理想的な腕時計のオーバーホール頻度とは?参考年数を解説

愛用の時計が突然、時間のズレや針の動きの不調、内部からの異音が発生することはありませんか?これらの症状は、定期的なメンテナンスの必要性を知らせるサインかもしれません。

多くの時計愛好家が「オーバーホールは必要だと聞いたけれど、どのくらいの頻度で行うべきなのか」「費用や修理期間はどれくらいかかるのか」といった疑問を抱えています。本記事では時計修理専門会社としての立場から、オーバーホールの基礎知識を分かりやすく解説します。

なお、私たち「はらじゅく時計宝石修理研究所」は、原宿にある時計と宝石の修理専門店です。高級ブランドからアンティークまで幅広く対応しており、国家資格を持つ職人が丁寧にメンテナンスしています。大手量販店で断られた修理にも対応できる高度な技術力を持っているため、他店で修理できなかったアンティークや古いモデルの時計もぜひお任せください。
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目次

時計を定期的にオーバーホールに出さないとどうなるのか

時計を定期的にオーバーホールに出さないとどうなるのか

時計は精密機械であるため、定期的なメンテナンスを怠ると様々な問題が生じる可能性があります。ここでは、オーバーホールを行わなかった場合に起こりうる具体的な症状について説明します。

時刻の大幅なズレが発生する

内部の潤滑油の劣化や部品の摩耗により、時計の精度が著しく低下することがあります。当初は数秒程度の誤差だったものが、次第に数分、さらには数十分という大幅なズレになっていくことも珍しくありません。

特に機械式時計は、定期的なメンテナンスなしでは正確な時を刻み続けることが難しくなります。

実際の事例でも、高級ドレスウォッチ(手巻き)で「分単位の遅れが出る」という症状の相談がありました。

機能の不具合が生じる

多機能な時計の場合、カレンダー機能やクロノグラフ機能、ムーンフェイズなどの追加機能が正常に動作しなくなることがあります。

例えば、日付が正しく切り替わらない、ストップウォッチの秒針がスムーズに動かないなどの症状が表れます。これらは内部の複雑な機構の調整不良や部品の劣化に起因することが多いです。

内部からの異音が発生するようになる

時計内部の部品が摩耗したり破損したりすると、時計からカチカチという通常の音とは異なる異音が発生することがあります。この異音は、部品同士が正常に噛み合っていないことや、何らかの部品が変形していることを示すサインです。

このように、長期間オーバーホールをせずに使い続けると、油切れによる部品の摩耗やサビが進行し、時計が突然止まったり大幅な時刻ズレを起こすこともあります。

結果的に修理費が高騰したり、最悪の場合は修理不可能になるケースもあるので注意が必要です。大切な時計を長く使い続けるためにも、定期的なオーバーホールは欠かせないメンテナンスなのです。

理想的な腕時計のオーバーホール頻度とは

「どのタイミングでオーバーホールを依頼すればいいの?」という疑問を持つ方は多いでしょう。腕時計のオーバーホール(分解掃除)は、機械式とクォーツ式で適切な頻度が異なります。

ここでは、機械式時計とクォーツ式時計それぞれの目安頻度をお伝えします。

機械式時計は3〜5年に1回

ゼンマイの力で動く機械式時計は、内部に200〜300点以上の複雑な部品が組み込まれています。そのため部品点数が多くオイルの劣化も起こりやすい特性があり、3〜5年に一度のオーバーホールが理想的とされています。

特に日常的に使用している時計であれば、汗や湿気の影響も受けやすいため、定期的なメンテナンスで内部の摩耗を抑え、トラブルを未然に防ぐことが大切です。

高級時計ブランドの多くも3〜5年ごとのオーバーホールを推奨しており、この頻度でメンテナンスを行うことで時計の寿命を大幅に延ばすことができます。また、頻繁に使用する時計ほど、オーバーホールの頻度を早めることをお勧めします。

クォーツ式時計は4〜5年に1回

電池で動くクォーツ式時計は、機械式に比べて部品点数こそ少ないものの、防水パッキンや電子部品の劣化は避けられません。特に重要なのが防水パッキンで、これは経年劣化によりひび割れや硬化が起こり、内部への水分侵入を招く可能性があります。

クォーツ式時計のオーバーホールは、一般的に4〜5年に一度が目安です。電池交換のタイミングでは内部の点検までは行われないことが多いため、定期的なオーバーホールにより防水性や内部パーツをリフレッシュさせておくと安心です。日常使いの時計であれば、この頻度を目安にメンテナンスを検討するとよいでしょう。

なお、防水シールの耐久性は昔より良くなっています。しかし、防水時計でもパッキン類は数年で硬化や圧縮による劣化が進むため、定期交換は不可欠です。防水性能向上=メンテ不要では決してなく、「より性能を維持するためには適切な時期でのメンテが必要」とご理解ください。

オーバーホールにかかる費用と期間

オーバーホールの必要性を理解しても、「費用はどのくらい?」「どの程度時間がかかるの?」と気になる方も多いでしょう。ここでは、オーバーホールにかかる費用と期間の一般的な目安をまとめています。

オーバーホールの予算感

オーバーホールの費用は、時計の種類やブランド、状態によって大きく異なります。一般的な目安としては、機械式時計の場合は数万円程度から、クォーツ式時計の場合は1〜2万円台からとなっています。

ただし、高級ブランドや限定モデルの場合は部品代が高くなるケースもあります。例えば、ロレックスやオメガなどの高級ブランドでは、正規サービスセンターでのオーバーホール費用が10万円を超えることも珍しくありません。また、経年劣化による部品交換が必要な場合は、その分費用がかさむことになります。

