時計のオーバーホールができる、おすすめの時計業者8選

大切な時計の調子が悪くなると、「このまま壊れてしまわないか」という不安を抱える方も多いのではないでしょうか。時計の寿命を延ばすためには、定期的なオーバーホールが欠かせません。特にここ数年は高級腕時計の資産価値が見直されていることもあって、オーバーホールの重要性を見直している方が増えています。
この記事では、オーバーホールの基本から時計修理会社の選び方まで、分かりやすく解説します。
なお、私たち「はらじゅく時計宝石修理研究所」は、原宿にある時計と宝石の修理専門店です。高級ブランドからアンティークまで幅広く対応しており、国家資格を持つ技術者が丁寧に修理します。大手量販店で断られた修理にも対応できる高度な技術力を持っているため、他店で修理できなかったアンティークや古いモデルの時計もお任せください。
» はらじゅく時計宝石修理研究所の詳細へ
時計のオーバーホールが必要な理由
オーバーホールに興味はあっても、「本当に必要なの?」と迷う方は少なくありません。
まずはオーバーホールの意味と、行うメリットを整理してみましょう。
潤滑油が劣化するから
時計内部の歯車や軸受けには潤滑油が使用されていますが、時間の経過とともにこの油は劣化・乾燥してしまいます。潤滑油の役割は部品同士の摩擦を軽減することにありますが、これが劣化すると摩擦が増加し、部品の摩耗が進行することになります。
特に機械式時計は非常に精密な機構で作られており、微細な部品が絶妙なバランスで動作しています。そのため、潤滑油の劣化は時計の精度や寿命に直接影響を与えるのです。一般的に3〜5年を目安にオーバーホールが推奨されているのは、この潤滑油の劣化サイクルに基づいています。
部品の摩耗や損傷が起こるから
潤滑不良の状態で時計を使用し続けると、歯車や軸などの部品が摩耗し、最悪の場合、部品が破損することがあります。これにより、時計の精度が低下したり、動作不良が生じたりすることも少なくありません。
最近の時計は精密化・専用化が進み、メーカーが部品生産を打ち切ってしまうと修理不能になるリスクがあります。例えば購入後10~20年程度の時計でも、もし重要なパーツが摩耗しきって壊れてしまった場合、メーカー在庫が無ければ直せない可能性があります。
オーバーホールを怠り致命的な破損を招くと、「直したくても直せない」という事態にもなりかねません。また、仮に直せたとしても部品交換が必要になれば修理代は飛躍的に高騰します。
数千円のパーツでもメーカー純正を取り寄せると何万円もすることもあり、高級時計なら部品代だけで新品価格に迫るケースもあります。定期的なオーバーホールで未然に摩耗部品を交換・調整しておけば、こうした突然の高額出費や修理不能リスクを大幅に減らせるのです。
防水性能が低下するから
時計の防水性を保つためのゴムパッキンは、経年劣化により硬化や亀裂が生じます。これを放置すると、湿気や水分が時計内部に侵入し、錆や故障の原因になります。
錆(さび)や腐食は正常な動きを阻害し、最悪の場合、主要な歯車やネジが錆び付いて修復不能になるケースさえあります。定期的なオーバーホールではこのパッキンも点検・交換されますので、防水性能を新生時の状態に保ち錆のリスクを低減できます。
日常使用の中で、知らないうちに時計に水滴がかかることは珍しくありません。シャワーや手洗い、雨の日など、時計は意外と水に触れる機会が多いものです。防水性能が低下した状態では、こうした日常的な水分でさえ内部に侵入し、精密機構にダメージを与えることがあります。
オーバーホールでは、このパッキンの交換も行われるため、防水性能の回復にも繋がるのです。
オーバーホールは自分でできるのか

時計のオーバーホールは、専門的な知識と技術が必要とされる精密な作業です。特に高級時計やアンティーク時計の場合、一般の方が自分で行うのはかなり難しいと言わざるを得ません。
時計の内部は非常に精密で微細な部品で構成されており、専用の工具と技術がなければ分解・組立てを正確に行うことは困難です。
また、各部品の洗浄や潤滑油の塗布も高度な専門知識が必要となります。失敗したり、パーツを紛失すると時計が使えなくなる場合もあるので、リスクが高いといえるでしょう。
さらに、メーカーによっては自分でオーバーホールした時計は保証対象外になることもあります。大切な時計のメンテナンスは、専門の修理業者やメーカーに依頼することをお勧めします。プロの技術者に任せることで、時計の状態を正確に把握し、適切な処置を施してもらえるため、長期的に見ればそのほうが時計のためになるでしょう。
オーバーホールはメーカーと修理店どちらがいいのか?
