ネックレスの留め具修理、症状と費用、店選びのコツ

こんにちは。はらじゅく時計宝石修理研究所、店長の天野 一啓です。

大切なネックレスの留め具が壊れてしまって、この記事にたどり着いているかもしれませんね。急に外れなくなったり、逆にゆるくなって落ちそうで不安になったり、本当に困ってしまいますよね。

留め具の修理と言っても、バネが壊れたのか、単にパーツが外れただけなのか、原因はさまざまです。また、18金やシルバーといった素材の違い、カルティエなどのブランド品の場合、どこで修理を頼めばいいのか、値段はいくらくらいかかるのか、もしかして自分で直せるのでは?といった疑問も次々に出てくるかなと思います。

この記事では、そんなネックレスの留め具修理に関するよくあるお悩みについて、修理の判断基準や依頼先の選び方、費用感などを分かりやすくまとめてみました。修理を検討する際のヒントになれば嬉しいです。

東京・渋谷エリアで修理をお考えなら、JR原宿駅から徒歩1分とアクセス抜群の「はらじゅく時計宝石修理研究所」にご相談ください。国家資格を持つ修理技能士が、あなたの愛用の時計を丁寧に診断し、最適なメンテナンスをご提案します。他店で断られた修理にも対応可能な場合がありますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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この記事でわかること

  • 留め具の主な故障パターンと症状
  • 自分で修理できるケースと注意点
  • 素材別・ブランド別の修理のポイント
  • 修理の依頼先と値段の目安
目次

ネックレスの留め具の修理が必要な症状

ネックレス 留め具 修理が必要な症状

まず、どんな状態になったら修理が必要なのか、よくある症状を見ていきましょう。原因によって対処法も変わってきますからね。

留め具のバネが壊れた時のサイン

ネックレスで一番多い留め具は「引き輪(ひきわ)」や「カニカン(ロブスタークラスプ)」と呼ばれるタイプですね。

指でつまみを引いて開閉するわけですが、この「つまみ(レバー)が戻らない」「固まって動かない」、あるいは「閉じたはずなのに隙間が空いている」といった症状が出たら、内部のバネが壊れているサインです。

原因としては、長年の使用による金属疲労でバネが折れてしまったり、皮脂や汚れが詰まって動きが硬くなったり、錆びてしまったり、といったことが考えられます。

引き輪やカニカンの内部構造は非常に精密です。内部のバネが故障した場合、ご自身での分解・修理はまず不可能だと思ってください。無理にこじ開けようとすると、パーツ全体が変形してしまい、余計に修理が大変になることもあります。

この症状の場合は、基本的に留め具パーツ全体の「交換」が必要になりますね。

自分で修理する前に知るべきこと

「自分で修理したい」と考える方もいらっしゃると思います。工具さえあれば、ご自身で対処できるケースも確かにあります。

DIY可能なケース:マルカンの開き

ご自身で修理できる可能性が最も高いのは、「留め具本体は壊れていないが、チェーンから外れてしまった」というケースです。

この場合、留め具とチェーンを繋いでいる「マルカン(丸カン)」というC字型の小さなリングが開いて(隙間ができて)外れただけ、ということが非常に多いです。

これなら、先の細いヤットコ(平ペンチ)が2本あれば、ご自身でも元に戻せます。

【マルカンの正しい閉じ方】

  1. マルカンの切れ目の両端を、2本のヤットコでそれぞれ掴みます。
  2. NGな動作は、切れ間を「横」に引っ張って隙間を広げること。金属が伸びてしまい、元に戻らなくなります。
  3. OKな動作は、片方を固定し、もう片方を「手前」または「奥」にひねる(スライドさせる)こと。
  4. チェーンと留め具を通して、逆の動作で切れ目がぴったり合うまでひねり戻します。

プロ推奨のケース:留め具本体の故障とリスク

前述の「バネの故障」や「留め具本体の変形」は、プロに任せるべきです。

また、「マルカンの開き」であっても、高価なジュエリーやブランド品の場合は注意が必要です。

【DIY修理のリスク】

  • ヤットコで強く挟みすぎて、柔らかい貴金属(K18やシルバー)に傷をつけてしまうリスク。
  • メッキ製品の場合、圧力でメッキが剥がれてしまうリスク。
  • 切れ目がぴったり閉じず隙間が残り、またすぐに外れて紛失するリスク。

