フィリップデュボワのオーバーホール・修理料金と専門店の選び方

東京でフィリップデュボワのオーバーホール・修理を行った画像

こんにちは。時計修理技能士の天野一啓です。

フィリップデュボワのオーバーホールに関する疑問や不安をお持ちではないでしょうか。

18世紀から続く非常に歴史のある素晴らしい時計だからこそ、アンティークモデルの修理について詳しく知りたいというお声をよく耳にします。

特に、フィリップデュボワのオーバーホールの料金相場がどれくらいなのか、あるいは正規店と民間店のどちらに出すべきか、東京で依頼するならおすすめの店舗はどこかといったご相談は非常に多いですね。

この記事では、希少なムーブメントを搭載した大切な時計を長く愛用するためのメンテナンスの重要性から、正確な見積もりを出してくれる適切な依頼先の選び方まで、専門的な視点から分かりやすく解説していきます。

読み終える頃には、どうすれば時計の歴史的価値を落とさずに最適なケアができるのか、その答えがきっと見つかるはずです。

※もし、フィリップデュボワのオーバーホールを依頼をしたいのに「近所の店では取り扱いブランド外だから断られてしまった」「特殊構造だからできないと言われた」「もっと専門的なアドバイスが欲しい」とお困りの場合は、ぜひ私たち東京・渋谷区の「はらじゅく時計宝石修理研究所」にもご相談ください。

JR原宿駅(竹下口改札)から徒歩1分の場所にございます。国家資格を持つ技能士が、あなたの大切な時計を一本一本丁寧に診断させていただきます。

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この記事からわかること

  • フィリップデュボワの時計に定期的なメンテナンスが必要な理由が分かる
  • 内部の摩耗やパワーリザーブ低下といった故障のサインに気づける
  • 正規代理店と民間修理店のそれぞれのメリットと料金相場が比較できる
  • 高度な技術を持った安心できる修理専門店を選ぶ基準が身につく
目次

フィリップデュボワのオーバーホールとは

ここからは、フィリップデュボワの時計におけるオーバーホールの重要性と、内部で静かに進行している劣化のメカニズム、そして多くの方が一番気にされている費用の相場など、基本かつ最重要なポイントについて詳しく解説していきますね。

レギュラー1本として長く愛用する

フィリップデュボワは、1751年創業というスイス時計産業の黎明期を支えた、現存する最古級の歴史を持つ非常に魅力的なブランドですね。ブランパンやヴァシュロン・コンスタンタンといった世界最高峰のメゾンと肩を並べるほどの深い歴史を持っています。特に現代のフィリップデュボワ(デュボワ・エ・フィス)の時計が持つ最大の特異性は、かつてのスイス・エボーシュ黄金期に作られた希少なデッドストック・オールドムーブメントを現代のケースに収めている点にあります。これは単なる時間を知るための道具という枠を超えて、世界中の時計愛好家から熱狂的な支持を集めるコレクターズアイテムとしても高い評価を受けているんですね。

そういった歴史的価値の詰まったタイムピースを、特別な日だけではなくレギュラー1本として日常的に長く愛用するためには、定期的なメンテナンスが絶対に欠かせません。「今は元気に動いているから大丈夫」と思ってしまいがちですが、機械式時計は数百もの微細な金属パーツが連動して動く精密なマイクロ・エコシステムです。アンティークの機械を心臓部に持っているからこそ、定期的にプロの目でチェックし、細やかなケアをしてあげることで、数十年先も美しい時を刻み続けることができます。逆に言えば、メンテナンスさえしっかり行っていれば、一生モノどころか次の世代へと受け継いでいくことができる、本当に素晴らしい時計なんですよ。

パワーリザーブの低下は危険信号

時計を毎日使っている中で、「なんだか最近、すぐに止まってしまうな」と感じることはありませんか。ぜんまいを最後までしっかりと巻き上げても、公称されている本来の持続時間(例えば40時間など)を大幅に下回って止まってしまうようなパワーリザーブの著しい低下は、時計内部からのとてもわかりやすいSOSサインです。この症状が出ている時は、内部の油が切れて部品同士の摩擦抵抗が大きくなり、動力伝達にロスが生じている可能性が極めて高いですね。

