セイコーの修理(オーバーホール/電池交換)でおすすめのメンテナンス方法

セイコーの時計は日本を代表する高品質なブランドとして、多くの方に愛用されています。優れた耐久性と精度で知られていますが、どんな優れた時計も長年使用していると、故障や経年劣化が避けられません。そんなとき「どこで修理すればいいのか」と迷われるケースは少なくありません。
メーカーの正規店もあれば、さまざまな修理専門店もあり、料金や納期はもちろん、対応できる故障範囲なども気になるところです。大切な時計だからこそ、信頼できる修理店を選びたいものですね。
そこで本記事では、セイコーの時計修理を依頼するときに押さえておきたいポイントや、修理店の選び方、費用の目安などを詳しく解説します。
なお、私たち「はらじゅく時計宝石修理研究所」は、原宿にある時計と宝石の修理専門店です。
高級ブランドからアンティークまで幅広く対応しており、国家資格を持つ職人が1件ずつ丁寧に修理しています。大手量販店で断られた修理にも対応できるので、他店で修理できなかったアンティークや古いモデルの時計もお任せください。
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セイコーの時計修理・メンテナンス(オーバーホール/電池交換)の種類
セイコーを修理する前に、まずは「どんなメンテナンスがあるのか」「定期的なケアが必要なのか」を知っておくと安心です。時計は精密機器ですので、適切なタイミングで適切なケアを行うことが長持ちさせるコツとなります。
ここでは代表的な修理・メンテナンス内容を簡単に紹介します。
代表的な修理・メンテナンス項目
セイコーの時計は多種多様ですが、主に以下の作業が必要となるケースが多いです。
オーバーホール(分解掃除)は、機械式時計にとって特に重要なメンテナンスです。
定期的に分解し、部品を洗浄・注油する必要があります。これによりパーツの摩耗を防ぎ、時計本来の精度を維持することができます。オーバーホールを怠ると、徐々に精度が落ち、最終的には時計が止まってしまうこともあります。
クォーツの電池交換・回路点検も重要なメンテナンスです。
電池交換だけでなく、防水パッキンの交換や回路点検、防水検査などをセットで行うことが理想的です。電池が切れた時点でただ交換するだけでなく、内部の状態を確認することで、将来的な故障を未然に防ぐことができます。
部品交換(風防・リューズ・ベルトなど)も、品質維持には欠かせません。
経年劣化や破損した部品をそのままにしておくと、他の部品にも悪影響を及ぼすことがあります。
例えば弊社では、バンドの汚れとピンがぬけやすくなってしまったため、お持ち頂いたケースがあります。こちらはオールメンテナンスで1日で修理させていただきました。

外装研磨・ケースやブレスの洗浄も見た目を美しく保つために重要です。金属部分にできた細かな傷を研磨し、磨き上げることで外装が元の輝きを取り戻せます。
また、別の事例では、過去にベルトが切れてしまったお客様のセイコー時計を修理しました。
超音波クリーニングを徹底的に行った後、全てのピンをチェック、緩んでいるピンがあれば交換を行うという手順で検査しており、当日にお返しができました。

ベルトも消耗品で、汗や濡れたままだとサビの原因にもなり、劣化を早めてしまいます。年に3回ほど、ベルト洗浄されることもおすすめします。
特に夏場は汗をかきやすいので、ベルトのメンテナンスが重要になってきます。
なぜ定期的なオーバーホールが必要なのか
機械式のセイコー時計は、数多くのパーツが精密に組み合わさって動いています。その精密な部品が常に摩擦を繰り返しながら動いているため、少しずつ劣化していくのです。
オイル切れや部品の摩耗を放置すると、遅れや止まりが発生するばかりか、大きな故障にもつながりかねません。
加えて機械式時計は、内部の歯車やゼンマイなどが常に動き続けているため、適切な潤滑油の供給が欠かせません。
3〜5年を目安にオーバーホールを実施することで、大切な時計を長く愛用できます。
定期的なメンテナンスは一見コストがかかるように思えますが、大きな故障を未然に防ぐことで、結果的には長い目で見たときのコスト削減につながるのです。
セイコーの時計は適切なケアをすれば何十年も使い続けることができる優れた製品ですので、定期的なメンテナンスをおすすめします。
セイコーの時計を修理(オーバーホール/電池交換)するお店を選ぶコツ
修理店選びは、「どのような視点で判断すればいいの?」と戸惑うポイントでもあります。大切な時計を安心して預けられるショップを選ぶために、判断基準を持っておくことが重要です。