修理専門店での「マルカン閉じ(溶接なし)」の作業は、比較的安価(2,000円程~)で済むことが多いです。その費用を節約するために、大切なジュエリーに傷をつけてしまうリスクを負うかどうかの判断ですね。私は、大切なものほどプロに任せるのが賢明かなと思います。

チェーンが切れた場合の対処法

留め具ではなく、チェーンの途中で「プチッ」と切れてしまった場合。これはマルカン開きとは違い、「ロウ付け(溶接)」という専門的な修理が必要です。

切れたチェーンの断面同士を、金やプラチナなどの合金(ロウ材)を使って溶かし合わせ、再び繋げる作業ですね。これには専用の機材と高い技術が必要なので、ご自身での修理は不可能です。

細いチェーンほど作業が難しくなりますが、多くの場合はきれいに元通りになりますよ。

修理はどこで依頼できる?

では、いざ修理を頼むとなると、どこへ持って行けばいいのでしょうか。主な選択肢は3つあります。

1. 購入したブランドの正規店

カルティエやティファニーなど、ブランド品であれば購入した正規店に依頼するのが基本です。純正のパーツで修理してもらえるという絶対的な安心感があります。

ただし、デメリットとして、修理費用が非常に高額になるケースがあり、納期も本国修理などで1ヶ月〜数ヶ月と、かなり長くなることを覚悟する必要があります。

2. 百貨店やショッピングモールの修理カウンター

買い物のついでに立ち寄れる利便性が魅力です。ただし、多くの場合、その場で修理するわけではなく、受付だけして外部の提携工房へ送られます。

そのため、修理期間が1〜3週間程度かかったり、中間マージンが発生して修理費用が割高になったりする可能性はありますね。

3. 街のジュエリー修理専門店

修理を専門に扱うお店です。

メリットは、職人と直接相談できる安心感や、対応の早さです。交換用のパーツ在庫があれば、その日のうちに修理が完了する(即日修理)可能性も一番高いです。費用も正規店や百貨店経由より抑えられる傾向にあります。

デメリットは、お店によって技術力や料金設定が異なるため、「信頼できる店」を自分で見つける必要があることでしょうか。

東京・渋谷エリアで修理をお考えなら、JR原宿駅から徒歩1分とアクセス抜群の「はらじゅく時計宝石修理研究所」にご相談ください。国家資格を持つ修理技能士が、あなたの愛用の時計を丁寧に診断し、最適なメンテナンスをご提案します。他店で断られた修理にも対応可能な場合がありますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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ネックレスの留め具の修理と素材・ブランド

ネックレス 留め具 修理と素材・ブランド

修理代や注意点は、ネックレスの素材やブランドによっても変わってきます。特に高価なもの、思い入れのあるものは慎重に選びたいですよね。

18金やシルバー素材の修理

18金(K18)やシルバー(SV925)は、ジュエリーとしては一般的ですが、金属としては比較的柔らかい素材です。そのため、力が加わるとマルカンが開きやすい傾向はありますね。

修理自体は問題なく可能ですが、特に注意が必要なのが「18金(K18)ゴールド」のパーツ交換です。

近年、ご存知の通り金価格が歴史的に高騰しています。

そのため、「小さな留め具の交換」と安易に考えていても、修理の技術料より、使用するK18製の留め具パーツ代(材料費)の方がはるかに高額になるケースが増えています。必ず事前に見積もりを取るようにしてください。

シルバー製品の場合、修理と同時に「クリーニング(黒ずみ落とし)」も一緒に依頼すると、ピカピカになって戻ってくるのでおすすめですよ。

真珠のネックレスの注意点

真珠(パール)のネックレスは、少し特殊です。多くの場合、金属のチェーンではなく、専用の「糸」や「ワイヤー」で珠が繋がっています。

留め具(クラスプ)が壊れた場合、もちろん留め具の交換修理は可能です。その際、同時に「糸替え(ワイヤー替え)」も検討する良い機会かもしれません。糸は使っていなくても経年劣化で緩んだり、切れたりすることがありますからね。

また、着脱がしにくいという理由で、元の留め具から「マグネットクラスプ」に交換するリフォームも非常に人気があります。

ブルガリやカルティエの修理

ブルガリ、カルティエ、ティファニーといった、いわゆる「ハイブランド」のジュエリー修理は、非常に重要な選択を迫られます。

一度でも一般店の修理が入ると、以降、そのブランドでのメンテナンスや修理を永久に拒否される可能性があります。

「将来的な資産価値とブランドの保証」を維持するために高額・長納期を受け入れるか、「目先のコストとスピード」を優先してブランドの保証を永久に放棄するかの、不可逆的な選択です。