他にも見逃してはいけない危険信号がいくつかあります。例えば、時間が極端に進んだり遅れたりする「日差の異常」は、心臓部である脱進機や調速機の油切れ、あるいはヒゲゼンマイの磁気帯びなどが疑われます。また、リューズを巻く時に異常に重く感じたり、引っ掛かりがあったり、ケースの中から「シャリシャリ」「ゴトゴト」といった異音が鳴ったりする場合は要注意です。こういった初期症状を「まだ動くから」と放置して無理に使い続けると、周囲の健康な部品まで巻き込んで破壊してしまい、さらに重篤な故障につながってしまいます。少しでも違和感を覚えたら、なるべく早く使用を中止して専門家へ相談することをおすすめします。

内部の潤滑油枯渇と部品の摩耗

では、なぜ調子が悪くなる前に定期的なメンテナンスが必要なのでしょうか。その最大の原因は、時計内部の潤滑油の枯渇部品の摩耗という、避けられない物理的な現象にあります。時計の中では、ルビーの軸受けやガンギ車の爪、歯車など数十箇所に専用の特殊オイルが差されていますが、これらは使用頻度に関わらず、空気中の酸素による酸化や自然揮発によって、だいたい3年から5年ほどで劣化して粘り気が出て固まってしまいます。

油が完全に切れた状態で時計が動き続けるとどうなるかというと、金属同士が直接激しく削れ合い、微細な金属粉が発生します。この金属粉が厄介でして、油のカスと混ざって研磨剤のようになり、大切な歯車の軸(ホゾ)をどんどん削り取ってしまうのです。こうなってしまうと、単なる洗浄や注油だけでは元の精度を取り戻すことはできず、摩耗した部品を丸ごと交換するか、職人の手で軸を削り直すといった非常に高額な修理が必要になってしまいます。

ゼンマイの金属疲労と香箱の破損リスク

時計の動力源であるゼンマイも、何年にもわたる巻き上げと解放の繰り返しで金属疲労を起こし、ある日突然プツンと切れてしまうことがあります。恐ろしいのは、切れた瞬間の強烈な反発エネルギーで、ゼンマイを収めている香箱(バレル)や周囲の歯車まで叩き割ってしまう二次被害のリスクがあることです。この状態になると修理費用が一気に跳ね上がります。

アンティーク要素の強い時計の内部事情についてより深く知りたい方は、東京でアンティーク時計の修理なら!費用とおすすめ店の選び方の記事もぜひ参考にしてみてください。古い時計ならではの弱点と、それを現代の技術でどうカバーしていくのかについて詳しく解説しています。

メンテナンスにかかる料金相場

やはり一番気になるのは、オーバーホールの料金がどのくらいかかるのかという点かと思います。フィリップデュボワは、1930年代のFEFキャリバーやレマニアなどの歴史的なムーブメントに独自の改良を加えていることも多く、搭載されている機能によって費用は大きく変動します。ただ、事前に大まかな予算感を知っておくことは大切ですよね。

一般的に、私達のような民間時計修理専門店での基本料金の相場は以下のようになります。

時計の機能・駆動方式 基本料金相場 料金決定の主な特徴
機械式 手巻き(2・3針) 40,000円 ~ 80,000円 最も基礎的な輪列構造。部品点数が比較的少なく、基本となる作業です。
機械式 自動巻き(2・3針) 40,000円 ~ 90,000円 手巻き機構に加え、ローターなど自動巻き上げ機構の分解調整が必要です。
クロノグラフ(手・自動巻き) 60,000円 ~ 100,000円 部品点数が膨大になり、カムやレバーなどの緻密な調整技術が求められます。
コンプリケーション(複雑時計) 要見積もり ムーンフェイズやビッグデイトなどの特殊機構がある場合、難易度が飛躍します。

部品作製が必要になると費用は跳ね上がります

※上記の金額はあくまで一般的な目安(基本料金)です。例えば、先ほどお話ししたゼンマイ切れによる香箱の破損があったり、裏蓋のシースルーバックガラスが割れて特注で作製したりするケースでは、この基本料金に数万円単位の部品代や加工代が上乗せされます。実際の修理で基本料金の3倍近い費用がかかってしまった事例もありますので、まずはしっかりとした見積もりを取ることが大切です。

他ブランドも含めたオーバーホールの全体的な費用感については、時計のオーバーホールの値段・相場はどれくらいか?メーカーごとに解説でも詳しくまとめていますので、比較検討の材料にしてみてくださいね。

