シチズンの時計修理(オーバーホール/電池交換)はどこに依頼がおすすめか

シチズンの時計は、その革新的な技術と多様なデザインによって、世界中の多くの人々から愛されています。1918年に創業したシチズンは、エコ・ドライブやスーパーチタニウムなど、独自の技術で時計業界をリードしてきました。

エコ・ドライブは光発電技術の先駆けであり、定期的な電池交換を不要にする革新的な技術です。また、スーパーチタニウムは、軽量でありながら非常に高い耐久性を持つ素材で、快適な装着感と長期間の使用を可能にします。

しかし、どんなに高級なシチズンの時計であっても、時が経つにつれてメンテナンスや修理が必要になります。

この記事では、大切なシチズンの時計を長く愛用するために、修理の種類と費用相場、安心して修理に出すための注意点、そして日頃のメンテナンス方法について詳しく解説します。

なお、私たち「はらじゅく時計宝石修理研究所」は、原宿で創業60年、年間30,000本以上という業界トップクラスの修理実績を誇る時計と宝石の修理専門店です。

国家資格を持つ職人が高級ブランドからアンティークまで丁寧にメンテナンスし、その確かな技術力から千原ジュニア様やトータルテンボス藤田様といった多くの芸能人の方々にもご愛用いただいております。大手量販店で断られた修理にも対応しておりますので、あなたの大切な時計も安心してお任せください。
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目次

シチズンの時計修理(オーバーホール/電池交換)はどこに依頼したらいい?

シチズンの時計を修理に出す場合、主に「シチズン正規サービス」と「時計修理専門店」の2つの選択肢があります。

それぞれの特徴を理解し、ご自身の状況や希望に合わせて最適な依頼先を選びましょう。

シチズン正規サービスでの修理

シチズンの正規サービスは、シチズンの公式サイトを通じてオンラインで修理を依頼できます。

正規サービスを利用する最大のメリットは、純正部品とシチズンの専門知識を持つ技術者による修理を受けられる安心感です。また、シチズンの品質基準に沿った、信頼性のあるサービスが期待できます。

ただし、一般的に費用が高くなる傾向があり、修理完了までに比較的長い期間を要する場合があります。古いモデルや並行輸入品など、状態によっては修理を受け付けてもらえないケースもあります。

時計修理専門店での修理

街の時計修理店や、インターネットで郵送・宅配修理を受け付けている専門店に依頼する方法です。

時計修理専門店では、正規サービスと比較して修理費用を抑えられたり、納期が短縮される傾向です。

また、正規サービスで対応できない古いモデルや並行輸入品の修理に対応してくれる場合もあります。

ただし、店舗によって技術力にばらつきがあるため、信頼できる店舗を選ぶことが非常に重要です。モデルによっては純正部品の入手が困難な場合があり、その際は代替品や社外品での修理が提案されることがある点も考慮しましょう。

修理後の保証も店舗によって異なりますので、事前に必ず確認しましょう。

修理費用を抑えたい方や、比較的早く修理を完了させたい方は、信頼できる時計修理専門店の利用を検討すると良いでしょう。

正規サービスと時計修理専門店の比較

特徴シチズン正規サービス時計修理専門店
部品純正部品純正部品または社外品
技術者メーカーの専門技術者時計修理技能士などの資格を持つ技術者もいるが、技術力は店舗による
費用高め正規サービスより抑えられる場合がある
修理期間モデルや修理内容によるが、一般的にやや長め店舗によるが、比較的短い場合がある
保証通常1年、MY CITIZEN登録で延長あり(モデルによる)、修理箇所に保証あり店舗による、修理箇所に保証あり
アフターサービスMY CITIZEN、シチズンオーナーズクラブ(特定モデル)店舗による

シチズンの時計修理の種類と費用相場

シチズンの時計の修理費用は、修理の種類や時計の状態によって大きく異なります。

ここでは、一般的な修理の種類と費用相場について解説します。

シチズンのオーバーホール(分解掃除)

オーバーホールは、機械式・クォーツ式を問わず、定期的に行うべき重要なメンテナンスです。時計を分解し、部品の洗浄、交換、調整、注油、再組立、精度チェック、防水テストなどの作業を行います。

