ロレックスのオーバーホールが断られる理由と対処法

大切なロレックスのオーバーホールを依頼したのに、断られるケースがあり困っていませんか?特に、ロレックスの正規店に持ち込んだ場合や、お持ちのロレックスが中古のオーバーホール対象品であると、今後どうすれば良いのか、そもそもロレックスのオーバーホールはどこへ出すべきかと悩んでしまいますよね。この記事では、ロレックスのオーバーホールが断られる具体的な理由から、断られた際の対処法、そして信頼できる専門店の選び方まで、あなたの疑問を解決します。

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この記事でわかること

  • ロレックスのオーバーホールが断られる具体的な理由
  • 正規店と専門修理業者のメリット・デメリット
  • 断られた場合の具体的な対処法
  • 信頼できる修理店の選び方
目次

ロレックス オーバーホールが断られる主なケース

  • 改造品や社外パーツ使用は受付不可
  • 部品供給が終了したヴィンテージモデル
  • ロレックス正規店でのオーバーホールと注意点
  • ロレックスの中古はオーバーホール可能?
  • 部品交換を拒否すると断られる場合も
  • 偽物やコピー品は当然修理不可

改造品や社外パーツ使用は受付不可

ロレックスの正規サービスでは、時計の全ての部品が純正品であることを前提としています。そのため、文字盤や針、ベゼルといった外装部品から、内部のムーブメントパーツに至るまで、一つでも社外品のパーツに交換されている場合は「改造品」と見なされ、オーバーホールや修理の受付を断られてしまいます。

これは、過去に街の修理店などで修理した際に、知らず知らずのうちに社外パーツが使われてしまった場合も同様です。ロレックスは、自社の厳格な品質基準をクリアした純正部品でのみ、時計本来の性能を保証できると考えています。社外パーツが混在していると、修理後の動作保証ができないため、一切の作業を受け付けないという厳しい姿勢をとっているのです。

社外パーツが一つでもあると受付不可

たとえ動いていても、純正品以外のパーツが使用されている時計は、日本ロレックスでのメンテナンスは受けられません。中古で購入した時計などは、特に注意が必要です。

部品供給が終了したヴィンテージモデル

ロレックスに限らず、時計メーカーには「部品保有期間」というものが存在します。これは、モデルの生産が終了してから一定期間、修理用の交換部品を保管しておく義務のことです。しかし、この期間を過ぎた古いモデル、特にヴィンテージやアンティークと呼ばれる個体は、交換に必要な純正部品の在庫がメーカーにもなくなり、修理が物理的に不可能になることがあります。

例えば、1988年頃まで製造されていた手巻きのデイトナ(Cal.727搭載モデルなど)は、すでに部品の供給が終了しており、正規店ではオーバーホールを断られる代表的な例です。他にも、一部の4桁リファレンスのモデルなどで、部品在庫がなくなり受付不可となるケースが増えています。

部品供給が困難なキャリバーの例

ムーブメント 主な搭載モデル 製造年代(目安)
Cal.727 デイトナ Ref.6263, 6265 1963年~1988年
Cal.1580 ミルガウス Ref.1019 1960年~2006年
Cal.1560 サブマリーナ Ref.5512など 1959年~1972年頃
Cal.1530 サブマリーナ Ref.5513 1964年~1965年

※上記は一例です。モデルや状態によって対応は異なります。

ロレックス正規店でのオーバーホールと注意点

ロレックス正規店でのオーバーホールは、時計を製造当時の性能に完全に戻すことを基本方針としています。そのため、経年変化したパーツも「消耗品」や「劣化した部品」と判断され、交換が必須となるケースが少なくありません。

特にヴィンテージロレックスの場合、焼けて変色した文字盤や針(トリチウム夜光など)に希少価値があり、コレクターズアイテムとして高値で取引されることがあります。しかし、正規店では夜光が光らない、あるいは劣化が見られるといった理由で、これらの価値あるパーツも交換対象と判断します。もし所有者が「この文字盤は交換しないでほしい」と部品交換を拒否した場合、オーバーホールそのものを受け付けてもらえないことがあります。

オリジナル性が損なわれる可能性

正規店での修理は、時計の性能を新品時の状態に戻すことが目的です。そのため、アンティークとしての価値(ヤケやオリジナルの風合い)を重視する方にとっては、意図せず価値を下げてしまう可能性もあるため注意が必要です。また、交換した古いパーツは基本的に返却されません。

ロレックスの中古はオーバーホール可能?

