ガガミラノの修理の料金や事例を解説!文字盤やガラス交換も対応

こんにちは。はらじゅく時計宝石修理研究所、店長の天野 一啓です。
イタリアンデザインが光るガガミラノ、その圧倒的な存在感と遊び心は唯一無二ですよね。腕元にあるだけで気分が上がる特別な時計だからこそ、いざ故障などのトラブルに見舞われたとき、どうすればいいか不安になっていませんか?
「修理」というキーワードで検索してみると、電池交換やベルト交換の値段、ガラス修理の可否、さらにはお店の評判や正規店での並行差別(並行輸入品の修理受付制限)の噂など、様々な情報が飛び交っており、どれを信じていいか迷ってしまう方も多いかなと思います。

特に、「文字盤のインデックス(数字)がポロリと取れてしまった」というトラブルはガガミラノ特有の症状ですが、焦ってそのまま使い続けると、針が折れるなどの二次被害に繋がりかねません。私たちが日々多くのガガミラノを診察・治療している現場の経験から、大切な時計を長く使い続けるための正しい対処法と、決して損をしない修理の選択肢について、プロの視点で分かりやすくお話しします。

この記事でわかること
- ガガミラノ特有の故障メカニズムと適切な修理アプローチ
- 正規代理店と民間修理工房の料金体系や対応範囲の違い
- 部品が入手できない古いモデルや並行輸入品の修復可能性
- 東京・原宿への持ち込みでのスムーズな依頼方法
ガガミラノの修理で多い故障事例
ガガミラノの時計といえば、「ダンディズム」を体現した48mmなどの巨大なケースサイズや、文字盤から飛び出すような立体的なインデックスが魅力です。しかし、懐中時計を腕時計にするという大胆なコンセプトゆえに、一般的な実用時計と比較すると、どうしても構造的に衝撃に対してデリケートな一面を持っています。
ここでは、私たちが修理現場で頻繁に遭遇する、ガガミラノならではのトラブル事例と、それぞれの症状に対する技術的な修理内容について深掘りして解説していきます。
ガガミラノ特有の文字盤剥がれ修理

