ジェイコブの時計修理で断られた方へ!専門店が教える対処法と費用

ジェイコブ・ファイブタイムゾーンの時計画像と「修理難民になったオーナー様へ、専門家が示す唯一の解決策」というキャッチコピー。

こんにちは。はらじゅく時計宝石修理研究所、店長の天野 一啓です。

「ジェイコブの時計が急に止まってしまったけれど、どこに頼めばいいかわからない」「近所の時計店に持ち込んだけれど、『うちでは扱えない』と断られてしまった」……そんな切実なお悩みをお持ちではありませんか?

メーカーや一般の時計店で修理を断られ「修理難民」となってしまうジェイコブオーナーの悩みのリスト。

ラグジュアリーで独創的なデザインが世界中のセレブリティを魅了するジェイコブ(JACOB&Co.)ですが、いざメンテナンスとなると、その特殊すぎる構造ゆえに修理の受付を拒否されてしまうケースが後を絶ちません。特にブランドのアイコンである「ファイブタイムゾーン」の電池交換や、美しいアフターダイヤが施されたモデルのメンテナンスは、一般的な時計店ではリスクが高すぎて手が出せないのが実情です。

この記事では、多くのジェイコブオーナー様が直面する「修理難民」問題を解決するために、修理専門店の視点から以下のポイントを詳しく解説していきます。

  • ジェイコブならではの特殊な構造と、よくあるトラブルの技術的背景
  • 正規サポートと民間修理専門店、それぞれのメリットとデメリットの比較
  • 「改造品」として断られやすいケースとその具体的な解決策
  • 信頼できる修理店を見分けるための重要なチェックポイント
目次

ジェイコブの時計修理で頻発するトラブルと背景

ジェイコブの時計は、単なる時刻を知る道具を超えた「着用する芸術品(ジュエリー)」としての側面が非常に強いプロダクトです。そのため、ロレックスやオメガといった一般的な実用高級時計とは全く異なるトラブルやメンテナンスの悩みが発生しがちです。まずは、なぜジェイコブの修理がこれほどまでに難しいと言われるのか、その構造的な背景から深掘りしていきましょう。

Jacob&coの特殊な構造とメンテナンス事情

ジェイコブの内部構造。機械としての合理性よりも、ジュエリーとしての美しさを最優先した設計思想についての解説。

ジェイコブ(Jacob&co)は、もともと「ジェイコブ・ザ・ジュエラー」として宝飾業界で名を馳せたブランドです。創業者のジェイコブ・アラボ氏が作り出す作品は、時計というよりも「時を刻むジュエリー」という表現がしっくりきます。そのため、時計作りにおいてもムーブメント(機械)の都合より、ジュエリーとしての美しさやデザインを最優先した設計がなされています。

一般的な時計店が修理を嫌がるワケ

これが何を意味するかというと、一般的な時計メーカーのエンジニアリングの常識では考えられないような「無理のある構造」をしているモデルが多々あるということです。例えば、5つのクォーツを入れるためにケース内部のスペースが極限まで切り詰められていたり、、、、

こうした設計の特異性は、分解や組み立ての難易度を跳ね上げます。経験の浅い技術者が触ると、元に戻せなくなったり、パーツを破損させてしまったりする恐れがあるため、多くの一般時計店では「リスクが高すぎる」と判断し、修理を敬遠してしまうのです。

ファイブタイムゾーンの電池交換が難しい理由

ファイブタイムゾーンの構造図解。1つの時計に5つの独立したクォーツと電池が入っており、それぞれが非同期に電池切れを起こす仕組み。

ジェイコブの代名詞とも言える「ファイブタイムゾーン」。40mmや47mmの大きなケースに、カラフルなダイヤルが特徴的なこのモデルですが、実は中身は1つの機械で動いているわけではありません。5つの独立した小さなクォーツムーブメント(機械)が、ぎっしりと詰め込まれているのです。

5つのムーブメントが引き起こす「非同期」な電池切れ

通常の時計は電池が1個ですが、ファイブタイムゾーンはその構造上、電池も5個必要になります。ここで問題になるのが、これらが「同時に切れるとは限らない」という点です。

ここがポイント!