「中古で購入したロレックス」という理由だけで、オーバーホールを断られることはありません。正規店か並行輸入品店か、あるいは中古品かといった購入経路に関わらず、その時計が「ロレックスの純正品」でありさえすれば、メンテナンスの対象となります。

問題となるのは、その中古のロレックスが、過去の所有者によってどのように扱われてきたかです。前述の通り、社外パーツに交換されていたり、不適切な改造が施されていたりすると、受付を断られてしまいます。中古でロレックスを購入する際は、前の所有者がどこでメンテナンスを行っていたか、部品交換の履歴はあるかなどを確認できると、より安心して購入できるでしょう。

部品交換を拒否すると断られる場合も

前述の通り、ロレックス正規店では、時計の性能を保証するために必要と判断した部品の交換を提案します。これには、リューズやチューブ、風防(ガラス)といった防水性能に関わる重要なパーツも含まれます。

所有者側で「費用を抑えたい」「オリジナルの状態を保ちたい」といった理由から、この部品交換を拒否すると、「品質を保証できないため、オーバーホール自体をお断りします」という対応になることがほとんどです。ロレックスはオーバーホール完了後、2年間の国際サービス保証を発行します。中途半端な状態で修理を行い、保証期間内に不具合が発生するリスクを避けるため、部品交換の拒否には厳しい姿勢で臨んでいます。

偽物やコピー品は当然修理不可

これは言うまでもありませんが、偽物やコピー品、いわゆるスーパーコピーと呼ばれる精巧な模倣品は、ロレックスの正規サービスを一切受けることができません。たとえ所有者が本物と信じて持ち込んだとしても、専門の技術者が確認すればすぐに判別され、修理不可能として返却されます。

「修理できない=偽物」とはっきり告げられることは稀で、「弊社の製品ではございません」といった表現で丁重に断られることが多いようです。いずれにしても、ブランドの根幹を揺るがす模倣品に対して、メーカーが手を貸すことは絶対にありません

東京・渋谷エリアで修理をお考えなら、JR原宿駅から徒歩1分とアクセス抜群の「はらじゅく時計宝石修理研究所」にご相談ください。国家資格を持つ時計修理技能士が、あなたの愛用の時計を丁寧に診断し、最適なメンテナンスをご提案します。他店で断られた修理にも対応可能な場合がありますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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ロレックス オーバーホールを断られる時の対処法

  • ロレックスのオーバーホールはどこへ出すべきか
  • 正規店と専門修理業者のメリット比較
  • 信頼できる修理専門店の見つけ方
  • 修理後の保証やアフターケアも重要
  • 見積もりだけでも断られることがある?
  • ロレックスのオーバーホールで断られる悩み解決

ロレックスのオーバーホールはどこへ出すべきか

正規店でオーバーホールを断られてしまった場合、諦める必要はありません。次の選択肢として、信頼できる民間の時計修理専門店に相談するという方法があります。正規店で断られた理由が「部品供給の終了」や「部品交換の拒否」であったとしても、修理専門店であれば対応できる可能性があるからです。

例えば、部品供給が終了したヴィンテージモデルでも、修理専門店が独自にパーツをストックしていたり、同型の時計(ドナーウォッチ)から部品を移植したりして修理できる場合があります。また、所有者の意向を尊重し、オリジナルパーツを極力残したまま修理を進めてくれるなど、柔軟な対応が期待できます。ロレックスのオーバーホールをどこへ出すべきか迷った際は、正規店と専門店の両方の特徴を理解し、自身の時計の状態や希望に合った依頼先を選ぶことが重要です。

正規店と専門修理業者のメリット比較

正規店と専門修理業者、それぞれにメリットとデメリットがあります。どちらが良いかは、何を重視するかによって変わってきます。以下の比較表を参考に、ご自身の状況に合った依頼先を検討してみてください。

項目 ロレックス正規店 時計修理専門店
費用 高額になる傾向 比較的安価な場合が多い
納期 2ヶ月~4ヶ月程度が目安 1ヶ月~と短い傾向
使用部品 100%純正部品 純正部品または社外優良部品(店舗による)
技術力 非常に高い水準で均一 店舗によって差があるため見極めが必要
柔軟性 マニュアル通りの対応(部品交換必須など) 所有者の要望に柔軟に対応してくれることが多い
保証 国際サービス保証(2年間) 店舗独自の保証(6か月~が一般的)

