ツェッペリンの時計修理の料金と依頼先

こんにちは。はらじゅく時計宝石修理研究所、店長の天野一啓です。

ドイツの飛行船をモチーフにしたクラシカルなデザインと、そのロマンあふれる背景ストーリーが魅力のツェッペリン。愛用されている方も多いかなと思います。

ですが、その大切な時計が止まってしまったり、調子が悪くなったりすると、いざ時計修理が必要になった時、「正規(公式)代理店に頼むべきか?」「近所のヨドバシみたいな量販店への持ち込みでも大丈夫?」「できるだけ安く済ませたいけど、料金はいくら?」といろいろ迷ってしまいますよね。

特にメーカーの保証期間が切れた後の電池交換や、数年に一度のオーバーホールの料金が一体いくらかかるのか、見当もつかなくて不安になる方も多いかなと思います。

この記事では、そんなツェッペリンの時計修理について、依頼先の選び方や修理内容ごとの費用の相場観、注意すべき点などを、時計修理に興味がある私なりの視点で、少し詳しくまとめてみました。

東京・渋谷エリアで修理をお考えなら、JR原宿駅から徒歩1分とアクセス抜群の「はらじゅく時計宝石修理研究所」にご相談ください。国家資格を持つ修理技能士が、あなたの愛用の時計を丁寧に診断し、最適なメンテナンスをご提案します。他店で断られた修理にも対応可能な場合がありますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

はらじゅく時計宝石修理研究所に相談する

この記事でわかること

  • 正規店と民間修理店のメリット・デメリット
  • オーバーホールや電池交換にかかる料金の目安
  • 自分で修理(セルフリペア)する危険性
  • 修理依頼の前にオーナーさんが確認すべきこと
目次

ツェッペリンの時計修理の依頼先

ツェッペリン 時計修理の依頼先

ツェッペリンの時計が止まってしまった時、修理をどこに頼むのがベストか。選択肢はいくつかありますが、これは「時計の状態」や「オーナーさんが何を優先するか」によって最適解が変わってくるんですね。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

自分で修理するリスクと注意点

最近はインターネットや通販で時計修理キットなども市販されていて、「電池交換くらいなら自分で挑戦してみよう」と考える方もいらっしゃるかもしれません。

ですが、私は正直、あまりおすすめしません。

ツェッペリンの時計は、デザイン性を重視しているモデルも多く、裏蓋の開け閉めだけでも専用の工具が必要です。一般的な工具で無理にこじ開けようとすると、時計本体や裏蓋に深い傷がつくリスクが非常に高いです。

また、万が一うまく開けられたとしても、内部は非常に繊細なムーブメントや電子回路が詰まっています。作業中に誤ってピンセットなどで触れてしまったり、小さなホコリやチリが混入したりするだけで、かえって状態を悪化させてしまうこともあります。

セルフ修理の主なリスク(より深刻なケース)

  • 裏蓋や本体ケースへの取り返しのつかない傷
  • 内部ムーブメントや電子回路の破損
  • 作業中のホコリや湿気の混入による内部のサビ
  • 防水性能の著しい低下

特に重要なのが防水性能です。時計の防水性は、裏蓋やリューズ部分にある「パッキン」というゴム製の部品で保たれています。このパッキンは消耗品で、一度裏蓋を開ければ、本来は交換するか、専用のグリスを塗布し直すといった処置が必要です。

素人作業ではこれが適切に行えないため、防水性能がほぼ失われてしまいます。その結果、日常の手洗いや突然の雨でも内部に水が入り込み、文字盤のシミやムーブメントのサビといった、致命的な故障につながる可能性が格段に上がってしまいます。

わずかな電池交換費用を抑えようとした結果、数万円単位の高額な修理費用がかかってしまうのは、本当に避けたいですよね。大切な時計だからこそ、専門の知識と設備があるプロに任せるのが、結果的に一番安心で確実かなと思います。

ヨドバシなど量販店での修理は?