シチズン公式では機械式・クォーツ式ともに5年に1度を推奨していますが、一般的には機械式3~5年、クォーツ式5~7年が目安とされます。

費用相場は依頼先によって異なり、正規サービスではモデルにより異なりますが高額となるため、直接問い合わせが必要です。

一方、時計修理専門店では、クォーツ式で11,000円〜20,000円程度、機械式(自動巻き)で16,500円〜30,000円程度が目安ですが、複雑機構の場合は高額になります。

オーバーホールを怠ると、時計内部の潤滑油が劣化し、時間のずれや機能不良の原因となります。

また、部品が摩耗し、故障のリスクが高まり、結果的に修理費用が増加する可能性もあります。最悪の場合、時計が完全に動かなくなってしまうこともありますので、定期的なオーバーホールが重要です。

シチズンの電池交換

クォーツ式のシチズンの時計は、電池が動力源であるため、電池が消耗すると交換が必要になります。

シチズンの時計の電池の平均寿命は約2〜3年とされていますが、エコ・ドライブの場合は、光で充電されるため、定期的な電池交換は不要です。

電池交換の費用相場も、依頼先によって異なります。メーカーに依頼した場合、3,000円から7,000円前後が目安です。購入から一定期間以内であれば、保証期間内として無料で交換してもらえる可能性があります。

時計修理専門店では、2,000円から5,000円程度が一般的です。

電池交換は、時計店またはシチズンカスタマーサービスへご依頼ください。ご自身で裏ぶたを開けると、内部にゴミやホコリが入り、時計が止まったり防水性を損なう恐れがあります。

ソーラー式(エコ・ドライブ)の時計について

シチズンのエコ・ドライブは、太陽光や室内灯などの光を電気エネルギーに変えて駆動するソーラー時計です。そのため、通常の電池交換は不要ですが、適切な管理が必要です。

暗所に長期間放置すると充電不足となり、時計が停止することがあります。月に一度は直射日光に5〜6時間程度当てるなどして、定期的に充電をしましょう。

充電が足りない状態になると、秒針が2秒ごとに動く「2秒運針」という状態になってしまうので、このサインが現れたら、すぐに明るい場所で充電を行ってください。

時計が停止したまま長期間放置すると、二次電池が過放電状態になり、充電機能そのものが損なわれることがあります。この場合は通常の充電では回復せず、メーカーでの修理が必要になることもあります。

直射日光での充電は効果的ですが、高温になる場所(車のダッシュボードや白熱灯の近くなど)では、内部機構の損傷リスクがあるため避けてください。

こちらの時計は、時刻が合わないとご相談いただきました。
基準位置合わせには電力が多く必要になりますので、1週間ほど充電のためにお預かりとなります。約1,000円(税別)です。

シチズンの部品交換

落下や経年劣化による、ガラス(風防)の傷・割れ、ベルトの破損・劣化、リューズの不具合などに対応します。

費用は部品や作業内容によって大きく異なります。時計修理専門店での費用相場目安としては、ガラス交換が1万円~2万円程度(特殊形状やサファイアガラス等は高額に)、リューズ交換が1万円~2万円程度です。

ベルト交換は素材やデザインで大きく変動し、純正レザーベルトは数万円~、社外品なら数千円から選択肢があります。部品については、正規サービスでは原則として純正部品が使用されます。

こちらの腕時計では、ベルトの修理とクリーニングをご依頼いただき、ピンの欠損が見うけられたためピン交換もとお預かりし、ベルト修理とピン交換とクリーニングをさせて頂きました。

約2週間ほどお預かりし、修理費用は3,850円(税込)でした。

シチズンの磁気抜き

時計が磁気を帯びると、時間の精度が狂ったり、止まってしまうことがあります。磁気帯びは、スマートフォン、パソコン、磁気ネックレスなど、身の回りにある磁気を発する製品に時計を近づけることで発生します。