正規代理店と民間店の違いとは

いざ修理を依頼しようと考えた際、メーカーの正規代理店に出すか、民間の修理専門店に出すかで迷われる方も多いですよね。これにはそれぞれに明確なメリットとデメリットがありますので、ご自身の予算や納期への希望に合わせて選ぶのがポイントかなと思います。

正規ルートを通じてスイス本国へ修理を依頼する最大の強みは、メーカーの公式な保証が得られ、ブランドの真正性が100%完全に保たれることです。しかし、フィリップデュボワのようなオールドムーブメントを搭載したモデルの場合、修理のためにスイス本国へ送られることが多く、修理期間が半年以上に及んでしまうことが珍しくありません。また、国際間の輸送費や関税などが上乗せされるため、最終的な費用がかなり高額になりやすいという側面もあります。

一方で、私達のような民間の修理専門店を利用するメリットは、比較的リーズナブルな価格設定と、国内で作業が完結するため通常1ヶ月〜2ヶ月半程度で手元に戻ってくるというスピード感にあります。ただし、一番の注意点は「どこに出しても同じではない」ということです。アンティーク時計の構造を深く理解しているお店を選ばないと、「特殊な機械だから対応できない」「部品の供給ルートがない」と受付で断られてしまうことも少なくありません。

東京でフィリップデュボワのオーバーホールの依頼でお困りなら「はらじゅく時計宝石修理研究所」

※もし、フィリップデュボワのオーバーホールの依頼をしたいのに「近所の店では取り扱いブランド外だから断られてしまった」「特殊構造だからできないと言われた」「もっと専門的なアドバイスが欲しい」とお困りの場合は、ぜひ私たち東京・渋谷区の「はらじゅく時計宝石修理研究所」にもご相談ください。

JR原宿駅(竹下口改札)から徒歩1分の場所にございます。国家資格を持つ技能士が、あなたの大切な時計を一本一本丁寧に診断させていただきます。

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フィリップデュボワのオーバーホール依頼先

時計のコンディションやご予算に合わせて、実際にどこに大切な時計を預けるべきか。ここからは、具体的な依頼先の選び方と、本当に信頼できる技術者の見極め方についてさらに深く掘り下げていきます。

どこで依頼するのが最適か

フィリップデュボワの時計をどこで依頼すべきか。それは、その時計が持つ歴史的価値と特殊な成り立ちをしっかりと理解し、万が一純正部品が手に入らない場合でも、旋盤を使って部品を新規作製(別作)できるだけの技術と柔軟さを持ったお店を選ぶのが一番の正解かなと思います。

近所にある昔ながらの時計屋さんや、大手家電量販店の修理窓口でも、クォーツ時計の電池交換くらいなら快く対応してくれるかもしれません。しかし、数十年前に作られたオールドムーブメントの分解掃除となると話は全く別です。現代の時計とは構造からオイルの差し方まで全く違うため、マニュアル通りの作業しかできない業者では対応できません。お店のウェブサイトなどで過去の修理事例を積極的に公開していて、「他店で断られた時計でも大歓迎」と謳っているような、マイナーブランドやアンティークの取り扱いに慣れている工房を探すのがもっとも確実で安心できるアプローチですね。

高度な修理技術が必要な理由

フィリップデュボワの修理には、一般的な現代時計を扱う以上の深い知識と、高度な職人的技術力が要求されます。なぜなら、彼らが採用している1930年代のFEF社製手巻きキャリバーや、クロノグラフの名機であるレマニアCal.1873などは、現代の量産型ハイビートムーブメントとは全く異なる、古典的で繊細な設計思想で作られているからです。

例えば、現代の時計では当たり前についている耐震装置(インカブロックなど)が備わっていないモデルもあり、少しの衝撃でテンプの軸が折れてしまうリスクがあります。また、テンプの振動数がゆっくりな低振動ムーブメントには、現代のサラサラとしたオイルではなく、少し粘度の高いヴィンテージ専用のオイルを最適な量だけ見極めて注油する技術が必要です。さらに、風防(ガラス)にヒビが入ってしまった場合、純正パーツはとっくの昔に製造終了しているため、技術者が手作業でガラスを切り出してケースの形状に合わせて特注で作製するといった、アナログな職人技が必要不可欠になります。

