オブレイの時計修理|電池交換で動かない?値段と店選び

こんにちは。はらじゅく時計宝石修理研究所、店長の天野 一啓です。

この記事にたどり着いたということは、パリの職人が手掛けた素敵な時計のことで、何かお困りごとがあるのかも知れませんね。

もしかすると「電池交換したのに動かない」とか、「正規代理店じゃないとダメかな?」とか、「伊勢丹みたいな百貨店に持っていけばいいんだろうか?」とか、色々悩むポイントがあるかなと思います。

ほかにも、特徴的な革ベルトの交換はどうしようとか、銀無垢ケースの変色が気になってきたとか、そもそもオーバーホールが必要なら値段はいくら?といった、費用や郵送修理の可否も気になるところですよね。

オブレイの時計は、そのデザインと素材に特別な魅力がある反面、修理にはちょっとしたコツが必要です。この記事では、そんなオブレイの修理に関する様々な疑問について、時計修理店の視点からポイントをできるだけ詳しくまとめてみました。

東京・渋谷エリアで修理をお考えなら、JR原宿駅から徒歩1分とアクセス抜群の「はらじゅく時計宝石修理研究所」にご相談ください。国家資格を持つ修理技能士が、あなたの愛用の時計を丁寧に診断し、最適なメンテナンスをご提案します。他店で断られた修理にも対応可能な場合がありますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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この記事でわかること

  • オブレイの「電池交換しても動かない」本当の理由
  • 修理依頼先(正規代理店・百貨店・専門店)それぞれの特徴
  • オーバーホールや外装修理にかかる値段のリアルな実例
  • 近所に頼れるお店がない場合の郵送修理の進め方
目次

オブレイの時計修理でよくある悩み

オブレイ 時計修理 でよくある悩み

オブレイの時計は、その多くが銀無垢(SV925)のケースを採用していたり、デザインが繊細だったり、とっても魅力的ですよね。ただ、その特殊さゆえに、一般的な時計の修理とはちょっと違う「悩み」や「トラブル」が出てきがちなんです。まずは、当店によく寄せられるご相談から見ていきましょう。

電池交換しても動かない理由

オブレイの修理で、圧倒的に一番多いご相談がこれですね。「近所の時計屋さんで電池交換してもらったけど、動かない」とか、「電池交換をお願いしたら、うちでは修理できません、と断られてしまった」というケースです。

時計が止まると、普通は「電池切れかな?」と考えるのはとても自然なことです。でも、特に長年愛用されているオブレイの場合、原因は単なる電池切れではないことが非常に多いんです。

止まってしまった「本当の原因」

オブレイのムーブメント(機械)が停止する原因は、主に以下の3つが考えられます。

  • ムーブメント内部の潤滑油の劣化や揮発
    時計の歯車はスムーズに動くために油が差されています。これが長年の使用や温度変化で乾いたり、粘り気が出たりすると、歯車の動きが重くなります。
  • 歯車の抵抗増加による停止
    油が切れた状態で無理に動こうとすると、新しい電池の力をもってしても、重くなった歯車を動かすだけのトルク(力)が足りず、止まってしまいます。
  • 防水用ゴムパッキンの劣化・破断
    時計の裏蓋などにあるゴム製のパッキンが経年劣化で切れたり、痩せたりすると、そこから湿気や汗が侵入します。これが電子回路のショートや、内部のサビを引き起こすこともあります。

こうなってしまうと、残念ながら、新しい電池に入れ替えるだけでは絶対に解決しないんですね。

もし「電池交換しても動かない」と言われてしまったら、それは時計の寿命だと諦める必要はまったくなくて、「根本的な治療=オーバーホール」が必要ですよ、という時計からのサインだと受け取ってもらうのが良いかなと思います。

停止原因はオーバーホールで解決

先ほどお話しした「潤滑油の劣化」や「湿気による内部不良」、「パッキンの劣化」といった根本的な問題を解決する作業が、「オーバーホール(分解掃除)」と呼ばれる専門的な修理です。

オーバーホールって具体的に何するの?

オーバーホールは、単なる電池交換とはまったく違います。具体的には、こんなステップを踏みます。

  1. 分解: 時計の心臓部であるムーブメントを、一つ一つのパーツ(歯車、ネジなど)に至るまで丁寧に分解します。
  2. 洗浄: 専用の機械と洗浄液を使って、古い油汚れや、もしあればサビなどを徹底的にきれいにします。
  3. 組立・注油: 洗浄したパーツを元通りに組み上げながら、パーツの特性に合わせて数種類の新しい潤滑油を、適切な量だけ差していきます。
  4. 調整・検査: 組み上がったムーブメントが正常に動くか、精度は出ているかをチェックし、防水検査などを行います。

よく「クォーツ時計(電池式)だからオーバーホールは不要ですよね?」と聞かれるんですが、そんなことはないんです。

たしかに機械式時計ほど頻繁(3〜5年ごと)ではなくても、オブレイのように長く愛用される時計は、クォーツでも7〜10年に一度くらいは、こういった機械部分のメンテナンスがとても大切になってきます。

オブレイの革ベルト交換は特殊?