以下の3点を押さえておけば、失敗するリスクを下げられるでしょう。
高い技術力・豊富な実績があるか
セイコーはクォーツからアンティークの機械式までさまざまなモデルがあります。単純な電池交換だけでなく、複雑な機構を持つモデルの修理にも対応できる技術力が必要です。
すべてのモデルを幅広く扱える知識と経験が必要です。また、創業年数や修理実績の豊富さは、その店舗の信頼性を測る重要な指標になります。
国家資格を持つ職人がいるか、長年の修理実績があるかも指標になるでしょう。特に「時計修理技能士」などの国家資格は、一定水準以上の技術力を持っていることの証明になりますので、そうした資格保有者がいるかどうかも確認してみるとよいです。
また、修理事例や顧客レビューなども参考になります。実際に修理を依頼した方々の感想を知ることで、技術力の高さや対応の丁寧さを判断する材料になります。
古いモデルにも対応しているか
すでに生産終了している部品を使うモデルの場合、パーツの在庫や調達ルートがなければ修理できないケースがあります。セイコーは長い歴史を持つブランドですので、販売終了から数十年経過したモデルも数多く存在します。
古いセイコーを修理したい場合は、「アンティーク対応可」と明言しているお店や実績のあるお店がおすすめです。そうしたショップは独自の部品ストックや調達ルートを持っており、メーカーでは対応できないケースでも修理できる可能性があります。
メーカーでは通常、製造終了後7〜10年ほどで部品保有期間が終わってしまい、公式修理ができなくなる場合があります。一方で、専門店によっては自社在庫のパーツを活用したり、必要に応じて部品を加工・製作して対応することもあります。
特にヴィンテージモデルや先代から受け継いだ思い入れのある時計の場合は、こうした点を重視して修理店を選ぶことが大切です。技術力だけでなく、古い時計に対する情熱や知識を持ったお店であれば、より丁寧に対応してもらえるでしょう。
納期・費用のバランスを確認する
「すぐに直してほしい」「予算を抑えたい」など、要望は人それぞれです。修理を依頼する際には、自分のニーズに合った店舗を選ぶことが重要になります。
納期や費用が妥当かどうか、事前の見積もりでしっかり確認することをおすすめします。急ぎの場合は即日対応可能なショップがいいですし、予算に制限がある場合は費用面を重視したいところです。
極端に安い・早い場合は、部品の質や作業内容に問題がないか注意することも大切です。
「安かろう悪かろう」ということも珍しくないので、あまりにも相場からかけ離れた金額で修理を請け負う店舗には注意が必要です。
逆に高すぎる場合も、その費用に見合うサービスが本当に必要かどうかを検討する必要があります。
信頼できる修理店は、見積もり段階で作業内容や料金を明確に説明してくれます。疑問点があれば遠慮なく質問し、納得した上で修理を依頼することが大切です。
メーカー修理と修理専門店の違い

セイコーの修理を考えるとき、「メーカー公式のサービスセンターに出すか」「修理専門店に依頼するか」で迷う方も多いでしょう。
それぞれにメリット・デメリットがありますので、自分のニーズに合った選択をすることが大切です。
メーカー公式修理の特徴
正規店ならではの利点は多いですが、デメリットもあるため、依頼前に把握しておきましょう。メーカー公式の修理サービスは安心感がありますが、すべての状況に最適とは限りません。
メリットは、純正パーツを使う安心感と正規の技術基準に基づく作業が受けられることです。
メーカー基準の品質管理のもとで修理が行われるため、修理後の保証も明確です。またグランドセイコーなどの高級ラインや、最新モデルの修理に強みがあります。
デメリットは、費用や納期が比較的高めになりやすいことと古いモデルや生産終了部品では修理不可となる場合もあることです。
セイコーの正規サービスでは、生産終了から一定期間が経過したモデルのパーツ供給を終了している場合があります。また、修理に時間がかかるケースが多く、急ぎの修理には向いていないこともあります。
メーカー修理は、購入して間もない時計や高級ラインのモデル、また保証期間内の時計に特におすすめです。正規の品質基準で修理されるため、時計本来の性能を維持することができます。
修理専門店の特徴
一方で修理専門店は、幅広いモデルをリーズナブルに扱えることが魅力です。専門店ならではの柔軟性と技術力を活かした修理が可能です。
メーカー修理よりも費用を抑えられるケースが多いのが大きな特徴です。また、スピード対応が可能な店舗も多く、急いでいる場合には便利です。電池交換などの簡単な修理なら即日対応も可能なところが多いでしょう。