ヨドバシカメラやビックカメラといった、大型の家電量販店の時計コーナーでも、修理や電池交換を受け付けてくれる場合がありますね。

最大のメリットは、なんといっても「アクセスの良さ」と「手軽さ」です。お買い物のついでに立ち寄って依頼できて、料金も比較的安価に設定されていることが多いです。電池交換のようなシンプルな作業であれば、選択肢の一つになると思います。

ただし、利用する前に知っておきたい注意点もあります。

注意点1:受付のみで外部委託のケース

店舗のカウンターでは受付のみを行い、実際の修理作業は提携している外部の修理センターに送られる、というケースも少なくありません。その場合、修理完了までに時間がかかったり(4週間~6週間など)、外部センターとの中間マージンが発生したりすることもあります。

注意点2:専門的な修理は対応不可の可能性

ツェッペリン特有のあの美しいドーム型風防(ガラス)の交換や、部品点数が多く複雑なクロノグラフのオーバーホールなど、専門的な技術や設備が必要な作業は、対応が難しい場合があるかもしれません。

また、電池交換と同時に「防水テスト」までしっかり行ってくれるかどうかも、店舗によって対応が異なる可能性があります。

手軽な反面、修理内容によっては専門性に限界がある可能性も考慮しておくと良いですね。「電池交換だけ」と割り切るか、より専門的な対応を望むかで使い分けるのが賢明かもしれません。

(参考記事:ハミルトンの電池交換|正規店と専門店の料金・店舗を解説 ※他ブランドの例ですが、量販店と専門店の比較の参考になります)

正規代理店と民間修理店の違い

電池交換以上の、オーバーホールや本格的な修理となると、選択肢は実質的に「正規代理店」か、「民間の時計修理専門店」のどちらかを選ぶことになります。この二つは、メリットとデメリットがはっきりしています。

正規代理店のメリット・デメリット

まず、日本のツェッペリン正規代理店のサービスセンターに依頼する場合です。

最大のメリットは、やはり「絶対的な安心感」でしょうね。メーカーの基準に準拠した修理品質が期待できますし、交換部品が必要な場合も、原則として純正部品が使用されます。特に外装部品(ロゴ入りのリューズや特殊な風防など)は、正規代理店でしか手に入らないケースもあります。

一方でデメリットとしては、料金がすべて「都度見積もり」である点です。時計をサービスセンターに送付して、専門の技師が診断するまで、具体的な費用が一切分からないことが多いんですね。見積もり依頼の往復送料がお客様負担になることもありますし、見積もりが出るまでにも時間がかかります。トータルの修理期間も、民間修理店と比べると長くなる傾向があります。

民間修理専門店のメリット・デメリット

次に、私たち「はらじゅく時計宝石修理研究所」のような、民間の時計修理専門店のケースです。

メリットは、「料金の透明性」と「スピード感」かなと思います。多くの店が修理メニュー(電池交換、オーバーホールなど)ごとに料金表をWebサイトなどで公開しているので、オーナーさんも事前に大体の予算を立てやすいです。電池交換なら最短15分程度で完了するお店もありますし、オーバーホールも正規店より安価で、かつ迅速に対応できるケースが多いですね。

また、お店によっては、国家資格である「時計修理技能士」が在籍していることもあります。こうした有資格者がいるお店は、技術力の目安になりますね。(出典:厚生労働省『技能検定制度』

デメリットとしては、お店によって技術力や信頼性にバラつきがあることです。信頼できるお店をオーナーさん自身が選ぶ必要があります。そして、先ほども触れましたが、モデルによっては純正の外装部品(特にケースや文字盤、針など)が入手できず、修理が断られるか、代替部品での対応となる可能性がある点です。

正規代理店 vs 民間修理店 比較まとめ

比較項目 正規代理店(ウエニ貿易) 民間修理専門店
安心感 ◎(メーカー基準) △~◎(店舗による)
純正部品(特に外装) △(入手不可の場合あり)
修理料金 △(都度見積もりで高め傾向) ○(料金表があり安め傾向)
修理スピード △(時間がかかる傾向) ○(比較的早い)
技術力 ○(メーカー基準) △~◎(時計修理技能士の有無など)

どちらが良いかは、「安心感・純正部品を最優先する」なら正規代理店、「費用・スピード・料金の分かりやすさを優先する」なら(技術の確かな)民間修理専門店、というように、オーナーさんの優先順位次第、ということになりますね。

保証期間内の対応

ここまで修理先の選択肢を見てきましたが、その前に!修理先を選ぶ前に、絶対に確認してほしいことがあります。

それは、「時計の購入から2年以内かどうか」です。お手元の保証書を今すぐ確認してみてください。

なぜなら、ツェッペリンの正規保証期間は2年間なんですが、この保証内容がすごく手厚いんです。内部の自然故障(ムーブメントの不具合など)はもちろんのこと、なんと「ご購入から2年間無制限で電池交換のサービスが受けられます」と公式に明記されています。

