時計のオーバーホールの値段・相場はどれくらいか?メーカーごとに解説

時計を購入して3〜5年が経過したり、手巻き時に以前より重さや引っかかりを感じるなど、「そろそろメンテナンスが必要かな」と思ったときに気になるのが、オーバーホール(分解掃除)の費用です。

しかし、オーバーホールには時間と手間がかかるため、それなりの費用が発生します。

時計の修理は安い買い物ではないため、「実際どのくらいかかるのか」「相場はあるのか」と不安を抱える方が多いです。この記事では、オーバーホールにかかる値段の目安やポイントを詳しく解説します。

なお、私たち「はらじゅく時計宝石修理研究所」は、原宿にある時計と宝石の修理専門店です。高級ブランドからアンティークまで幅広く対応し、国家資格を持つ技術者が丁寧に修理します。古いアンティーク時計や生産終了モデルなども修理可能で、大手家電量販店で断られた修理にも対応可能です。渋谷区利用圏内で、時計のメンテナンスをお考えの方は、ぜひ「はらじゅく時計宝石修理研究所」にご相談ください。
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目次

時計のオーバーホールは必須なのか

時計内部の潤滑油は時間とともに劣化し、部品の摩耗や故障の原因となります。

そのため、定期的なオーバーホールが必須となっています。愛用している時計を長く使い続けるためには、適切なタイミングでのメンテナンスが欠かせません。

オーバーホールの推奨頻度

時計の種類によって、オーバーホールの推奨頻度は異なります。精密機械である時計は、適切なタイミングでのメンテナンスが重要です。

機械式時計は、内部に複雑な機構を持っており、一般的に3~5年に一度のオーバーホールが推奨されています。

特に日常的に使用している時計は、内部の潤滑油が早く劣化するため、定期的なメンテナンスが必要です。

一方、クォーツ式時計は機械式に比べて内部構造がシンプルなため、5~7年に一度のオーバーホールが適切とされています。ただし、防水性能を維持するためには、定期的なガスケット(パッキン)の交換も考慮すべきでしょう。

オーバーホールを行わないとどうなるのか

オーバーホールを怠ると、潤滑油の劣化や部品の摩耗が進行し、様々な不具合が生じる可能性があります。時計の精度低下は最も一般的な症状で、時間の遅れや進みが顕著になることがあります。

また、内部部品の故障や破損につながるリスクも高まります。特に歯車やぜんまいなどの精密部品は、油切れした状態での稼働によって急速に磨耗することがあります。

さらに、防水性能の低下による水分侵入も深刻な問題です。時計内部に水が入ると、短期間でサビや腐食が発生し、修理不能になるケースもあります。

これらの問題が発生すると、修理費用が高額になる場合や、最悪の場合、修理不能となることもあるのです。

「少し調子が悪いかな」と感じたら、早めに専門店に相談することをおすすめします。小さな異常を放置することで、取り返しのつかない故障に発展することもあるためです。

オーバーホールを”あえてしない”ケース

全ての時計に対して、必ずオーバーホールが必要というわけではありません。安価な時計や、使用頻度が極めて低い時計の場合、オーバーホールの費用が時計の価値を上回ることがあります。

例えば、数千円で購入したファッションウォッチの場合、オーバーホールに1万円以上かかるのであれば、新しい時計を購入する方が経済的かもしれません。

また、コレクションとして保管しており、ほとんど使用しない時計については、実際に使用する際にメンテナンスを検討しても遅くないでしょう。

ただし、思い入れのある時計や高級時計については、将来的な価値維持のためにも定期的なメンテナンスをおすすめします。特にヴィンテージや希少価値のある時計は、適切なケアによって資産価値を保つことができます。

時計のオーバーホールと修理はどう違うのか

時計のオーバーホールと修理はどう違うのか

時計の「オーバーホール」と「修理」は、時計のメンテナンスにおける異なる作業を指します。

オーバーホールは、時計を分解し、内部の部品を洗浄・点検・再組立てする作業です。時計の精度を保ち、寿命を延ばすために数年ごとに行われる定期的なメンテナンスとなります。