生産終了から長年経ったセイコーのモデルでも修理を断られにくい点もメリットです。
熟練の技術者が在籍していれば、在庫パーツの活用によってメーカーで断られたモデルを蘇らせられるときもあります。
古いモデルや他店で断られた時計にも対応できる可能性が高いのも修理専門店の強みです。独自のパーツ在庫や調達ルートを持っている店舗なら、メーカーでは修理不可とされたアンティークモデルでも修理できることがあります。
一方で、店舗によって技術力の差があることは注意が必要です。実績や口コミをしっかりチェックして、信頼できる専門店を選ぶことが重要です。また、保証内容が店舗独自になる場合が多いので、修理後の保証についても事前に確認しておくとよいでしょう。
修理専門店は、古いセイコーや生産終了モデル、また予算や納期を重視したい場合におすすめです。特に思い入れのあるヴィンテージモデルなら、アンティーク時計に詳しい専門店を選ぶことで、大切な時計を長く使い続けることができるでしょう。
セイコーの時計修理なら「はらじゅく時計宝石修理研究所」へ

さまざまな修理店がありますが、当社「はらじゅく時計宝石修理研究所」はセイコー修理においても長年にわたる実績と技術力をもっています。
60年以上の実績と修理本数全国No.1
当店は60年以上の老舗として長年培ってきたノウハウがあり、年間修理本数も非常に多いです。蓄積されたデータと熟練の職人たちの技術力が強みです。
熟練した職人たちは、複雑な機構を持つモデルでも正確に分解・組立ができます。セイコーのクォーツモデルから機械式、クロノグラフなど多岐にわたるラインナップにも幅広く対応可能です。
他店で断られたアンティーク時計も対応可能
また、家電量販店が対応できない古いモデルにも対応可能です。セイコーは長い歴史を持つブランドですので、数十年前のモデルをお持ちの方も少なくありません。
当店では、国家資格を保有するスタッフや、長年在籍してきた熟練職人がいるため、部品調達や複雑な修理にも柔軟に対応できます。
特にアンティーク時計の修理には情熱を持って取り組んでおり、先代から受け継いだ思い入れのある時計も大切に扱います。「このセイコーは修理できない」と他店で断られた方も、ぜひ一度ご相談ください。当社の技術力で再び動き出す可能性があります。
土日もプロの技師に相談できる
時計修理会社には珍しく、土日両方営業しています。平日は仕事で忙しい方でも、週末に直接ご来店いただけます。
週末にしか時間が取れない方も利用しやすいです。修理の相談だけでなく、お預かり・お渡しも土日対応しているので、お仕事で忙しい方も安心です。
加えて、郵送での修理受付にも対応しているので、遠方の方も安心してご相談いただけます。全国どこからでも大切な時計をお送りいただければ、丁寧に修理してお返しします。
もちろん、修理内容や費用については事前にしっかりとご説明いたしますので、ご安心ください。
セイコーの修理費用・納期の目安
依頼前におおよその費用や納期を把握しておくと、計画的にスケジュールを組むことができます。修理費用は故障の状態や時計のモデルによって変わりますので、あくまで目安としてご参考ください。
下記はあくまで目安なので、詳しくは実際の見積もりをご確認ください。
主な修理メニューの予算感
どの程度の故障かによって金額は変動しますが、大まかな相場は以下を参考にしてください。
- オーバーホール(機械式):20,000〜40,000円前後
- クォーツの電池交換+防水検査:2,000〜5,000円程度
- 部品交換:数千円〜部品代による
- 外装修理:10,000〜30,000円前後
オーバーホール(機械式)は、20,000〜40,000円前後が一般的です。分解・洗浄・組立・調整という一連の工程を丁寧に行うため、一定の費用がかかります。
※特にクロノグラフや複雑機構の場合はさらにプラスされることもあります。複雑な機構を持つモデルほど、分解・組立の工程も複雑になるため、費用が高くなる傾向があります。
また、クォーツの電池交換+防水検査は、2,000〜5,000円程度です。単純な電池交換だけでなく、防水パッキンの交換や内部の点検も含めた費用になります。
※防水性能を維持するためには、電池交換の際にパッキンも同時に交換することをおすすめします。
部品交換(リューズ・風防・ブレス調整など)は、数千円〜部品代によって変動します。風防(ガラス)の交換やリューズの修理、ベルトの調整など、必要な部品によって費用が変わります。特に希少な部品の場合は、調達コストが加算されることもあります。
