ブライトリングのオーバーホール 料金とおすすめ

こんにちは。はらじゅく時計宝石修理研究所、店長の天野 一啓です。

ブライトリングのオーバーホールについてお調べですね。ブライトリングのオーナー様にとって、オーバーホールは愛機を長く使い続けるために欠かせないメンテナンスですが、いざ実施しようとすると色々な疑問が出てくるかなと思います。

例えば、ブライトリングのオーバーホール料金はいくらかかるのか、正規店と修理専門店ではどう違うのか、特にブライトリングでよく聞く並行差別は本当にあるのか、といった費用面での不安。また、オーバーホールの頻度は何年ごとが適切で、もしもしないとどうなるのか、というメンテナンスの必要性に関する疑問。そして、結局どこに依頼するのが自分にとって一番良いのか、という依頼先の悩みですね。

こうした悩みは、ブライトリングという素晴らしい時計をお持ちだからこそ生まれるものだと思います。この記事では、そうしたオーナー様の様々な疑問や不安を解消できるよう、ブライトリングのオーバーホールに関する情報を分かりやすくまとめてみました。ぜひ参考にしてみてください

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この記事でわかること

  • 正規店と修理専門店の料金やサービスの違い
  • オーバーホールをしない場合の具体的なリスク
  • 主要モデル(クロノマット、ナビタイマー等)の注意点
  • 信頼できる修理専門店の見極め方
目次

ブライトリングのオーバーホールの基礎知識

ブライトリング オーバーホールの基礎知識

まずは、ブライトリングのオーバーホールを検討する上で知っておきたい基本的な知識について見ていきましょう。料金の相場や、放置した場合のリスクなどを知っておくことは、適切なメンテナンス計画を立てる第一歩になるかと思います。

正規店と修理専門店の料金比較

オーバーホールを依頼する際、まず悩むのが「正規メーカー」か「民間の修理専門店」か、ですよね。この二つには、特に料金面で大きな違いがあります。

正規メーカーの料金は、やはり高額になる傾向がありますね。特にブライトリングの場合、「並行差別」と呼ばれるポリシーが存在すると広く知られています。これは、国内の正規販売店で購入した「国内正規品」と、海外での購入や並行輸入業者を通じて手に入れた「並行輸入品」とで、メンテナンス料金に大きな差を設けるものです。

情報によれば、並行輸入品の場合、国内正規品の約2倍の料金が設定されているケースもあるようです。これはオーナー様にとってはかなりの負担ですよね。

一方、私たちのような時計修理専門店の場合は、基本的に「並行差別」はありません。正規品・並行品問わず、同じ公正な料金で承る場合がほとんどです。料金の目安としても、正規料金の3割~5割程度、つまり半額以下で済むケースも珍しくないのが実情かなと思います。

【料金比較の目安(あくまで一例です)】

  • 自動巻き 3針モデル
    正規(並行品)目安: 17万円台~
    修理専門店 目安: 4万円~
  • クロノグラフ 
    正規(並行品)目安: 22万円台~
    修理専門店 目安: 5万円~

※料金はあくまで一般的な目安です。状態や必要な部品交換によって変動します。

もちろん、正規メーカーにはメーカー所属の技術者による絶対的な安心感というメリットがあります。一方で、私たち修理専門店は、圧倒的なコストパフォーマンスと柔軟な対応が強みと言えるかもしれませんね。

しないとどうなる?放置するリスク

「まだ普通に動いているから大丈夫」と、オーバーホールをつい先延ばしにしてしまうお気持ち、よく分かります。ですが、機械式時計は「3~4年に一度」の定期的なオーバーホールが強く推奨されています。

なぜなら、時計が動いていても、内部では確実に「劣化」が進んでいるからですね。

【オーバーホールをしない場合の3大リスク】

  1. 潤滑油の劣化(油切れ)
    ムーブメント内部には、部品の摩擦を減らすための潤滑油が使われています。これが約3~4年で劣化し、乾いてしまいます。
  2. 部品の摩耗
    油が切れた状態で時計を使い続けると、金属製の歯車同士が直接こすれ合い、部品がどんどん削れて(摩耗して)しまいます。
  3. 防水性の低下
    ケースの隙間を埋めるゴム製の「パッキン」も時間と共に硬化し、弾力を失います。すると隙間から湿気や汗が内部に侵入しやすくなります。