これは他のブランドと比べても、かなり強力なサービスですね。

もし購入から2年以内で、保証書(※「お買い上げ店名」と「購入日」の記載が必須です。ない場合は購入時のレシートや納品書も探してみてください)が手元にあるなら、迷わず正規代理店に依頼するのが最適解です。

これを知らずに保証期間内なのに民間のお店で電池交換費用を払ってしまうのは、本当にもったいないですからね。

東京・渋谷エリアで修理をお考えなら、JR原宿駅から徒歩1分とアクセス抜群の「はらじゅく時計宝石修理研究所」にご相談ください。国家資格を持つ修理技能士が、あなたの愛用の時計を丁寧に診断し、最適なメンテナンスをご提案します。他店で断られた修理にも対応可能な場合がありますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

はらじゅく時計宝石修理研究所に相談する

ツェッペリンの時計修理の料金と事例

ツェッペリン 時計修理の料金と事例

では、購入から2年以上が経過して保証期間が切れてしまった場合、修理には大体いくらくらいかかるんでしょうか。正規代理店は都度見積もりなので、ここでは民間修理店での一般的な料金相場や、よくある修理事例をまとめてみます。

修理の値段の相場

ツェッペリンの修理料金は、時計の心臓部である内部構造(ムーブメント)の種類によって大きく変わってきます。特に「オーバーホール(分解掃除)」は、その差が顕著ですね。

オーバーホールとは、時計をパーツ単位で分解し、洗浄、注油、再組立、精度調整を行う、最も本格的なメンテナンスのことです。

【民間修理店】オーバーホール料金の目安(税込)

  • クォーツ(2針・3針): 32,800円~
  • クォーツ(クロノグラフ): 43,780円~
  • 機械式(自動巻き): 47,600円~
  • 機械式(クロノグラフ): 50,800円~

やはり、シンプルなクォーツ(電池式)と比べて、ストップウォッチ機能などが付いたクロノグラフモデルは、部品点数が圧倒的に多くて構造が複雑なため、分解・組立の作業工賃が高くなる傾向にあります。機械式も同様ですね。

※料金に関する最重要ご注意※

上記の料金は、あくまで「基本料金」の目安です。オーバーホールの過程で、内部の部品(特に電子回路、歯車、ゼンマイなど)が摩耗・破損・サビなどで故障していて交換が必要な場合は、別途「部品代」や「追加工賃」が発生します。

特にクォーツ時計で、電池交換しても動かない場合は、内部の電子回路が故障している可能性があり、その場合は回路交換費用がプラスされることが多いです。

最終的にいくらかかるのか、正確な費用は、必ず修理店に時計を預けて見積もりを依頼し、その内容に納得してから作業を進めてもらうようにしてください。

電池交換の費用

保証期間が過ぎた時計の電池交換は、先ほども触れましたが、民間修理店に持ち込むのが時間的にも費用的にもメリットが大きいかなと思います。

一般的な時計修理店の場合、ツェッペリンの電池交換は大体2,200円(税込)~が相場になっているようです。

お店にもよりますが、作業時間も15分~30分ほどで、その日のうちに完了することが多いので、正規代理店の見積もり(発送→到着→診断→見積もり連絡→承諾→作業→返送)を待つよりも、ずっと早く手元に戻ってきます。

正規代理店に依頼した場合、電池交換自体は保証外で有償となり、作業料に加えて往復の送料などもかかってくるため、トータルでは民間修理店の数倍の費用になる可能性も考えておいた方が良いでしょう。

7060モデルの修理事例

ツェッペリンの中でも特に人気の高い「7060」(LZ129 ヒンデンブルク ムーンフェイズ)のような、多機能クォーツクロノグラフモデルの修理ですね。

こうした多機能クォーツ時計が「電池交換したのに動かない」「すぐに止まる」という場合、いくつかの原因が考えられます。

代表的なのが、内部の電子回路が不良を起こしていたり、長年の使用で歯車を動かすための油が切れて、抵抗が大きくなってしまっていたりするケースです。

その場合は、単なる電池交換では症状は改善せず、根本治療としての「クォーツオーバーホール」が必要になります。過去の修理事例を見てみると、この油切れのオーバーホールと電子回路の交換が同時に必要になったケースで、修理価格が約51,900円(税込)といったものもあるようです。