具体的には、ムーブメントを完全に分解し、各部品の洗浄、劣化した潤滑油の除去、新たな注油、そして再組立てと精度調整を行います。これにより、内部の摩耗や汚れを取り除き、時計の性能を新品に近い状態に戻すことができます。

一方、修理とは時計に故障や不具合が発生した際に、その原因となる部品の修復や交換を行う作業です。

例えば、ガラスの破損、リューズの故障、ムーブメントの不具合など、特定の問題箇所に対して必要な処置を施します。修理は、問題が発生した際に行われる対処的な作業であり、必ずしも時計全体を分解するわけではありません。

日常的に使用していると、時計の調子が悪くなることは避けられません。定期的なオーバーホールを行っていても、突発的な故障や破損が起こる可能性はあります。そのような場合には、必要な箇所だけを修理することで、時計を正常な状態に戻すことができます。

また、オーバーホールの過程で故障している部品が見つかることもあります。その場合は、オーバーホールに加えて修理が必要となり、追加の費用が発生することがあります。事前に詳細な見積もりを依頼し、追加費用についても確認しておくことが大切です。

時計のオーバーホールの相場はどれくらいか

時計のオーバーホールの相場はどれくらいか

時計のオーバーホールの費用は、依頼先や時計のブランド、モデル、機構(機械式やクォーツ式)によって大きく異なります。一般的な相場を把握しておくことで、適切な費用感覚を身につけることができます。

メーカー正規店に依頼する場合

ブランドの正規代理店やメーカー直営の修理センターに依頼する場合は、最も信頼性が高いものの、費用も高めに設定されています。

国産メーカーの場合、約2万円~10万円が相場です。セイコーやシチズンなどの国産時計は、比較的リーズナブルな価格でオーバーホールが可能です。一方、海外メーカーの場合は、約5万円~15万円が一般的です。特に高級ブランドになると、10万円を超えるケースも珍しくありません。

メーカー正規店での修理には、必須の部品交換や長めの保証(通常2年程度)が含まれていることが多いのが特徴です。純正部品を使用することで、時計の品質と価値を維持できる点がメリットと言えるでしょう。

時計修理専門店に依頼する場合

私たちのような時計修理専門店に依頼する場合、メーカー正規店よりも比較的リーズナブルな価格でオーバーホールが可能です。

国産メーカーの時計であれば、約1万円~5万円が目安となります。海外メーカーの時計については、約2万円~7万円程度が一般的です。専門店では、メーカー料金の5割~7割程度の費用でオーバーホールを行うことができることが多いです。

ただし、専門店によって技術力や使用部品の質にばらつきがあるため、実績や評判を確認した上で依頼することが重要です。はらじゅく時計宝石修理研究所では、国家資格を持つ技術者が丁寧に作業を行い、メーカー純正に近い品質を保ちつつ、リーズナブルな価格設定を心がけています。

ブランド別のオーバーホール料金

時計の駆動方式は大きく分けて、パーツ数が多く、定期的な注油が必要な機械式と駆動が電池メインのため、駆動系パーツは少なめなクォーツ式に分かれます。どちらのタイプなのかで、作業工程や必要な部品が変わるため、費用面でも違いが生じます。

下記の表は、主要ブランドのオーバーホール料金の目安です。実際の料金は、モデルの複雑さや状態によって変動することがありますので、あくまで参考としてご覧ください。

ブランド料金(オーバーホール・修理)
ロレックス¥43,780〜
オメガ¥43,780〜
タグ・ホイヤー¥43,780〜
カルティエ¥43,780〜
IWC¥43,780〜
ジャガールクルト¥65,780〜
ブライトリング¥65,780〜
フランクミュラー¥65,780〜
ゼニス¥65,780〜
パネライ¥54,780〜
ウブロ¥43,780〜
パテックフィリップ¥65,780〜
ブレゲ¥65,780〜
ピアジェ¥65,780〜
アンティーク時計、懐中時計¥54,780〜