オブレイの魅力は、時計本体のデザインだけじゃなく、それに合わせたクラシカルな革ベルトにもありますよね。でも、このベルトが汗や湿気で劣化してきて、交換したいなと思った時にも、少し注意が必要かもしれません。

というのも、オブレイの時計はモデルによって、時計本体とベルトを繋ぐ「ラグ」という部分の形状が特殊な場合があるんです。そのため、市販されている一般的な汎用ベルトを買ってきても、サイズが合わなかったり、うまく取り付けられなかったりすることがあります。

純正ベルトとオーダーメイド、どっちがいい?

選択肢としては、大きく二つあります。

1. 正規代理店で純正ベルトを探す
デザインの統一感や「純正」という安心感を求めるなら、これが一番です。ただ、古いモデルだと在庫がなかったり、取り寄せに時間がかかったり、価格が少し高めになる可能性はありますね。

2. ベルト専門業者でオーダーメイドする
もし純正品が入手困難だったり、「次はちょっと色を変えてみたい」という場合は、オーダーメイド製作がおすすめです。オブレイの特殊な形状に合わせてピッタリのベルトを作ってくれるお店さんがあります。

伊勢丹など百貨店での修理は?

時計の修理というと、伊勢丹さんや三越さん、高島屋さんといった、信頼できる大手百貨店の時計修理コーナーを思い浮かべる方も多いと思います。

確かに、百貨店の窓口はアクセスも良いですし、何より「安心感」がありますよね。これはすごく大きなメリットです。

ただ、修理を依頼する上で、少しだけ知っておいた方がいい仕組みがあります。それは、百貨店の窓口が、その場で全ての修理を完結させているわけではないケースが多い、という点です。

簡単な電池交換やベルトのサイズ調整はその場で対応できても、オブレイのオーバーホールのような複雑な修理や、専門的な診断が必要な場合は、百貨店が提携している外部の修理専門工房に作業が委託されることが一般的です。

百貨店経由のデメリットかも?

  • 修理値段が割高になる可能性
    修理工房の料金に、百貨店の中間マージンが上乗せされるため、専門店に直接出すより高くなることがあります。
  • 納期が長くかかる可能性
    百貨店と工房の間を時計が行き来する時間や、伝言ゲーム的なやり取りで、通常より時間がかかることがあります。
  • 細かい要望が伝わりにくい可能性
    窓口の販売員さんと、実際に修理する技術者が別なので、「ここの傷だけ気になる」といった細かいニュアンスが伝わりにくいことも。

もちろん、百貨店のブランド力と安心感は魅力ですが、オブレイのように少し特殊な時計の場合は、最初から専門の技術者と直接話ができる修理専門店のほうが、話が早いかもしれませんね。

正規代理店の対応

正規代理店ならではの安心感は、何物にも代えがたいものがあります。特にメリットとなるのは、以下の点でしょうか。

  • 純正パーツの入手
    もしパーツ交換が必要になった場合、純正品を使ってもらえる可能性が一番高いです。
  • ブランドの意向に沿った修理
    ブランドの世界観やオリジナリティを損なわない、公式な修理が期待できます。
  • 保証期間内の対応
    (あまりないケースかもですが)もし保証期間内であれば、迷わず正規代理店さんにご相談ください。

ただ、一般的な傾向として、代理店さんのお仕事は、電池交換や純正ベルトの交換といった「メンテナンス」や、新品販売が中心になることが多いかな、と思います。

もし、長年の使用でムーブメント(機械)が止まってしまった、とか、アンティーク品でかなり傷んできたものを修復(レストア)したい、といった根本的な「修理」となると、私たちのような独立系の修理専門店のほうが、得意分野であり、柔軟に対応できる場合もありますね。

どちらが良いかは、時計の状態と、オーナー様が「何を最優先するか(安心感か、費用か、スピードか)」で変わってくるかなと思います。

東京・渋谷エリアで修理をお考えなら、JR原宿駅から徒歩1分とアクセス抜群の「はらじゅく時計宝石修理研究所」にご相談ください。国家資格を持つ修理技能士が、あなたの愛用の時計を丁寧に診断し、最適なメンテナンスをご提案します。他店で断られた修理にも対応可能な場合がありますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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オブレイの時計修理の依頼先と費用

オブレイ 時計修理の依頼先と費用

ここまで、オブレイの修理でよくある悩みと、依頼先の選択肢(百貨店・正規代理店)を見てきました。それを踏まえて、じゃあ実際に「どこに」「いくらぐらいで」頼むのが現実的なのか、一番気になる費用面や、私たち修理専門店についてお話しします。