「止まった=電池切れ」と安易に判断せず、電池交換しても動かない場合は、こうした複合的な原因の可能性を疑い、まずは専門店で内部を点検してもらうのが大事ですね。

100周年記念モデルの修理

「100周年記念モデル」(7680シリーズなど)も、ツェッペリンを代表する非常に人気が高いモデルですよね。これらのモデルでデザイン的な特徴となっているのが、アンティークウォッチのようなクラシカルなドーム型の風防(ガラス)です。

もし、このドーム型ガラスをぶつけて割ってしまった場合の交換は、一般的な平面のサファイアガラス交換などと比べて、少し特殊な修理となる場合があります。

ある修理店の事例では、この特殊なガラス交換と、それに関連するベゼル(ガラスの周りの枠)の調整、さらに電池交換も合わせて約48,600円(税込)で修理されたケースがありました。修理期間も、部品の取り寄せや圧入・接着作業などで約1ヶ月ほどかかったようです。

特殊な形状の部品交換は、対応できるお店とできないお店が分かれる可能性があるので、依頼する際は、事前にそのお店でツェッペリンの風防交換の実績があるかなどを確認すると安心ですね。

磁気帯びの症状と対処法

「電池交換したばかりなのに、なぜか時間が遅れる」
「普段は正常なのに、気づくと突然数時間止まっていることがある」
「秒針がなんだか小刻みに震えている(行ったり来たりする)」

こうした場合、多くの方が「ムーブメントが故障した!」と慌ててしまうんですが、その前にぜひチェックしてほしいのが「磁気帯び」です。

私たちの身の回りには、スマートフォン、ノートPC、タブレットのカバー(マグネット式)、ハンドバッグの留め具、磁気ネックレスなど、思った以上に強い磁気を発するものがたくさんあります。

クォーツ時計も機械式時計も、これらの強い磁気に近づけすぎると、内部のムーブメントが磁気を帯びてしまい、正常に動作しなくなることがあるんです。

かんたん磁気帯びセルフチェック

お手元のスマートフォンの「方位磁石(コンパス)」アプリを起動してみてください。(iPhoneなら標準で入っていますね)

そのコンパスに、ツェッペリンの時計本体をゆっくりと近づけてみてください。

もしコンパスの針が方位と関係なく、大きく不規則に振れるようであれば、あなたの時計が磁気を帯びている可能性が非常に高いです。

もし磁気帯びが原因なら、ラッキーかもしれません。これは「故障」ではないので、大掛かりな修理は必要ありません。「磁気抜き(脱磁)」という専用の機械を使って、時計が帯びた磁気を取り除いてあげれば、すぐに正常な動作に戻ることがほとんどです。

時計修理店に持ち込めば、「磁気抜きをお願いします」と伝えるだけで、大体1,000円~2,000円程度で対応してくれることが多いです。高額なオーバーホールを勧められる前に、あるいは故障だと諦める前に、一度試してみる価値は絶対にありますよ。

(参考記事:時計の電池交換後に止まる原因は?プロが解説 ※磁気帯びが原因であるケースについても触れています)

ツェッペリンの時計修理は専門店へ

ここまで、ツェッペリンの時計修理について、依頼先や料金、注意点などを色々と見てきました。

結論として、まず確認すべきは保証書。「購入から2年以内」であれば迷わず正規代理店へ、というのが鉄則ですね。これが一番お得で安心です。

そして、保証期間が過ぎてしまった後の修理については、費用とスピード、そして専門性のバランスを考えると、信頼できる時計修理専門店に相談するのが、多くの方にとってベストな選択になるのかなと、私は思います。

東京・渋谷エリアで修理をお考えなら、JR原宿駅から徒歩1分とアクセス抜群の「はらじゅく時計宝石修理研究所」にご相談ください。国家資格を持つ修理技能士が、あなたの愛用の時計を丁寧に診断し、最適なメンテナンスをご提案します。他店で断られた修理にも対応可能な場合がありますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

はらじゅく時計宝石修理研究所に相談する

 この記事を書いた人        

⚪︎⚪︎のアバター 天野 一啓 はらじゅく時計宝石修理研究所 店長

2018年4月に時計宝石修理研究所へ入社。現在は「はらじゅく時計宝石修理研究所」の店長として、店舗運営と接客、修理対応を担う。厚生労働省認定の国家時計修理技能士資格を取得し、大阪府から時計技能最高優秀賞を受賞。

お客様の大切な想い出が詰まった時計やジュエリーに向き合い、安心して預けられる存在を目指す。スイスの老舗時計工具メーカー・BERGEON(ベルジョン)とのコンセプトショップも展開し、時計修理の魅力発信にも注力。

目次