※その他高級時計ブランドの修理・電池交換・オーバーホールも承っております。
※納期は状態や修理の混み具合によって変動致しますが、約1ヶ月〜が目安です。
※オーバーホールのお見積りはコンプリートメンテナンスとして行うため、部品単体の金額等は明記致しません。予めご了承くださいませ。

高級ブランドほどもともとの製造コストや希少性、使用されている部品のグレードなどが異なるため、オーバーホール費用も高額になる傾向があります。

とくにパテックフィリップやブレゲ、ジャガールクルトなどのハイエンドブランドは、精巧な構造や特殊な部品を使用しているため、より専門的な技術と手間が必要になるのです。

なお、クォーツ式と機械式では作業工程や必要な部品が異なるものの、当店の料金表はあくまで“基本料金”としてご案内しております。実際の修理・メンテナンス費用はモデルの複雑さや部品の入手状況によって変動しますので、詳しくはお問い合わせください。

時計のオーバーホールご依頼の流れ

時計のオーバーホールご依頼の流れ

初めてオーバーホールを依頼する場合、手続きや流れが分からず不安になることもあるでしょう。ここでは一般的な依頼の流れを解説します。事前に流れを把握しておくことで、スムーズに修理を進めることができます。

見積もり・受付

オーバーホールを依頼する最初のステップは、見積もりの依頼です。最近では、オンラインや電話での見積もりを受け付けている業者も増えています。写真を送るだけでおおまかな費用を提示してもらえる場合もあるので、まずは気軽に問い合わせすることをおすすめします。

はらじゅく時計宝石修理研究所では、お電話やメールでのお問い合わせに丁寧に対応しており、時計の状態や修理内容に応じた見積もりを提示しています。見積もりは無料で行っておりますので、お気軽にご相談ください。

見積もりに納得したら、時計を店舗に持ち込むか、宅配便で送付します。この際、時計の状態や不具合について詳しく伝えることで、より正確な診断が可能になります。特に、気になる症状や使用状況などの情報は、修理の参考になります。

時計の状態確認と分解作業

時計が修理店に到着すると、まず外観や動作の確認が行われます。その後、実際に時計を分解し、不具合の原因やパーツの状態を確認します。この段階で、当初の見積もりでは把握できなかった問題が見つかることもあります。

交換が必要な部品が見つかった場合は追加見積もりとなることもあるので、納得した上で修理に進むことが大切です。信頼できる修理店では、追加費用が発生する場合には必ず事前に連絡し、お客様の承諾を得てから作業を進めるのが基本です。

はらじゅく時計宝石修理研究所では、お預かりした時計の状態を詳細に診断し、必要な作業内容をわかりやすく説明しています。追加費用が発生する場合には、必ず事前にご連絡し、お客様のご判断を仰いでいます。

洗浄・注油・組立と最終検査

分解した部品は専用の洗浄液で丁寧に洗浄され、摩耗や破損がないか確認されます。必要に応じて部品の交換や修復が行われた後、適切な潤滑油を注油し、慎重に組み立てられます。

内部の洗浄・注油を行い、正常に動くよう組み立てて精度測定を実施します。組み立て後は、時計の精度や防水性、各機能の動作確認など、厳密な検査が行われます。最終検査で問題がなければ返却され、オーバーホール完了となります。

はらじゅく時計宝石修理研究所では、熟練した技術者による丁寧な作業と厳密な検査を行い、お客様に安心して時計をお使いいただけるよう努めています。修理完了後も、アフターサポートとして一定期間の保証を提供しておりますので、万が一の不具合にも迅速に対応いたします。

オーバーホールの費用を抑えるポイント

オーバーホールは決して安くはない投資ですが、少しの工夫で費用を抑えたり、トータルコストを軽減できる場合があります。ここでは、押さえておきたいポイントをご紹介します。

信頼できる修理会社を見極める

「値段が安いから」と飛びつくより、実績やアフターサポートを確認することが大切です。安価な修理店に依頼して後から問題が発生し、結局別の店で再修理することになれば、総額は高くついてしまいます。