オーバーホールの費用は事前に見積りを依頼することで正確に把握できるため、まずは見積り依頼をして確認するとよいでしょう。また、見積り時に追加の修理が必要かどうかも判断できるため、予算計画を立てやすくなります。

オーバーホールの期間

オーバーホールにかかる期間は、依頼先や時計の状態によって異なりますが、一般的に1〜2か月程度かかる場合が多いです。メーカー正規サービスに依頼すると、混雑状況によってはさらに時間を要することもあります。

修理専門店の場合、混雑状況や部品在庫などにより前後しますので、事前に納期の目安を問い合わせてみてください。緊急で時計が必要な場合は、その旨を伝えれば対応可能な店舗もあります。私たち「はらじゅく時計宝石修理研究所」では、お客様のご事情に合わせて可能な限り柔軟に対応するよう心がけております。

また、メーカーによっては海外での修理が必要となり、さらに長期間かかるケースもありますので、愛用の時計が手元を離れる期間を考慮して、オーバーホールのタイミングを計画するとよいでしょう。

オーバーホールを依頼する修理会社の選び方

オーバーホールの依頼先を選ぶとき、「どこに出せばいいのか」迷う方は少なくありません。メーカー正規サービスと修理専門店のどちらがよいのか、また修理専門店の中でもどこを選ぶべきか、そのポイントを共有します。

技術力・実績があるか

時計は精密機械であるため、その修理には専門的な知識と技術が不可欠です。大手家電量販店でも精密機械である腕時計を扱う専門のスタッフがいるとは限りませんので、そこに注意してください。

修理実績や対応できるブランド・モデルの幅広さも重要な選定ポイントです。たとえば、修理専門店である当社「はらじゅく時計宝石修理研究所」には、国家資格をもつスタッフや長年の経験を積んだ熟練職人が在籍しています。グループで修理本数全国No.1の実績が示すように、あらゆるブランド・モデルの時計を幅広く修理してきたノウハウが強みとなっています。
創業60年という長い歴史を有し、年間30,000本以上の修理を手掛ける業界No.1の実績に加えて、千原ジュニア様、トータルテンボス藤田様、五木ひろし様など、多くの芸能人にもご利用いただいている点も、他社にはない大きな特徴です。

技術力の高さは口コミや評判からも判断できるため、インターネット上の評価やレビューを確認することも一つの方法です。また、実際に店舗を訪問して、スタッフの対応や店内の雰囲気、修理実績などを確認することをおすすめします。

修理が断られないか

大手量販店や一般的な修理店で「部品がない」「古いモデルなので対応不可」と断られたケースがあるかもしれません。特にアンティーク時計や生産終了から長い年月が経過したモデルの場合、部品の調達が難しく修理を断られることが少なくありません。

なお、当社では独自の部品調達ルートや代替部品の製作技術を持っているため、他店で断られたケースでも対応できることが多々あります。アンティーク時計や生産終了モデルなど、他社が敬遠しがちな修理でも諦めずにご相談ください。長年培った技術と経験を活かし、できる限りお客様の大切な時計を蘇らせるお手伝いをいたします。
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アクセスが合うかと土日営業があるか

時計の修理依頼や受け取りのために何度も店舗に足を運ぶことを考えると、ご自身の移動圏内にお店があるかどうかも重要な選択ポイントです。時計修理店は土日休みのお店も多いので、平日に時間が取れない方は営業日にも注目しましょう。

「はらじゅく時計宝石修理研究所」は、原宿駅下車1分の好立地で、週末しか時間が取れない方でもご来店しやすいのも強みです。また、時計修理だけでなくジュエリー修理も兼業している企業は非常に少ないため、「まとめて相談したい」という方にもご好評をいただいています。

加えて、修理の進捗状況を定期的に報告してくれるか、緊急時の対応はどうかなど、アフターサービスの質も選ぶ際の重要なポイントです。私たちは常にお客様とのコミュニケーションを大切にし、修理の進捗状況や追加修理の必要性などを丁寧にご説明することを心がけております。

オーバーホールは早めのメンテナンスを心がけよう

はらじゅく時計宝石修理研究所

オーバーホールは、時計を長く愛用するために欠かせない大切なメンテナンスです。時計の調子が悪くなってから修理に出すのではなく、予防的なメンテナンスとして定期的にオーバーホールを行うことをお勧めします。

機械式時計なら3〜5年に1回、クォーツ式時計なら4〜5年に1回を目安に、早めのメンテナンスを心がけるとトラブルを防ぎやすくなります。特に、日常的に使用している時計や、高価な時計、思い入れのある時計は、定期的なケアが寿命を大きく左右します。

費用や期間は時計の種類や依頼先によって異なるので、まずは見積りや納期の確認をしてみましょう。また、オーバーホールのタイミングで防水性能の向上や風防(ガラス)の交換など、他の修理も併せて行うとより効率的です。

当社では、国家資格保持者を含む熟練の職人が在籍し、他社で断られたアンティークや古いモデルでも積極的に修理を承っています。修理本数全国No.1の実績を活かした確かな技術力で、お客様の大切な時計を丁寧にメンテナンスいたします。もし時計の不調が気になる場合は、ぜひ一度ご相談ください。
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 この記事を書いた人        

⚪︎⚪︎のアバター 天野 一啓 はらじゅく時計宝石修理研究所 店長

2018年4月に時計宝石修理研究所へ入社。現在は「はらじゅく時計宝石修理研究所」の店長として、店舗運営と接客、修理対応を担う。厚生労働省認定の国家時計修理技能士資格を取得し、大阪府から時計技能最高優秀賞を受賞。

お客様の大切な想い出が詰まった時計やジュエリーに向き合い、安心して預けられる存在を目指す。スイスの老舗時計工具メーカー・BERGEON(ベルジョン)とのコンセプトショップも展開し、時計修理の魅力発信にも注力。

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