オーバーホールを依頼する際、メーカーと修理店どちらが良いか迷う方もいるでしょう。それぞれのメリットとデメリットを比較し、ご自身の状況や時計に合わせて選びましょう。
メーカーに依頼する場合
メーカーに依頼する最大のメリットは、純正部品を使用するため品質が安定している点です。また、メーカーの保証が適用される場合があり、ブランドの信頼性という観点からも安心感があります。
一方で、修理費用は修理店に比べて高額になります。具体的には、正規店でのオーバーホール費用はモデルによりますが数万円~十万円近くになることもあります。一般的には修理店の2倍〜3倍ほどの費用がかかる可能性が高いですが、これは時計の状態によっても変わってきます。
また、メーカーの場合は納期も長めになることが多く、場合によっては半年〜1年かかることもざらにあります。大手ブランドでは修理の受付窓口が限られている場合もあるため、地方にお住まいの方は不便を感じることもあるでしょう。
時計修理会社に依頼する場合
修理会社に依頼するメリットとしては、メーカーよりも修理費用が比較的安いことが挙げられます。また、納期も短めであることが多く、様々なブランドやモデルに対応できる場合が多いのも特徴です。
しかし、修理店の技術力には差があることも事実です。信頼できる店舗を選ぶことが重要になります。また、純正部品を使用しない場合があることや、保証内容がメーカーより短い場合があることも考慮する必要があるでしょう。
料金もメーカー公式価格の7~8割程度に抑えられるケースが多く、外注せず自社内完結する体制から比較的スピーディーな対応も期待できます。
まとめると、品質と信頼性を最優先するならメーカー、費用や納期を重視するなら修理会社という選択肢になります。大切なのは、ご自身の時計の価値や状態、予算、修理の緊急性などを総合的に判断して選ぶことでしょう。
オーバーホールができる時計業者を選ぶポイント

信頼できる時計修理業者を選ぶことは、大切な時計を長く使い続けるために非常に重要です。
以下のポイントを参考に、自分に合った業者を見つけましょう。
純正部品・高品質パーツの取り扱い
特に高級ブランドや特殊なモデルの場合、純正部品での修理が推奨されます。純正部品は時計の性能を最大限に引き出すために設計されており、フィット感や耐久性に優れているためです。
並行輸入品や中古品の場合も含め、修理に使うパーツについては事前に確認し、納得の上で依頼することが重要です。修理店によっては、純正部品が入手困難な場合に代替品を使用することもありますが、その際は事前に説明を受け、品質や保証内容について理解しておくことが大切です。
良質な修理店では、使用するパーツの種類や品質について透明性を持って説明してくれるはずです。疑問点があれば遠慮なく質問し、納得した上で依頼しましょう。
技術力と実績
国家資格を持つ時計修理技能士が在籍しているか、長年の修理実績があるかは大きな判断材料になります。特に複雑な機構を持つ高級時計や希少なアンティーク時計の場合、高度な技術と経験が不可欠です。
独自部品が必要になるブランドでも対応できる専門知識があるかを確認しておくことも大切です。実績のある修理店であれば、過去の修理事例を紹介してくれることもあるでしょう。
また、口コミや評判も参考になります。実際に修理を依頼した人の声は、業者の技術力や対応の良さを知る上で貴重な情報源となります。店舗のWEBサイトやSNS、口コミサイトなどで評判を確認するのも良いでしょう。
納期と保証
納期は時計の状態や業者によって異なります。修理内容が複雑な場合や、部品の取り寄せが必要な場合は、さらに時間がかかることもあります。特急料金での対応を行っている業者もあるので、急ぎの場合は相談してみましょう。
また、修理後の保証期間や再調整のサポートなども事前に確認しておくと安心です。良質な修理店では、修理後一定期間の保証を設けていることが多く、万が一問題が生じた場合でも安心して相談できます。
修理前の見積もりが無料か有料か、キャンセル時の対応なども確認しておくと良いでしょう。透明性のある料金体系と丁寧な説明を行う業者は、信頼性が高いと言えます。
オーバーホールができるおすすめの時計業者8選
全国各地には多くの時計修理店がありますが、特におすすめの業者をご紹介します。それぞれに特徴がありますので、ご自身の条件に合わせて選んでみてください。
※各店舗、最新の情報はWEBサイトなどでご確認ください。
はらじゅく時計宝石修理研究所(東京都渋谷区)

住所は(〒150-0001)東京都渋谷区神宮前1丁目22-1で、JR原宿駅から徒歩1分と、アクセスの良さも魅力です。
WEBサイト:https://watch-jewelry-repairlab.co.jp/
