本ロレックス(正規) 約150,000円〜(高額) 約2〜3ヶ月以上 100%純正部品、2年間の修理保証で安心感が最高。ただし条件が厳しく古いモデルは断られることも。
時計修理専門店(優良店) 約60,000円〜(リーズナブル) 約5週間〜2ヶ月程度 柔軟な要望に対応可能でコスパが良い。店舗によって技術力にバラツキがあるため見極めが必要。

※料金や納期はあくまで一般的な目安です。モデルの複雑さや部品の交換状況によって大きく変動しますので、最終的な判断は信頼できる専門家にご相談ください。

修理業者の選び方や、さらに詳しい料金の比較については、こちらの記事も役立ちますよ。

ロレックスのオーバーホールはどこへ出すべき?正規店と修理店を比較

ロレックスが遅れるお悩みは当研究所へ

ここまで、時計の精度が狂ってしまう様々な物理的理由や、日常的なケアの重要性について詳しくお話ししてきました。ロレックスのような最高峰の機械式時計は、まるで生き物のように繊細です。使えば使うほど腕に馴染んで愛着が湧く反面、数年に一度の定期的なケアが絶対に欠かせません。「なんだか最近ロレックスが遅れる気がする」「手巻きをしてもすぐに止まってしまう」といった症状でお悩みの方や、親から譲り受けた大切な時計をこれからも長く使いたいとお考えの方は、ぜひ一度、はらじゅく時計宝石修理研究所にご相談ください。

当店では、豊富な知識と数え切れないほどの修理実績を持つ時計修理技能士が在籍しております。お客様の時計やジュエリーに眠る大切な思い出にしっかりと寄り添いながら、確かな技術で丁寧に分解掃除を行い、再び力強く時を刻むように再生させていただきます。ちょっとした精度のズレの点検から、長年放置してしまった不動品の本格的なオーバーホールまで、どんな小さなことでも構いません。お見積もりやご相談だけでも大歓迎ですので、皆様の時計との豊かな時間をサポートできれば嬉しく思います。いつでもお気軽にお声がけくださいね。

 この記事を書いた人        

⚪︎⚪︎のアバター 天野 一啓 はらじゅく時計宝石修理研究所 店長

2018年4月に時計宝石修理研究所へ入社。現在は「はらじゅく時計宝石修理研究所」の店長として、店舗運営と接客、修理対応を担う。厚生労働省認定の国家時計修理技能士資格を取得し、大阪府から時計技能最高優秀賞を受賞。

お客様の大切な想い出が詰まった時計やジュエリーに向き合い、安心して預けられる存在を目指す。スイスの老舗時計工具メーカー・BERGEON(ベルジョン)とのコンセプトショップも展開し、時計修理の魅力発信にも注力。

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