どちらが正解というわけではありませんが、このリスクを理解せずに安易に一般店に持ち込むことだけは避けるべきです。

4°cやクリオのネックレス

4°c(ヨンドシー)のような国内の人気ブランドジュエリーの場合、まずは購入した店舗やカスタマーサポートに相談するのが一番スムーズかなと思います。もちろん、一般の修理店でも問題なく対応できるケースがほとんどです。

また、クリオ(Chrio)に代表されるような、スポーツネックレスの修理も特殊ですね。これらは磁石(マグネット)や特殊な機構を使っていることが多いです。

ファッションジュエリーとは構造が異なるため、まずはメーカーの公式サイトなどで修理の受付窓口を確認することをおすすめします。

東京・渋谷・新宿での修理店探し

東京、特に渋谷や新宿、御徒町(おかちまち)といったエリアは、ジュエリー関連の問屋や工房、修理店が非常に多く集まっています。

選択肢が多いのは良いことですが、逆に「どこを選べばいいか分からない」という悩みも出てきますよね。

【お店選びのヒント】

  • 職人が常駐しているか?
    →その場で修理(即日修理)してもらえる可能性があります。
  • 見積もりは明確か?
    →作業前に「〇〇円〜〇〇円くらい」と、料金の目安をしっかり説明してくれるか。
  • 修理実績は豊富か?
    →ホームページなどで、過去の修理事例を公開していると安心材料になります。

ネットの口コミも参考にはなりますが、最終的には「この人になら任せられそうだな」と思えるかどうかが大事です。

修理にかかる値段の相場

一番気になるのが、やはり修理にかかる「値段」ですよね。

修理費用は、「修理の内容(技術料)」と「使用するパーツ代(材料費)」の組み合わせで決まります。

あくまで一般的な目安ですが、料金表をまとめてみます。

修理内容 素材 料金目安(税込)
マルカン閉じ(溶接なし) 全素材共通 2,200円 ~ 5,000円程度
ロウ付け(溶接・1箇所) シルバー / K18 / Pt 4,400円 ~ 8,000円程度
引き輪/カニカン交換 シルバー (SV) 5,500円 ~ 13,000円程度
引き輪/カニカン交換 プラチナ (Pt) 6,600円 ~ 15,000円程度
引き輪/カニカン交換 K18ゴールド 8,000円 ~ 18,000円程度

これはあくまで一般的な目安です。

特に前述の通り、K18ゴールドのパーツ代は時価(金価格)によって大きく変動します。デザインの複雑さや、お店の技術料設定によっても料金は変わります。

「こんなに高いはずじゃなかった」と後悔しないためにも、必ず作業前に「見積もり」を取得し、料金に納得してから依頼するようにしてください。

ネックレスの留め具の修理は専門店へ

ネックレスの留め具の不具合は、単に「着け外しが不便」というだけでなく、「着用中に落下させて、大切なネックレスを紛失してしまう」という最大のリスクに繋がります。

「あれ、ちょっと緩いかも?」と感じたら、それは修理のサインかもしれません。早めに対処するのが一番ですね。

【まとめ】

  • DIY修理は「マルカンの開き」だけ。それ以外はプロに任せる。
  • ブランド品を一般店で修理すると、正規保証が永久に失われるリスクを理解する。
  • K18(18金)のパーツ交換は、金価格高騰で「パーツ代」が高額になる可能性を覚悟する。
  • 必ず「事前見積もり」を取り、料金と納期に納得してから依頼する。

    東京・渋谷エリアで修理をお考えなら、JR原宿駅から徒歩1分とアクセス抜群の「はらじゅく時計宝石修理研究所」にご相談ください。国家資格を持つ修理技能士が、あなたの愛用の時計を丁寧に診断し、最適なメンテナンスをご提案します。他店で断られた修理にも対応可能な場合がありますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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 この記事を書いた人        

⚪︎⚪︎のアバター 天野 一啓 はらじゅく時計宝石修理研究所 店長

2018年4月に時計宝石修理研究所へ入社。現在は「はらじゅく時計宝石修理研究所」の店長として、店舗運営と接客、修理対応を担う。厚生労働省認定の国家時計修理技能士資格を取得し、大阪府から時計技能最高優秀賞を受賞。

お客様の大切な想い出が詰まった時計やジュエリーに向き合い、安心して預けられる存在を目指す。スイスの老舗時計工具メーカー・BERGEON(ベルジョン)とのコンセプトショップも展開し、時計修理の魅力発信にも注力。

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