これらを放置した結果、「時間の遅れ」「すぐに止まる」といった症状が出始めます。さらに湿気が内部に入れば「錆び」が発生し、文字盤や針にまでダメージが及ぶことも…。

そうなると、単なるオーバーホール(分解掃除)では済まなくなり、高額な部品交換費用が上乗せされたり、最悪の場合は「修理不能」となってしまったりするリスクもあるんです。オーバーホールは「壊れてから」ではなく、「壊さないため」の予防メンテナンスなんですね。

10年放置した場合の修理内容

もし、10年間オーバーホールをしなかった場合…これは時計にとってかなり過酷な状態と言えるかなと思います。

先ほどの「しないリスク」が、ほぼ全て現実になっている可能性が高いですね。

  • 内部の潤滑油は、ほぼ完全に乾ききっている。
  • 歯車などの部品は、油切れのまま長期間動き続けたことで、かなり摩耗が進んでいる。
  • パッキンは硬化し、防水性は失われ、内部に湿気が入り「錆び」が発生しているかもしれない。

この状態で修理に出された場合、通常のオーバーホール(分解・洗浄・注油・組立・調整)だけではまず済みません。技術者が見積もりを出すために内部を点検すると、交換が必要な部品が次々と見つかる可能性が非常に高いです。

ゼンマイ、歯車(一番車、二番車…)、パッキン類など、多数の部品交換が必要となり、修理総額は基本料金の何倍にも膨れ上がることが予想されます。特に古いモデルの場合、交換用部品の製造が終了していて「修理不能」と判断されるリスクも、残念ながら高まってしまいます。

修理にかかる平均的な期間

オーバーホールを依頼してから手元に戻ってくるまでの「期間」も気になるところですよね。これは依頼先によってかなり差が出る部分かなと思います。

正規メーカーの場合、スイス本国での修理になるケースや、国内での受付が集中している場合などがあり、納期は比較的長くかかる傾向にあるようです。一般的には数週間から、場合によっては数ヶ月単位の期間を見ておく必要があるかもしれません。

私たち修理専門店の場合は、正規メーカーよりも短い納期で対応できることが多いですね。とはいえ、時計の状態(交換部品の有無など)や、工房の混雑具合にもよります。一般的な目安としては、お預かりから数週間程度で納品できるケースが多いですが、これもお店によりますね。

いずれにせよ、正確な納期は見積もり時に確認するのが一番確実です。大切な時計ですから、いつ頃戻ってくるのかはハッキリさせておきたいですよね。

依頼先はどこでするべきか

結局、正規メーカーと修理専門店、どちらに依頼するのが良いのでしょうか。これは、オーナー様の状況や何を優先するかによって変わってくると思います。

【正規メーカーがおすすめな人】

  • 国内正規品を購入し、保証期間内である(無償修理の対象になる場合も)。
  • コストはいくらかかっても、メーカーによる絶対的な安心感を最優先したい。

【修理専門店がおすすめな人】

  • 「並行輸入品」のオーナー様(すべての方)。
  • 国内正規品だが、メーカー保証期間が切れていて、コストパフォーマンスを重視したい。

特に、並行輸入品のオーナー様にとっては、修理専門店の利用は非常に合理的な選択かなと思います。正規サービスとの圧倒的な価格差(並行差別)を回避しつつ、質の高いメンテナンスを受けることが可能ですからね。

東京・渋谷エリアで修理をお考えなら、JR原宿駅から徒歩1分とアクセス抜群の「はらじゅく時計宝石修理研究所」にご相談ください。国家資格を持つ修理技能士が、あなたの愛用の時計を丁寧に診断し、最適なメンテナンスをご提案します。他店で断られた修理にも対応可能な場合がありますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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モデル別ブライトリングのオーバーホール

モデル別ブライトリング  オーバーホール

ブライトリングと一口に言っても、様々なモデルがあります。搭載されているムーブメント(機械)によって、オーバーホールの注意点や料金も変わってきます。ここでは代表的なモデルについて少し触れてみますね。

クロノマットの修理と特徴

クロノマットは、ブライトリングのフラッグシップモデルの一つですね。特に2009年以降のモデルには、初の完全自社開発ムーブメント「キャリバーB01」が搭載されているものが多いのが特徴です。