「メインの時間は動いているのに、東京(TOKYO)の時間だけ止まった」「ニューヨーク(NEW YORK)の時間だけ遅れる」といった現象が頻発します。

ユーザーからすれば「故障かな?」と不安になりますが、単にその箇所の電池が切れただけというケースが大半です。

ちなみに、電池を新品に交換してもすぐに止まってしまう場合は、電池切れ以外の原因(回路のショートや油切れなど)も考えられます。詳しくは以下の記事でも解説していますので、心当たりがある方は参考にしてみてください。

時計の電池交換後に止まる原因は?プロが解説

リューズ破損やベルト劣化の症状と対策

ジェイコブに多いトラブル。折れやすいリューズ、高額な純正ベルト、開け方が特殊な裏蓋についての注意喚起。

ファイブタイムゾーンには、時刻調整用のリューズが合計5つ付いています。特にケースの四隅にあるサブダイヤル用のリューズは、デザイン上あえて突出した形状になっているため、物理的なトラブルが絶えません。

リューズが折れるメカニズム

衣服の袖に引っかかったり、ドア枠にぶつけたりしてリューズが根本から折れてしまう事故が多く報告されています。また、海外の時刻(サブダイヤル)を普段あまり操作しない方も多いため、内部のパッキンが固着してしまい、久しぶりに回そうとしたら「ボキッ」と折れてしまった……なんてご相談もよくいただきます。

純正ベルトの高額さと代替案

ベルトに関しても、ジェイコブ純正のポリウレタン(ラバー)ベルトやクロコダイルベルトは非常に高価です。「遊革(ループ)が切れただけなのに、正規店でベルトごと交換と言われ、数万円の見積もりが出た」というお悩みもよく聞きます。

こうした場合、無理に純正にこだわらず、質の高い社外製ベルトをうまく活用するのも賢い維持の方法です。

裏蓋の開閉による防水トラブルのリスク

意外と知られていないのが、ジェイコブの裏蓋(ケースバック)の構造に潜む罠です。多くのモデルで、裏蓋のデザインがロレックスのような「スクリューバック(ねじ込み式)」に見えるような刻み込み装飾が施されています。

注意!

実際は工具でこじ開ける「スナップバック(はめ込み式)」であるモデルが多く存在します。これを誤認して、無理やり外そうとすると裏蓋に深い傷がついたり、閉める際のプレス圧力で表のガラスが割れたりする事故につながります。

また、スナップバックは構造上、経年劣化で金属の噛み合わせが緩くなりやすく、防水性が著しく低下します。「ちょっと手を洗っただけでガラスが曇った」「文字盤の中に水滴がついた」という症状は、この裏蓋の密閉不足が原因であることが多いです。ジェイコブは基本的に「非防水」に近い扱いをするのが安全ですが、修理の際は必ずパッキンのチェックとグリスアップを行ってくれるお店を選びましょう。

メーカーや他店に断られた時の対処の仕方

「受付不可」のスタンプが押された修理見積書。アフターダイヤ(改造品)がメーカーサポート対象外となる現状と解決策。

「メーカーに修理に出したら『改造品』と認定されてそのまま返却された」「近くの時計屋さんでは『特殊な時計だから』と門前払いされた」。ジェイコブオーナー様から最も多く寄せられるのが、こうした「修理難民」になってしまったというご相談です。

「改造品」とみなされる境界線

ジェイコブは、純正以外の加工に対して非常に厳しい姿勢をとっています(出典:Jacob & Co. Official Website)。特に、購入後に社外の工房でダイヤモンドをセッティングした「アフターダイヤ」の個体は、メーカーの公式サポートを一切受けられないのが通例です。

また、一般の時計店でも、アフターダイヤが施された時計は「作業中に石が取れるリスク」や「再メッキの難しさ」から敬遠されがちです。しかし、諦める必要はありません。私たちのような修理専門店であれば、純正・カスタムを問わず、現状の状態に合わせて柔軟に対応できるケースがほとんどです。「断られたから」と放置せず、まずは実績のある専門店に相談する対処の仕方を知っておくことが、資産価値のある時計を守る第一歩です。

安心できるジェイコブの時計修理店の選び方

修理店選びの3つのチェックポイント。時計と宝石両方の知識、柔軟な部分修理の提案、明確な料金体系と即日対応について。

では、実際に修理を依頼する場合、どのような基準でお店を選べばよいのでしょうか。ここでは、損をしないための料金相場や、信頼できるショップの見極め方について、プロの視点からアドバイスさせていただきます。

正規店と民間修理店の料金と納期の違い

ジェイコブ修理における正規代理店と民間修理専門店の比較。費用、納期、アフターダイヤ対応の違いを示した表。

まず理解しておきたいのが、正規代理店と民間修理専門店の違いです。正規店は「100%の安心」と引き換えに、時間と費用がかかります。ジェイコブの場合、国内で修理が完結せずスイス本国送りになることもあり、その場合は数ヶ月の期間と、高額な国際送料や保険料がかかることもあります。

比較項目 正規代理店(メーカー) 民間修理専門店
費用の目安 高額(数十万円〜)
※スイス送りの場合さらに高額
比較的安価(数万円〜)
※国内で完結するため
納期の目安 数ヶ月〜半年以上 即日〜3ヶ月程度
アフターダイヤ 基本的に受付不可 対応可能な店もある
部分修理 全交換(コンプリートサービス)推奨が多い 必要な箇所のみ(ピンポイント)修理可