原宿にある時計と宝石の修理専門店として、創業60年の信頼を誇り、年間30,000本以上の業界修理本数No.1の実績を持っています。ロレックスやオメガなど高級時計の修理実績が豊富で、他店で修理を断られた時計やアンティーク時計の依頼も引き受けているのが特徴です。
宝飾品の修理も可能で、時計とジュエリー両方の専門知識を持つ技術者が在籍しています。また、千原ジュニアさん、トータルテンボス藤田さん、演歌歌手の五木ひろしさんなどの芸能人を含む多くの客が利用していることでも知られています。
営業時間は10:00~20:00(火曜定休)で、土日も営業しており、電話やLINEでの見積りにも対応しているのでビジネスパーソンにも便利です。
» はらじゅく時計宝石修理研究所の詳細へ
時計修理工房「白金堂」(東京都中央区)
〒104-0061 東京都中央区銀座5丁目1番先 銀座ファイブ B1F 東京メトロ銀座駅C1出口より徒歩10秒
WEBサイト:https://www.tokei-syuri.jp/
銀座の中心にあり、アクセスが良好です。
創業1974年の時計修理専門店で、腕時計修理や電池交換、ベルト修理等を店頭受付で行っています。銀座本店のほか大阪梅田店や奈良にも拠点があるため、関西圏の方にも便利です。
特に銀座という立地柄、高級時計の修理実績が多いです。様々なメーカーやモデルに対応できる総合力の高さも魅力となります。
時計修理工房「五十君商店」(東京都台東区)
〒110-0005 東京都台東区上野5丁目24-1
WEBサイト:https://www.igimi.co.jp/
JR御徒町駅近くにあり、アクセスが便利です。
創業90年を超える老舗の時計修理店で、対面での持ち込み修理や相談が可能です。歴史を持つだけあって、アンティーク時計の修理にも強みを持っています。平日9:00~19:00、土曜9:00~17:00営業で日曜・祝日は営業していないので、訪問を検討される方は営業日に注意が必要です。
世界中に独自の部品調達ルートを持つのが強みで、入手困難な部品が必要な修理でも対応できる可能性が高いことが特徴です。長年の実績があり、地元の方からの信頼も厚い老舗です。
ALLU WATCH REPAIR(大阪府大阪市ほか)
〒530-0013 大阪府大阪市北区茶屋町1-27 ABCマート梅田ビルB2F
WEBサイト:https://nanboya.com/watch-repair/
ブランド品買取店「なんぼや」やリユースショップ「ALLU」と提携した全国展開の時計修理サービスです。専用の独立店舗は持たず、全国のなんぼや・ALLU・古美術八光堂の店舗窓口で修理受付を行い、集中工房で作業を行う形態をとっています。
最寄りの提携店舗に時計を持ち込むか郵送すると、約3週間を目安に修理完了という流れになります。全国に受付窓口があるため、地方にお住まいの方でも利用しやすいのが特徴です。
また、大手企業グループが運営しているため、安心感があります。統一された修理基準で一定の品質が保たれているのも魅力といえるでしょう。
時計修理工房「巧」(名古屋市中区大須)
〒460-0011 愛知県名古屋市中区大須3丁目34-13 大須商店街・東仁王門通り沿いにあり、アクセスが便利です。
WEBサイト:https://www.tokeishurikobo-takumi.com/
名古屋市大須に実店舗を構える独立系の時計修理専門店で、店頭持ち込みのほか、宅配キットを用いた全国からの郵送修理にも対応しています。営業時間は11:30~18:00(土曜~17:00)、水曜定休となっています。
分解掃除から外装仕上げまで一貫して実施可能であり、総合的な修理技術を持っているのが特徴です。中部地方で評判の高い修理店として知られています。
時計修理工房(有)友輝
WEBサイト:https://www.yuuki-tokei.com/
ロレックスのオーバーホール専門店として知られており、特定ブランドに特化した専門性の高さが強みです。店舗ショーケースは持たず主に郵送対応で全国から依頼を受け付けているため、遠方の方でも利用しやすくなっています。
ロレックスに特化しているため、同ブランドの時計については深い知識と技術を持っています。修理実績も豊富で、ロレックスの各モデルに対応可能です。
千年堂
WEBサイト:https://www.sennendo.jp/
かつて静岡市発祥と紹介されることもありますが、実店舗は持たず上記拠点で全国対応しています。実店舗なしの郵送専門サービスであるため、Webや電話で申し込むと、無料の見積キットが送られてきて時計を発送する流れで、全国からでも依頼可能なのが特徴です。
オンライン対応に特化しているため、店舗に足を運ぶ時間がない方や、地方にお住まいの方にとっては便利なサービスといえるでしょう。
WATCH COMPANY