磁気抜きは、専用の機械(脱磁器)を使用して時計に帯びた磁気を除去する作業です。時計修理専門店で依頼した場合、費用相場は2,000円~3,000円程度です。オーバーホールに含まれることもあります。

磁気帯びを防ぐためには、普段から磁気を発する製品に時計を近づけないように注意することが大切です。

シチズンの特有の修理・メンテナンス

シチズンの時計には、一部のモデルで特有の修理やメンテナンスが必要となる場合があります。

例えば、エコ・ドライブモデルの二次電池交換や、電波時計の電波受信不良など、モデルによっては外装の研磨や修理に専門的な配慮が必要な場合があります。

これらの修理は、正規サービスや高度な技術を持つ専門店への依頼が必要です。

シチズンの時計を安心して修理するための注意点

大切なシチズンの時計を安心して修理に出すためには、いくつかの重要な点に注意する必要があります。

修理期間の確認

修理にかかる期間の目安も事前に確認しましょう。

正規サービスでは数週間から数ヶ月、時計修理専門店では数日から数週間が一般的ですが、修理内容や部品の在庫状況によって変動します。特に急ぎの場合や、使用したい予定がある場合は、その旨を伝えておくと良いでしょう。

修理保証の内容確認

修理後の保証の有無と内容についても、依頼前に必ず確認が必要です。

正規サービスでは通常1年程度の修理保証が付くことが多いですが(MY CITIZEN登録で延長あり)、修理専門店の場合は店舗によって保証期間や保証内容が異なります。保証が付かない場合や期間が短い場合もあります。

保証期間はもちろん、どのような不具合が保証対象となるのか(修理箇所と同じ原因か、自然故障かなど)、そして保証対象外となるケース(通常の使用による摩耗、事故、不適切な扱いによる故障など)を具体的に理解しておくことが重要です。

シチズンの時計を長く使うためのメンテナンス

日頃のお手入れと定期的なプロのメンテナンスで、シチズンの時計を永く美しく保ちましょう。

日頃のお手入れ

日常的なケアとして、まず柔らかく乾いた布(マイクロファイバークロスなど)で時計全体、特にケース裏やブレスレット(ストラップ)を優しく拭き、汗や皮脂汚れを取り除くことを習慣にしましょう。

汚れがひどい場合は、固く絞った濡れ布で拭き、その後乾拭きで水分を完全に除去します。ただし、非防水モデルは水濡れ厳禁です。

使用する上では、水・湿気(特にレザーストラップ)、強い衝撃、磁気(スマートフォン、PC、磁気アクセサリーなどから遠ざける)、極端な温度変化、化学物質(香水、化粧品、洗剤など)、長時間の直射日光などを避けるように注意しましょう。

保管方法

時計を保管する際は、高温多湿や直射日光を避け、風通しの良い、磁気の影響がない安定した場所を選びましょう。

購入時の箱や時計専用ケースでの保管が理想的です。複数の時計を保管する場合は、互いに接触して傷つかないように間隔を空けてください。

機械式時計は、長期間使用しない場合でも定期的にゼンマイを巻き上げることで内部の油の固着を防ぐ効果があります。

クォーツ式時計は、長期間使用しない場合は電池の液漏れリスクを考慮し、シチズン推奨の保管方法を確認するか、専門家に相談の上で電池を抜いておくことを検討しましょう。

定期的なメンテナンス

日頃のお手入れに加え、プロによる定期的なメンテナンスも時計の性能維持と寿命延長には不可欠です。

オーバーホール(機械式3~5年、クォーツ式5~7年目安、シチズン推奨は5年)はもちろん、防水モデルの場合は2年ごとの防水検査も重要です。

必要に応じて、専門家によるクリーニングやブレスレット(ストラップ)の点検なども行うと良いでしょう。

定期的なメンテナンスは、予期せぬ故障を未然に防ぎ、結果的に修理費用を抑えることにも繋がります。

シチズンの時計でよくあるトラブル

よくあるトラブルとその原因、対処法を知っておきましょう。

時計が動かない

クォーツ式の場合は電池切れが最も一般的ですが、内部回路の故障や磁気帯びも考えられます。

機械式の場合はゼンマイの巻き上げ不足やゼンマイ切れ、油切れ、部品破損、磁気帯び、水入りなどが原因として挙げられます。対処法としては、クォーツ式ならまず電池交換を試し、改善しなければ磁気抜きや修理(オーバーホール等)を検討します。