民間修理店の強みは、なんといっても「柔軟性」と「コストパフォーマンス」です。特にクォーツモデルの電池交換や部分的な修理であれば、正規店の6割~、場合によっては数分の一の費用で済むことも珍しくありません。

費用を抑えてオーバーホールを行うポイント

「クォーツ時計だからオーバーホール(分解掃除)は不要」と思っていませんか? 実はそれは大きな間違いです。電池式であっても、歯車を動かすための潤滑油は3〜5年で乾いてしまいますし、電子回路も湿気などで劣化します。長く使い続けるためには、定期的なメンテナンスが必要です。

必要な箇所だけを直す「部分修理」の提案

費用を抑えるポイントは、不具合が出ているムーブメントだけを狙い撃ちで修理することです。ファイブタイムゾーンの場合、5つ全てを同時にオーバーホールすると当然高額になりますが、専門店であれば「遅れが出ているメインの機械だけオーバーホールする」「止まっているサブの機械だけ交換する」といった柔軟な対応が可能です。

全てをパッケージにするメーカー修理とは異なり、コンディションに応じた最適なプランを組めるのが専門店の魅力です。一般的なオーバーホールの相場感や必要性については、以下の記事も参考にしてみてください。

時計のオーバーホールの値段・相場はどれくらいか?メーカーごとに解説

アフターダイヤやカスタム品の取り扱い

ジェイコブの中古市場において、アフターダイヤモデルは切っても切り離せない存在です。もしお持ちの時計がカスタム品であるなら、依頼先は「カスタム時計の修理実績が豊富な店」一択となります。

ここでは、通常の時計修理技術(1級時計修理技能士など)だけでなく、宝飾(ジュエリー)の扱いにも長けている必要があります。例えば、電池交換のために裏蓋を開ける際の振動で、万が一ダイヤモンドが外れてしまったとします。その時に、その場ですぐに「石留め」ができる技術と設備があるかどうかが、お店選びの決定的な差になります。

「時計修理」と「宝石修理」の両方の看板を掲げているお店がジェイコブ修理におすすめなのは、こういったトラブルに即座に対応できるバックグラウンドがあるからです。

即日対応や料金体系の明確さを確認する

技術力のある店舗であれば、ジェイコブの電池交換でも、在庫があれば3時間〜で対応してくれます。お店を選ぶ際は、「即日対応が可能か」を確認しましょう。また、料金体系が明確かどうかも重要です。作業前に概算見積もりは必ず取るようにしてくださいね。

東京で実績豊富な修理専門店に依頼する

ジェイコブのような特殊な構造を持つ時計は、やはり流通量の多い都市部に修理のノウハウが蓄積されています。特にファッション感度の高い東京の原宿・表参道・渋谷エリアには、多くのジェイコブが集まるため、私たちのような修理店も日々、様々なモデルの修理を通じて経験値を積むことができています。

ジェイコブの時計修理は専門家にご相談を

ここまで、ジェイコブの時計修理に関する難しさや、お店選びのコツをお話ししてきました。特殊な構造とジュエリーとしての価値を併せ持つジェイコブだからこそ、一般的な時計とは違う「専門的なケア」が必要です。

もし、今まさに「時計が止まってしまった」「他店で断られて困っている」「電池交換の見積もりが高すぎて迷っている」という状況であれば、ぜひ一度私たち「はらじゅく時計宝石修理研究所」にご相談ください。私たちは時計修理だけでなく、宝石のメンテナンスも専門としていますので、ジェイコブのような「ジュエリーウォッチ」の扱いはもっとも得意とする分野です。

私たちの強み
  • 熟練の技術者が、液漏れしにくい高品質な日本製電池(Maxell製金コーティング等)を使用して丁寧に交換します。
  • メーカーで断られがちなアフターダイヤやカスタムモデルの修理も、豊富な実績があります。
  • オーバーホールが必要な場合も、全交換ありきではなく、お客様の予算に合わせて最適なプランをご提案します。

 この記事を書いた人        

⚪︎⚪︎のアバター 天野 一啓 はらじゅく時計宝石修理研究所 店長

2018年4月に時計宝石修理研究所へ入社。現在は「はらじゅく時計宝石修理研究所」の店長として、店舗運営と接客、修理対応を担う。厚生労働省認定の国家時計修理技能士資格を取得し、大阪府から時計技能最高優秀賞を受賞。

お客様の大切な想い出が詰まった時計やジュエリーに向き合い、安心して預けられる存在を目指す。スイスの老舗時計工具メーカー・BERGEON(ベルジョン)とのコンセプトショップも展開し、時計修理の魅力発信にも注力。

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