ガガミラノの修理相談において、圧倒的多数を占めるのが「文字盤の数字(インデックス)が剥がれてしまった」という症状です。一般的な時計の数字はプリントされていることが多いのですが、ガガミラノのアイデンティティであるあの巨大なアラビア数字は、金属や樹脂で作られた質量のある「立体パーツ」を文字盤に接着して固定しています。
そのため、時計をうっかり床に落としたり、ドア枠などに強くぶつけたりした際の衝撃(G)で、インデックス自体の重みが負荷となり、接着剤が耐えきれずに剥離してしまうのです。また、長年の使用で防水性能が落ち、内部に湿気が入ると、接着剤が加水分解を起こして劣化し、わずかな衝撃でもポロリと取れやすくなってしまいます。
もしインデックスが剥がれているのを発見したら、直ちにリューズを引いて針の動きを止めて(ハック機能)ください。剥がれた数字が文字盤の上を動き回ると、運針中の針に挟まって針を曲げたり、文字盤の塗装面に取り返しのつかない引っかき傷(スクラッチ)をつけたりします。こうなると修理費用が数倍に膨れ上がってしまうため、初動対応が非常に重要です。
他店で断られた文字盤修理も可能
インデックスが剥がれてしまった場合、正規代理店に修理を依頼すると、基本的には「文字盤ごとの新品交換」を提案されることが一般的です。もちろん新品になれば綺麗にはなりますが、文字盤交換は費用が高額になりがちですし、古いモデルや限定モデルの場合、「本国でも部品の生産が終了している」という理由で修理自体を断られてしまうケースも少なくありません。
一方、私たちのような時計修理専門店では、今ある文字盤と外れたインデックスを活かした「再接着修理」を行うことが可能です。
作業は非常に繊細です。まず時計を分解し、剥がれたインデックスの裏面と文字盤側に残った古い接着剤を、顕微鏡下で綺麗に除去します。その上で、経年劣化に強いエポキシ系などの強力な接着剤を極細の工具で微量塗布し、元の位置に正確に留め直します。
ここがポイント
他店やメーカーで「部品がないから直せない」と言われたモデルでも、現存するパーツを使って直せる可能性が十分にあります。「もう直らないかも」と諦める前に、ぜひ一度私たちにご相談ください。
割れやすいガラス修理と交換
マヌアーレなどのモデルに採用されている、ふっくらとしたドーム型のガラス(風防)。これぞガガミラノという美しい曲線ですが、平面ガラスに比べて表面積が広く外部に突出しているため、どうしてもあちこちにぶつけやすい形状をしています。
ガガミラノのガラス素材には、モデルによって一般的な「ミネラルガラス」と、非常に硬い「サファイアガラス」が使われていますが、どちらも強い衝撃が加われば割れてしまいます。特に高級モデルに使われるサファイアガラスは、傷にはめっぽう強い反面、粘り気(靭性)が低いため、一点に強い力が集中すると粉々に砕け散るような割れ方をすることがあります。
純正のガラスが入手できない場合や、メーカーでの修理期間が待てない場合でも、私たちは「別作(べっさく)」という方法で対応可能です。これは、同等の素材を職人が削り出し、元のガラスと同じカーブや径に合わせて一から作成する技術です。これにより、廃盤モデルであってもガラスを新しく蘇らせることができます。
外れたリューズ修理と巻真トラブル
12時位置(または3時位置)に配置された大きな「オニオンリューズ」もまた、ガガミラノを象徴するデザインであると同時に、トラブルが起きやすいウィークポイントでもあります。操作性が良く可愛らしいデザインですが、大きく飛び出している分、カバンのストラップや衣服に引っかかりやすく、テコの原理で巻真(リューズの軸)に強い負荷がかかりがちです。
よくあるご相談としては、「リューズがスポッと抜けてしまった」「リューズを回しても空回りして針が動かない」といった症状です。
手巻きモデルのマヌアーレ48mmなどは、毎日ゼンマイを巻き上げるためにリューズを操作する必要があるため、自動巻き時計よりも内部の摩耗や金属疲労が早く進行する傾向にあります。もしリューズが抜けてしまっても、無理にねじ込んだり接着剤で付けようとしたりせず、外れた部品と一緒にそのままの状態でお持ち込みください。
衝撃による秒針折れ修理の注意点
48mmなどの大きなケースをドアや机にぶつけた際、その衝撃エネルギーはケースを通じて内部のムーブメントや針にも伝播します。特に細くて繊細な秒針(スモールセコンド)は、衝撃で軸(ハカマ)から外れてしまったり、最悪の場合は根元から折れてしまったりすることがあります。
また、先ほどお話しした「剥がれたインデックス」が秒針の通り道に立ちはだかり、運針してきた秒針が激突して曲がってしまうという二次被害も非常に多いパターンです。
針が曲がったり折れたりした場合、基本的には純正パーツへの交換が理想ですが、入手困難な場合は、デザインや長さが近い針を探して取り付ける「代用品対応(合わせ)」で機能を回復させることもあります。オリジナルの見た目にこだわるか、まずは動くようにすることを優先するか、お客様のご希望に合わせて修理方針をご提案します。
動かない時のゼンマイ切れ修理の値段
手巻き式のガガミラノがある日突然動かなくなった、あるいはリューズを巻いている最中に「バチン」という感触がして手応えが軽くなった場合、動力源である「ゼンマイ」が切れている可能性が高いでしょう。
手巻き時計は毎日巻く作業が発生するため、巻き止まりの限界を超えて無理に巻いてしまったり、長年の使用による金属疲労で切れてしまったりすることは、ある種「機械式時計の宿命」とも言えます。
ゼンマイ交換を行う場合、時計の深部まで分解する必要があるため、基本的には「オーバーホール(分解掃除)」とセットでの修理となります。
修理費用のイメージとしては、オーバーホールの基本技術料にゼンマイの部品代が加算され、モデルにもよりますが数万円〜(例えば5万円代後半〜9万円程度)を見ておくと良いでしょう。定期的なメンテナンスに出していれば、ゼンマイが切れそうかどうかの摩耗状態もある程度チェックできますので、突然のトラブルを防ぐためにも定期点検は有効です。
ガガミラノの修理費用と店舗選び
愛用のガガミラノを修理に出す際、やはり一番気になるのは「修理費用」と「信頼できる依頼先選び」ですよね。正規代理店(GaGa JAPAN テクニカルセンター)での修理は絶対的な安心感がありますが、コストや納期、並行輸入品への対応などを考慮すると、技術力のある民間の修理専門店という選択肢も非常に賢い方法です。
ここでは、具体的な料金の目安と、失敗しない修理店の選び方について解説します。
修理内容ごとの標準的な料金目安
ガガミラノの修理にかかる費用は、依頼する店舗や時計の状態によって変動しますが、私たちのような一般的な時計修理工房における標準的な料金相場を一覧にまとめました。見積もりを取る際の参考にしてください。
| 修理・メンテナンス項目 | 料金目安(税込) | 備考 |
|---|---|---|
| 電池交換 | 3,300円〜 | 防水テスト・パッキン交換含む |
| インデックス接着(1箇所) | 13,000円〜 | 複数箇所の場合は要見積もり |
| ガラス交換(ミネラル/サファイア) | 40,000円〜 | 別作や素材により変動あり |
| リューズ修理・交換 | 30,000円〜 | 部品代含む |
| オーバーホール(クォーツ) | 40,000円〜 | 部品交換発生時は別途加算 |
| オーバーホール(機械式) | 60,000円〜 | クロノグラフ等は割増 |
| ベルト交換 | 7,000円〜 | 社外品対応の場合 |