信頼できる修理専門店の見つけ方

専門修理業者に依頼する場合、お店選びが非常に重要になります。技術力や料金体系は店舗によって様々だからです。後悔しないために、以下のポイントをチェックして信頼できるお店を見つけましょう。

信頼できる専門店のチェックポイント

  • 時計修理技能士の資格保有者が在籍しているか:時計修理技能士は、高い技術力の証明になります。
  • 修理実績が豊富か: ホームページなどで、ロレックスの修理実績を数多く公開しているお店は信頼性が高いです。
  • 料金体系や見積もりが明確か: 事前に詳細な見積もりを提示し、作業内容を丁寧に説明してくれるお店を選びましょう。追加料金の有無についても確認が必要です。
  • 口コミや評判が良いか: 実際に利用した人のレビューは、お店の対応を知る上で貴重な情報源となります。
  • 純正部品での修理に対応しているか: 時計の価値を保ちたい場合は、純正部品を使用してくれるお店を選ぶのが賢明です。

修理後の保証やアフターケアも重要

オーバーホールは、完了して終わりではありません。修理後の保証やアフターケアがしっかりしているかどうかも、お店選びの重要な基準です。正規店では2年間の国際サービス保証が付きますが、優良な修理専門店でも、6か月~の独自の修理保証を設けています。

この保証は、お店が自社の修理品質に自信を持っている証拠です。保証期間内に、オーバーホールが原因で何らかの不具合が生じた場合、無償で再調整や修理を行ってくれます。万が一のトラブルに備えるためにも、保証制度の有無と、その内容を事前に必ず確認しておきましょう。

見積もりだけでも断られることがある?

「とりあえず本物かどうか知りたいから、見積もりだけお願いしよう」と考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、近年、日本ロレックスでは修理を前提としない見積もり依頼を断るケースがあるようです。

これは、無料の見積もりサービスが、真贋鑑定の目的で利用されることを防ぐためと考えられます。技術者が時計を分解し、内部を点検して見積もりを作成するには、相応の時間と手間がかかります。そのため、明らかに修理の意思がないと判断された場合、「見積もりのみのご依頼は受け付けておりません」と断られる可能性があります。

もし見積もりを依頼する場合は、「料金次第でオーバーホールをお願いしたい」という姿勢で相談することが大切です。

ロレックスのオーバーホールで断られる悩み解決

この記事では、ロレックスのオーバーホールが断られる理由と、その対処法について解説しました。最後に、記事の要点をまとめます。

  • 正規店では改造品や社外パーツ使用の時計は断られる
  • 部品供給が終了したヴィンテージモデルも受付不可の場合がある
  • 正規店は性能復元が目的で価値あるパーツも交換対象になる
  • 部品交換を拒否するとオーバーホール自体を断られる
  • 中古品という理由だけでは断られないが状態が重要
  • 偽物やコピー品は一切のサービスを受けられない
  • 正規店で断られても信頼できる修理専門店という選択肢がある
  • 修理専門店は費用が安く納期が短い傾向にある
  • 専門店の技術力や使用部品は店舗により差があるため見極めが肝心
  • 信頼できる店は時計修理技能士が在籍し実績が豊富
  • 修理後の保証期間やアフターケアの有無を確認することが大切
  • 修理の意思がない見積もり依頼は断られる可能性がある
  • ヴィンテージの価値を維持したい場合は専門店の柔軟な対応が有効
  • お店選びに迷ったら複数の店舗から見積もりを取るのがおすすめ
  • 最終的には安心と信頼、そして自身の希望で依頼先を決める

    東京・渋谷エリアで修理をお考えなら、JR原宿駅から徒歩1分とアクセス抜群の「はらじゅく時計宝石修理研究所」にご相談ください。国家資格を持つ時計修理技能士が、あなたの愛用の時計を丁寧に診断し、最適なメンテナンスをご提案します。他店で断られた修理にも対応可能な場合がありますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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 この記事を書いた人        

⚪︎⚪︎のアバター 天野 一啓 はらじゅく時計宝石修理研究所 店長

2018年4月に時計宝石修理研究所へ入社。現在は「はらじゅく時計宝石修理研究所」の店長として、店舗運営と接客、修理対応を担う。厚生労働省認定の国家時計修理技能士資格を取得し、大阪府から時計技能最高優秀賞を受賞。

お客様の大切な想い出が詰まった時計やジュエリーに向き合い、安心して預けられる存在を目指す。スイスの老舗時計工具メーカー・BERGEON(ベルジョン)とのコンセプトショップも展開し、時計修理の魅力発信にも注力。

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