機械式ならゼンマイを十分に巻き上げたり、しばらく装着して様子を見たりし、それでも動かなければ磁気抜きや修理(オーバーホール等)が必要です。

時間がずれる(遅れる・進む)

クォーツ式では電池消耗や磁気帯び、内部部品劣化、回路異常が考えられます。

機械式では磁気帯び、油切れ、部品摩耗、精度調整のずれ、衝撃によるヒゲゼンマイの異常などが原因となります。共通の対処法として磁気抜きを試します。

クォーツ式は電池交換も試み、それでも改善しない場合は修理が必要です。機械式の場合、磁気抜きで改善しなければ修理(オーバーホール、精度調整)を検討します。

時刻が合わないと、ご相談いただきました。約1週間で、費用は1,000円(税別)でした。

日付が変わらない

カレンダー機構の歯車・部品の変形・破損、操作禁止時間帯(通常夜8時~朝4時頃)での日付変更操作、油切れなどが原因です。

無理に操作せず、専門業者に修理を依頼しましょう。

リューズが回らない・操作できない・閉まらない

内部への汚れ・ゴミの侵入、錆び、部品の摩耗・破損、ねじ込み式リューズのねじ山の潰れなどが考えられます。無理に操作せず、専門業者に修理を依頼してください。

ガラス(風防)が割れた・傷ついた

落下や衝突が主な原因です。ガラス交換が必要となります。浅い傷なら研磨で目立たなくなることもありますが、割れてしまった場合は交換が必須です。

ベルト・ブレスレットが壊れた

経年劣化、金属疲労、ピンやバネ棒の緩み・破損、革の断裂などが原因です。ベルト・ブレスレットの交換、または修理(可能な場合)が必要です。

自分でできる簡単な対処法

自分でできる簡単な対処法としては、クォーツ式時計の電池交換(ただし防水モデルは専門店推奨)、機械式時計のゼンマイ巻き上げ、磁気を発するものから遠ざけて様子を見る、時計表面を柔らかい布で拭く、などが挙げられます。

ただし、これらはごく基本的な対処法であり、原因が特定できない場合や複雑な問題が疑われる場合は、無理せず専門家に相談することが重要です。特にシチズンのような高級時計の安易な自己修理は避けるべきです。

定期的なメンテナンスでシチズンを守ろう

はらじゅく時計宝石修理研究所

シチズンの時計は、洗練されたデザインと卓越した技術の結晶であり、持つ人に特別な喜びを与えてくれます。その美しさと機能を長く維持するためには、日頃の丁寧な扱いに加え、定期的なメンテナンスと必要に応じた適切な修理が欠かせません。

私たち「はらじゅく時計宝石修理研究所」では、60年以上の実績や国家資格保持者・熟練職人の技術力、そして多店舗展開によるアクセスの良さなど、さまざまな強みを活かしながら、シチズンをはじめとする多くの時計の修理を承っています。

「大切な時計を長く愛用したい」「他店で断られてしまった故障をなんとかしてほしい」など、お困りの際はJR原宿駅から徒歩1分のわたしたちに一度ご相談ください。あなたのシチズンを最高の状態でお使いいただけるよう、心を込めてサポートいたします。
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 この記事を書いた人        

⚪︎⚪︎のアバター 天野 一啓 はらじゅく時計宝石修理研究所 店長

2018年4月に時計宝石修理研究所へ入社。現在は「はらじゅく時計宝石修理研究所」の店長として、店舗運営と接客、修理対応を担う。厚生労働省認定の国家時計修理技能士資格を取得し、大阪府から時計技能最高優秀賞を受賞。

お客様の大切な想い出が詰まった時計やジュエリーに向き合い、安心して預けられる存在を目指す。スイスの老舗時計工具メーカー・BERGEON(ベルジョン)とのコンセプトショップも展開し、時計修理の魅力発信にも注力。

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