補足情報
上記はあくまで目安の価格です。特殊な限定モデルや、内部の歯車などのパーツ交換が必要な場合は追加費用がかかることがあります。正確な金額を知りたい方は、各店舗の無料見積もりを利用するのが確実です。
特にご依頼の多い電池交換については、単に電池を入れ替えるだけでなく、防水パッキンのケアや専用機器での防水テストが必須です。詳しくは以下の記事でも解説していますので、併せてご覧ください。
純正より安い修理工房のメリット

正規代理店での修理は、「100%純正パーツ使用」「メーカー保証」という大きなメリットがありますが、その分、ブランド価値を維持するための管理費などが上乗せされ、料金は高額になる傾向があります。また、並行輸入品(海外の正規ルート以外で購入されたもの)に対しては、修理受付を制限したり、料金を割増にする「差別価格」を設定しているケースもあります。
私たちのような民間修理工房に依頼する最大のメリットは、「コストパフォーマンス」と「対応の柔軟性」です。
広告費やブランド料が含まれない純粋な技術料ベースの価格設定であるため、正規店に比べて2割〜3割ほど安く済むことも珍しくありません。また、純正パーツが入手できない場合でも、性能的に問題のない「ジェネリックパーツ(社外品)」を使ったり、熟練の職人が部品を「合わせ(加工)」で作ったりすることで、修理の道筋をつけることができます。
定期的なオーバーホールの必要性
「今は動いているから大丈夫」「壊れてから直せばいい」と思いがちですが、時計も自動車と同じで、定期的なメンテナンス(車検)が必要です。
特に機械式時計の場合、内部の微細な歯車や軸受に注された潤滑油は、製造から3年〜5年ほどで酸化・揮発して乾いてしまいます。
油が切れた状態で時計を動かし続けると、部品同士が直接擦れ合って摩耗し、金属粉が発生します。この金属粉が研磨剤のように働いてさらに部品を削り、最終的には高額な部品交換が必要になったり、修理不能な状態に陥ったりします。

クォーツ時計であっても、電池からの液漏れや電子回路の腐食、パッキンの劣化による水入りを防ぐために、定期的な点検は欠かせません。
オーバーホールの推奨頻度
一般的には機械式時計で3年〜5年に1回、クォーツ時計でも4年〜5年に1回程度のオーバーホールが推奨されています。「10年何もしていないけれど動いている」という状態が一番危険です。そのリスクについてはこちらの記事も参考にしてみてください。
10年間オーバーホールしなかった時計はどうなってしまうのか?
ガガミラノの修理は専門店へ相談
ガガミラノはそのユニークな構造ゆえに繊細な時計ですが、適切なケアとメンテナンスを行えば、長く愛用できる素晴らしい相棒です。
もし故障してしまっても、「もう古いモデルだから」「修理代が高そうだから」と諦めないでください。
正規店で断られたり、予想以上の高額な見積もりに驚いたりした経験がある方も、私たちのような時計修理専門店なら、コストを抑えた現実的な解決策をご提案できるかもしれません。