(飯田橋本社店)〒102-0072 東京都千代田区飯田橋4-1-11 信濃ビル4F このほか表参道(東京)、横浜(神奈川)、名古屋(愛知)、大阪梅田(大阪)に受付店舗があり、全国的に展開しています。
WEBサイト:https://www.watchcompany.jp/
店舗へ来店しての受付のほか、無料の梱包キットを取り寄せての郵送依頼にも全国対応しており、平日10~19時(※店舗により祝日~17時、土日休業)で営業しています。
複数の拠点を持つ大手企業ならではの安定したサービスが魅力で、様々なブランドの時計修理に対応しています。
オーバーホールを依頼する際のチェックポイント
せっかく時計を修理に出すなら、後悔のないように事前にしっかりと確認しておきたいポイントがあります。以下のチェックポイントを参考に、安心して依頼できる環境を整えましょう。
見積もりと修理内容の確認
アンティーク時計や特殊モデルの場合は作業工程が増えることもあるため、費用や納期をしっかりと確認することが大切です。また、外装の仕上げや文字盤のレストアが含まれるかどうかも明確にし、希望と予算に合わせたプランを相談するのがおすすめです。
信頼できる修理店では、見積もり段階で時計の状態を詳しく説明し、必要な修理内容と費用について丁寧に解説してくれるはずです。不明点があれば遠慮なく質問し、納得してから依頼することが重要です。
特に高額な修理になる場合は、複数の業者から見積もりを取ることも検討すると良いでしょう。ただし、単に価格の安さだけでなく、技術力や使用部品の品質なども総合的に判断することが大切です。
なお、高級時計であればあるほどオーバーホールによって延命できる価値は大きくなります。機械式時計は適切なメンテナンスさえ続ければ半永久的に動かし続けることも可能です。何十年も前のアンティーク時計が今なお現役で動いているのは、歴代オーナーが定期的に手を入れてきたからこそです。
仮にオーバーホール代に数万円かかったとしても、その時計が本来持つ価値(新品購入価格や思い出、希少性など)や新品同等の精度で動き続けてくれる期間を考えれば、費用を上回るリターンがあります。一方、オーバーホールを怠って故障させてしまった場合、先述のように修理不能で時計そのものの価値を失うリスクすらあります。
そう考えれば、数年おきに適切なケアをすることは高価な精密機械を長期保証に入れるようなもので、長い目で見れば決して無駄にはなりません。定期的なオーバーホールによって得られる「安心して使い続けられる時間」と「維持される資産価値」は、支払う費用に見合った十分なメリットがあると言えるでしょう。
修理期間と保証内容
オーバーホールの作業期間は数週間から数ヶ月かかることがあります。アンティーク時計の場合は部品入手の問題などでさらに延びる可能性もあるため、大切な行事などに合わせて早めに依頼することをお勧めします。
また、保証期間中の再調整や修理費用の扱いについても事前に把握しておくと安心です。良質な修理店では、修理後一定期間の保証を提供していることが多く、その間に問題が生じた場合は無償または割引価格で対応してくれることがあります。
さらに、修理完了後の受け取り方法や支払い方法なども確認しておくと良いでしょう。店頭での受け取りか配送か、支払いは前払いか後払いか、クレジットカード対応の有無なども、スムーズな取引のためには重要なポイントです。
大切な時計を長く使うために

オーバーホールは「まだ動いているから大丈夫」と後回しにされがちですが、早めのメンテナンスが結果的には時計を守り、長く愛用することにつながります。時計は単なる時間を知るための道具ではなく、思い出や価値が詰まった大切な財産です。適切なケアを行うことで、その価値を長く維持することができるのです。
大切な時計をいつまでもベストコンディションで保つためにも、定期的なオーバーホールの実施と信頼できる業者選びを心がけましょう。目安としては、機械式時計は3〜5年、クオーツ時計でも5〜7年に一度のオーバーホールが推奨されています。ただし、使用頻度や環境によっても異なりますので、時計の調子に違和感を感じたらすぐにプロに相談することをお勧めします。
なお、はらじゅく時計宝石修理研究所では、創業60年の信頼を誇り、年間30,000本以上の業界修理本数No.1の修理実績を持ち、多様なブランドや年代の時計に対して、適切なメンテナンスが可能です。もう動かない古いもの・大切な人から贈ってもらったもの・苦労して貯めたお金で買ったもの等、あなたの大事な想い出を蘇らせるために修理をお受けしています。
他店で断られたモデルやアンティーク品にも対応可能で、熟練度の高い国家資格保有スタッフが在籍しています。オーバーホールをご検討の方はぜひご来店ください。専門スタッフが丁寧に状態を確認し、最適な修理プランをご提案いたします。
» はらじゅく時計宝石修理研究所の詳細へ