実績・口コミをチェックすることをおすすめします。公式サイトやSNSなどを通じて、過去の修理実績や利用者の声を確かめることで、技術力や対応の質を判断する材料になります。特に、同じブランドや機種の修理実績があるかどうかは重要なポイントです。

また、保証内容の確認も忘れないでください。オーバーホール後の保証期間やアフターサービスがあると、万が一のトラブルにも安心して対応できます。一般的に、信頼できる修理店では6ヶ月から1年程度の保証期間を設けています。

はらじゅく時計宝石修理研究所では、豊富な修理実績と国家資格を持つ技術者による確かな技術力で、お客様の大切な時計を丁寧に修理しています。修理後も安心してご使用いただけるよう、充実した保証とアフターサポートを提供しています。

定期的にメンテナンスに出す

一度のオーバーホール費用を「高い」と感じる方も多いですが、放置して時計の状態が悪化すると修理費はさらにかさんでしまいます。こまめにメンテナンスを行うことで、劣化した部品を早めに交換でき、大きな故障を防げるメリットがあります。

例えば、潤滑油の劣化だけであれば、単純なオーバーホールで済みますが、それを放置して歯車が摩耗すると、部品交換も必要になり、費用は大幅に増加します。定期的なメンテナンスは、一見すると出費に感じるかもしれませんが、長い目で見れば時計の寿命を延ばし、総コストを抑える効果があります。

大切な時計を長持ちさせるためには、定期的なオーバーホールが結果として費用対効果を高めてくれることを覚えておきましょう。特に高級時計は、適切なケアによって何世代にもわたって使い続けることができる価値ある財産となります。

はらじゅく時計宝石修理研究所では、お客様の時計を長く愛用していただけるよう、適切なメンテナンス時期のアドバイスや、予防的なケアについてもご相談に応じています。時計に関する疑問や不安があれば、お気軽にお問い合わせください。

定期的なオーバーホールで、時計を長く愛用しよう

はらじゅく時計宝石修理研究所

時計のオーバーホールは決して安くはありませんが、その費用には専門技術料や精密部品の交換費、時間のかかる手作業が含まれています。一つ一つの部品を丁寧に扱い、精密に調整する職人の技術あってこそ、時計は正確に時を刻み続けることができるのです。

大切な時計をいつまでも美しく動かすためには、定期的なオーバーホールが必要不可欠です。特に思い出の詰まった時計や家族の記念品など、金銭的価値以上の意味を持つ時計は、適切なケアによって次の世代へと受け継ぐことができます。

費用面で迷うときは、まずは信頼できる修理会社へ相談し、丁寧な見積もりをもらってから判断すると安心です。複数の修理店から見積もりを取り、サービス内容や保証期間も含めて比較することで、納得のいく選択ができるでしょう。

時計は思い出とともに生き続ける大切な存在です。ぜひ上手にメンテナンスを続けて、長く愛用できるようにしましょう。

なお、はらじゅく時計宝石修理研究所では、創業60年かつ年間30,000本以上の修理実績で業界修理本数No.1 を誇る時計修理専門店です。

千原ジュニアさん、トータルテンボス藤田さん、演歌歌手の五木ひろしさんなど、数多くの芸能人からもご利用いただいており、多様なブランドや年代の時計のメンテナンスが可能です。もう動かない古いもの・大切な人から贈ってもらったもの・苦労して貯めたお金で買ったもの等、あなたの大事な想い出を蘇らせるために修理をお受けしています。オーバーホールをご検討の方はぜひご来店ください。
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 この記事を書いた人        

⚪︎⚪︎のアバター 天野 一啓 はらじゅく時計宝石修理研究所 店長

2018年4月に時計宝石修理研究所へ入社。現在は「はらじゅく時計宝石修理研究所」の店長として、店舗運営と接客、修理対応を担う。厚生労働省認定の国家時計修理技能士資格を取得し、大阪府から時計技能最高優秀賞を受賞。

お客様の大切な想い出が詰まった時計やジュエリーに向き合い、安心して預けられる存在を目指す。スイスの老舗時計工具メーカー・BERGEON(ベルジョン)とのコンセプトショップも展開し、時計修理の魅力発信にも注力。

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