最後に、外装修理(研磨・ケース修正)は、10,000〜30,000円前後が目安です。細かな傷を研磨で除去したり、変形したケースを修正したりする作業は、熟練の技術が必要なため、一定の費用がかかります。
納期の目安
修理内容によって納期も大きく変わります。簡単な修理なら当日対応も可能ですが、複雑な修理や部品調達が必要な場合は、時間がかかることを想定しておきましょう。
- 電池交換のみ:即日〜数日
- オーバーホール:2〜4週間前後
- 部品取り寄せ・複雑修理:1〜2ヶ月かかる場合も
電池交換のみの場合は、即日〜数日で対応可能です。店舗の混雑状況にもよりますが、基本的には短時間で完了します。当社では、できる限りお待たせしないよう努めています。
オーバーホールは、2〜4週間前後が一般的です。分解・洗浄・組立・調整という工程を丁寧に行うため、ある程度の時間が必要になります。特に細かい調整が必要なモデルは、精度を確認するための検査期間も含めると、さらに時間がかかることもあります。
また、部品取り寄せ・複雑修理の場合は、1〜2ヶ月かかる場合もあります。特に希少な部品や生産終了部品が必要な場合は、調達に時間がかかることがあります。
セイコー修理でよくある質問
最後に、セイコーの修理に関して読者からよく寄せられる疑問をQ&A形式でまとめました。修理を依頼する前の参考にしていただければ幸いです。
正規店に出すか、修理専門店に出すか迷っています
正規店は純正パーツやメーカー規定による修理が安心ですが、費用や納期がかさむ傾向があります。メーカー基準の品質管理のもとで修理されるため、安心感がある一方で、古いモデルや複雑な修理には対応できないケースもあります。
修理専門店の場合は、費用面やアンティーク時計への対応力で優位性があることが多いです。
費用・納期・対応可能範囲などを総合的に判断するのがベストです。お持ちの時計の状態や修理内容、また予算やスケジュールに合わせて選ぶことをおすすめします。
オーバーホールは何年おきがおすすめですか?
機械式の場合は3〜5年、クォーツの場合は電池交換のタイミング(2〜3年ごと)で一度点検するのがおすすめです。
機械式時計は常に内部の部品が動き続けているため、定期的なメンテナンスが欠かせません。特に毎日使用する時計なら、3年を目安にオーバーホールを検討するとよいでしょう。
防水性能を維持するためにも、パッキンの交換やケースの点検は定期的に行いましょう。防水パッキンは経年劣化するため、防水性能を維持したい場合は定期的な交換が必要です。特に入浴時や水泳時に着用する方は、防水性能の点検を怠らないようにしましょう。
使用頻度や使用環境によっても最適なメンテナンス周期は変わります。汗をかきやすい環境で使用する場合や、激しい運動時に着用する場合は、より頻繁なメンテナンスが必要になることもあります。大切な時計を長く使いたい場合は、メーカーや修理専門店の推奨するメンテナンス周期を守ることをおすすめします。
セイコー公式も3〜4年に一度のオーバーホールを推奨しており、定期的に内部を洗浄・注油しておくことで不具合を防ぐことができます。
古いセイコーの部品はもう入手できないと聞きましたが…?
修理専門店の中には独自の在庫やルートを持っており、他店で断られた場合でも修理可能なケースがあります。
諦める前に、アンティーク対応が得意な修理店や、実績のある当社にご相談いただくとよいでしょう。
特に思い入れのある時計や、先代から受け継いだ時計など、価値のあるものは修理の可能性を探ってみる価値があります。
大切な時計だからこそ、安心できるショップでメンテナンスを

セイコーの時計修理は、メーカー正規店から修理専門店まで選択肢が多く、費用・納期・対応モデルなども千差万別です。修理店選びに迷ったときは、技術力や実績、対応可能な範囲などを総合的に判断することが大切です。
大切な時計だからこそ、技術力や実績、アフターサポートをしっかり確認したうえで、信頼できるショップに依頼しましょう。特に長年愛用してきた時計や、思い入れのある時計の場合は、しっかりとした技術を持つ修理店を選ぶことが重要です。
当社「はらじゅく時計宝石修理研究所」では、60年以上にわたる修理実績と国家資格保有者の熟練技術で、セイコーのあらゆるモデルに対応しています。電池交換などの簡単な修理から、複雑な機構のオーバーホールまで、幅広く対応可能です。
他店で断られたアンティークモデルの修理実績も豊富ですので、ぜひ一度ご相談ください。お客様の大切な時計を、確かな技術でよみがえらせることをお約束します。修理に関するご質問やお見積りのご依頼など、お気軽にお問い合わせください。
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