修理にかかる値段の目安と実例

オブレイの修理値段は、時計の状態によって本当にピンキリなので、「ズバリいくらです!」とは言えないのが正直なところです。ごめんなさい。

ただ、一般的な時計修理の相場表は、オブレイにはほとんど役に立ちません。そこで、実際に行われた「オブレイ」の修理実例の料金をいくつか集めてみました。これが一番参考になるかなと思います。

オブレイ修理の料金実例(※他店様の情報・当店実例含む)

修理内容によって、これだけ料金に幅が出ます。

修理サービス内容 料金目安 (税込) 特徴・備考
オーバーホール + パッキン + 電池交換 約 30,000円 他店で「不動」と断られた個体。内部の機能回復に特化した根本修理。
オーバーホール + ケース変色落とし 約 43,780円 当店の実例。内部のOHと、銀無垢ケースの美観回復を同時に行うトータルケア。
再メッキ(シルバー → 18金)+ 研磨 約 38,500円 外装のカスタマイズ修理。銀無垢ケースをあえてゴールド仕様に変更する例。

※これらはあくまで過去の一例です。時計のブランド、ムーブメントの種類、パーツ交換の有無によって料金は大きく変動します。
必ず修理前に正式な見積もりを取得し、ご自身の責任でご判断ください。

銀無垢ケースの変色も修理可能

オブレイの時計ケースの多くは「SV925(スターリングシルバー、銀無垢)」が使われています。これが本当に上品で素敵なんですが、銀(シルバー)の宿命として、空気中の硫黄成分などと反応して黒ずんでくる「硫化」は避けられません。

「これも味」と捉える方もいらっしゃいますが、「やっぱり購入時のピカピカな状態に戻したい!」というご要望もすごく多いです。

ご安心ください。この黒ずみ(硫化)や、日常生活でついた細かい生活傷も、専門の研磨(ポリッシュ)作業でかなりキレイにできることが多いですよ。

私たち「はらじゅく時計宝石修理研究所」の例でも、先ほどの料金実例のように、オーバーホール(内部修理)と同時に、「ケースの変色落とし」や「外装研磨」をセットで行うことがよくあります。

やっぱり、内部の機械が元気になっても、外装がくすんだままだとちょっと残念ですもんね。ムーブメントを取り出してから作業するので、内部を傷つける心配なく、ケースの隅々まで磨き上げることができます。

郵送・宅配修理に対応する専門店

ここまで読んでいただいて、「専門店のほうが良さそうだけど、近所にそういうお店が無い…」とがっかりされた方もいらっしゃるかもしれません。

特に「近所で修理を断られてしまった」というご相談は、地方にお住まいの方から本当に多く寄せられます。

そんな時にこそ、ぜひ活用してほしいのが、郵送(宅配)での修理サービスです。

東京エリアで修理にお困り時は

とはいえ、「やっぱり大切な時計だから、直接持ち込んで、顔を見て相談したい」という方も当然多いと思います。

私たち「はらじゅく時計宝石修理研究所」も、その名の通り、JR原宿駅の竹下口から徒歩1分という、非常にアクセスの良い場所に店舗を構えています。

「この時計、修理できるかな?」と不安な状態でお持ちいただいても、その場で時計を拝見しながら、「この場合はオーバーホールが必要ですね」とか「外装磨きもセットでどうですか?」といった具体的なご相談が可能です。

アクセスしやすい場所にあるので、原宿・表参道エリアへのお買い物のついでや、お仕事帰りに、「状態が不安だから、まずは直接見せて相談したい」という場合には、ぜひお気軽にお立ち寄りいただければと思います。

オブレイの時計修理は専門店に相談

さて、ここまでオブレイの時計修理について色々とお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか。

オブレイの修理は、その特殊な素材(銀無垢)や、クォーツムーブメントでも経年劣化によるオーバーホールが必要になる特性から、「どこに頼むか」というお店選びが本当に重要です。

東京・渋谷エリアで修理をお考えなら、JR原宿駅から徒歩1分とアクセス抜群の「はらじゅく時計宝石修理研究所」にご相談ください。国家資格を持つ修理技能士が、あなたの愛用の時計を丁寧に診断し、最適なメンテナンスをご提案します。他店で断られた修理にも対応可能な場合がありますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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 この記事を書いた人        

⚪︎⚪︎のアバター 天野 一啓 はらじゅく時計宝石修理研究所 店長

2018年4月に時計宝石修理研究所へ入社。現在は「はらじゅく時計宝石修理研究所」の店長として、店舗運営と接客、修理対応を担う。厚生労働省認定の国家時計修理技能士資格を取得し、大阪府から時計技能最高優秀賞を受賞。

お客様の大切な想い出が詰まった時計やジュエリーに向き合い、安心して預けられる存在を目指す。スイスの老舗時計工具メーカー・BERGEON(ベルジョン)とのコンセプトショップも展開し、時計修理の魅力発信にも注力。

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