B01は非常に高性能で複雑なムーブメントです。そのため、オーバーホールの基本料金も高めに設定されていることが多いですね。

ナビ タイマーの修理と特徴

ナビタイマーも、ブライトリングを象徴する歴史的なモデルですね。こちらは、「バルジュー7750」という非常に有名な汎用クロノグラフムーブメントをベースにしたモデルが長年多く作られてきました。

もちろん、最近ではB01を搭載したナビタイマーもありますが、私たち修理専門店でも修理実績が非常に豊富です。部品の流通も安定しているため、比較的コストを抑えて、確実なメンテナンスが可能です。

ただし、ナビタイマーは特徴的な「航空用回転計算尺」ベゼルや、クロノグラフのプッシャー(ボタン)など、構造が複雑な部分もあります。オーバーホール時には、こうした部分の防水性をしっかり確保するための、高い技術が求められるモデルとも言えますね。

エアロスペースの修理と特徴

エアロスペースは、これまで紹介した2モデルとは異なり、「クォーツ(電池式)」のモデルです。

「クォーツだからオーバーホールは不要」と思われるかもしれませんが、それは間違いですね。クォーツ時計も、長年使えば歯車の軸受けの油が汚れたり、電子回路が劣化したりします。また、機械式と同様にパッキンは劣化しますので、防水性を保つためには定期的なメンテナンスが必要です。

機械式のような「分解掃除」とは作業内容が異なりますが、電池交換、パッキン交換、内部の点検・洗浄といったメンテナンスを行うことで、長く愛用することができます。

料金は機械式のオーバーホールと比べると安価な傾向にありますが、デジアナ表示の多機能モデルですので、やはり専門的な知識を持ったお店に任せるのが安心ですね。

おすすめの修理専門店の見極め方

「修理専門店がおすすめ」と言われても、「どのお店を選べばいいか分からない」というのが正直なところだと思います。料金の安さだけで選んでしまうと、大切な時計が万が一のことに…というリスクもゼロではありません。

信頼できるお店かを見極めるために、私なら以下のポイントをチェックするかなと思います。

【優良な修理専門店のチェックリスト】

  • 見積もりと説明が明確か?
    基本料金だけでなく、部品交換が必要な場合にその理由と費用をちゃんと説明してくれるか。
  • 設備は整っているか?
    特にダイバーズウォッチなどに必須の「防水試験機」を完備しているか。
  • 技術者の資格は?
    「時計修理技能士」などの有資格者が在籍しているか。
  • 修理後の保証はあるか?
    オーバーホール後に「半年間~」などの動作保証が付いているか。

こうした点をWebサイトなどで確認したり、問い合わせてみたりすると、そのお店の姿勢が見えてくるかなと思います。

ブライトリングのオーバーホールは専門店へ

ここまで、ブライトリングのオーバーホールについて色々と見てきました。

ブライトリングは素晴らしい時計ですが、その性能を維持するには定期的なメンテナンスが不可欠です。特に、「並行輸入品」のオーナー様や、「国内正規品だけど保証が切れて、正規店の料金はちょっと高いな…」と感じているオーナー様にとって、信頼できる修理専門店の利用は、非常に賢明で現実的な選択肢だと思います。

「自分のブライトリングは今、どんな状態なんだろう?」「オーバーホールしたらいくらになるか、まず知りたい」

もしそう思われたら、ぜひ私たち「はらじゅく時計宝石修理研究所」にご相談ください。

東京・渋谷エリアで修理をお考えなら、JR原宿駅から徒歩1分とアクセス抜群の「はらじゅく時計宝石修理研究所」にご相談ください。国家資格を持つ修理技能士が、あなたの愛用の時計を丁寧に診断し、最適なメンテナンスをご提案します。他店で断られた修理にも対応可能な場合がありますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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 この記事を書いた人        

⚪︎⚪︎のアバター 天野 一啓 はらじゅく時計宝石修理研究所 店長

2018年4月に時計宝石修理研究所へ入社。現在は「はらじゅく時計宝石修理研究所」の店長として、店舗運営と接客、修理対応を担う。厚生労働省認定の国家時計修理技能士資格を取得し、大阪府から時計技能最高優秀賞を受賞。

お客様の大切な想い出が詰まった時計やジュエリーに向き合い、安心して預けられる存在を目指す。スイスの老舗時計工具メーカー・BERGEON(ベルジョン)とのコンセプトショップも展開し、時計修理の魅力発信にも注力。

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