国家資格の存在がひとつの目安になります

マニュアルに頼らない臨機応変な対応ができる「引き出しの多さ」は、一朝一夕に身につくものではありません。その技術力を測るひとつの客観的な基準として、日本には厚生労働省が管轄する国家資格があります。(出典:厚生労働省『技能検定制度について』)。こうした資格を持つ「時計修理技能士」が在籍しているかどうかは、お店選びの重要なチェックポイントになりますね。

東京で信頼できる技術者を探す

もしあなたが東京にお住まい、あるいは東京近郊で修理先をお探しであれば、時計修理の激戦区だからこそ、高い技術を持った優良店を見つけやすい恵まれた環境にあります。しかし、選択肢が多い分、どこを選べばいいか迷ってしまうのも事実ですよね。

東京で信頼できるお店を探す際は、先ほど触れた「国家資格の保有者が在籍しているか」という点に加えて、「なぜその部品交換が必要なのか、ケースを開けて内部を精査した上で明確な見積もりを出してくれるか」を確認してください。優良店は、ただ「オーバーホール〇〇円です」と伝えるのではなく、摩耗している箇所の状態を丁寧に説明してくれます。また、修理完了後のアフター保証(一般的には1年、長いところでは2年)がしっかりついているかどうかも、そのお店が自分たちの技術にどれだけ自信を持っているかの表れになります。

東京エリアでいくつかのお店を比較検討したい場合は、東京でブランド時計の修理・オーバーホールを依頼するおすすめ8選専門店の記事もぜひ参考にしてみてください。客観的な視点で、それぞれの店舗の強みや特徴を知ることができますよ。

安心できる時計修理専門の店舗

大切な時計を長期間預ける店舗は、圧倒的な技術力を持っていることはもちろんですが、それと同じくらい「親身になって相談に乗ってくれる安心感」も重要ですよね。例えば、見積もりを出してもらったけれど金額に納得がいかなかった場合、キャンセル規定が明確に設定されているか、返送時の送料はどうなるのかといった、お客様目線の配慮ができているかどうかも、優良な店舗を見分ける大きな基準になります。

私たち「はらじゅく時計宝石修理研究所」では、国家資格を持つ時計修理技能士が、お客様の時計に眠る大切な思い出に寄り添いながら、一つひとつ丁寧に時間をかけて診断を行っています。フィリップデュボワのような特殊な構造のアンティーク時計や、他店様で「部品がないから」という技術的な理由でお断りされてしまったモデルでも、持てる技術を総動員して再生のお手伝いをさせていただきます。

フィリップデュボワのオーバーホールまとめ

いかがでしたでしょうか。今回は、アンティークの魂を宿したフィリップデュボワのオーバーホールの重要性から、ヴィンテージ特有の故障メカニズム、そして大切な時計を預けるのにふさわしい最適な修理店の選び方まで、かなり詳しく踏み込んで解説してきました。

18世紀から続く歴史的な価値と、かつての名機を現代に蘇らせたフィリップデュボワの時計は、適切なメンテナンスさえ続けていれば、世代を超えて末長く受け継いでいける素晴らしい芸術品です。時計からの「パワーリザーブが短くなった」「進み遅れが激しい」といった小さなSOSサインを決して見逃さず、「完全に調子が悪くなってから直す」のではなく、「美しい調子を崩さないために予防ケアをする」という意識を持っていただけたら、技術者としてこんなに嬉しいことはありません。

フィリップデュボワのオーバーホールのことで少しでも不安やお困りごとがございましたら、ぜひお気軽に「はらじゅく時計宝石修理研究所」へご相談ください。私たちが責任を持って、あなたの愛機を最高の状態へと導き、時計・ジュエリーに眠る思い出とともに再生させます。(※正確な状態チェックや最終的なご判断は、ぜひ一度時計を拝見させてください。)

 この記事を書いた人        

⚪︎⚪︎のアバター 天野 一啓 はらじゅく時計宝石修理研究所 店長

2018年4月に時計宝石修理研究所へ入社。現在は「はらじゅく時計宝石修理研究所」の店長として、店舗運営と接客、修理対応を担う。厚生労働省認定の国家時計修理技能士資格を取得し、大阪府から時計技能最高優秀賞を受賞。

お客様の大切な想い出が詰まった時計やジュエリーに向き合い、安心して預けられる存在を目指す。スイスの老舗時計工具メーカー・BERGEON(ベルジョン)とのコンセプトショップも展開し、時計修理の魅力発信にも注力。

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