腕時計の電池の寿命は?交換時期の目安と種類を解説

こんにちは。はらじゅく時計宝石修理研究所、店長の天野一啓です。

腕時計の電池の寿命についてWEB検索されているということは、今お使いの時計が止まってしまったか、あるいは購入してから随分経つけど電池交換の時期はいつかな、と気になっているかもしれませんね。腕時計の電池の寿命といっても、平均でどれくらい持つのか、ソーラータイプならどうなのか、時計によっても違うみたいで分かりにくいですよね。特に、カシオのような多機能な時計や、新品の時にすぐ切れた経験があると、モニター電池とは何だったのかと疑問に思うこともあるかなと思います。自分で交換できるのか、お店に頼むべきか、費用はいくらかかるのか、いろいろ気になってくるかも知れません。

この記事では、そんな腕時計の電池の寿命に関するさまざまな疑問について、少し掘り下げてみたいと思います。時計修理に興味がある者として、皆さんの時計ライフのお役に立てれば嬉しいです。

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この記事でわかること

  • 腕時計の電池寿命の平均的な目安
  • モニター電池(テスト電池)とは何か
  • ソーラー時計など特殊な時計の電池について
  • 電池交換をどこに依頼すべきか
目次

腕時計の電池の寿命に関する基本

まずは、一般的なクオーツ時計(電池式時計)の電池寿命について、基本的なところを見ていきましょう。一言で「電池寿命」といっても、実は時計に入っている電池の種類や、時計自体の機能によっても変わってくるんですね。

腕時計の電池寿命、平均は?

一般的なアナログ時計(針が動くタイプ)の場合、腕時計の電池寿命の平均は、だいたい「2年~3年」くらいが目安と言われることが多いですね。もちろん、これはあくまで目安です。

時計のムーブメント(内部の機械)の設計や、使われている電池の種類によっても変わってきます。例えば、クロノグラフ(ストップウォッチ機能)やアラーム、ライト機能などが付いている多機能な時計は、それらの機能を使う頻度によって電池の消耗が早まる傾向にあるかなと思います。

逆に、シンプルな2針(時針・分針のみ)や3針(時針・分針・秒針)の時計は、比較的電池が長持ちしやすいかもしれませんね。

新品の時計に入っているテスト電池

新品で腕時計を購入したのに、思ったより早く電池が切れてしまった、という経験はありませんか? もしかすると、その時計に入っていたのは「テスト電池」かもしれません。

時計は工場で製造されてから、流通を経て私たち消費者の手元に届くまで、ある程度の時間がかかります。その間も時計は動き続けているわけですから、当然電池も消耗していきます。

この、工場出荷時に動作確認用として最初に入れられている電池のことを、一般的に「テスト電池(またはモニター電池)」と呼ぶんですね。

モニター電池とは何?

「モニター電池」という言葉も、「テスト電池」とほぼ同じ意味で使われることが多いです。

要するに、製品が正常に動くかどうかを「モニター(監視・確認)」するためのお試し用電池、というニュアンスですね。

このモニター電池は、あくまで動作確認用なので、最初から満タンの電力が入っていない可能性があります。そのため、正規の電池よりも寿命が短くなるケースが一般的です。

豆知識:モニター電池の価格

新品の時計の価格には、このモニター電池の代金は含まれていない(あるいは、ごくわずか)と考えるのが一般的です。だから、「買ってすぐ切れた!」となっても、それは製品の不具合ではなく、モニター電池の特性によるもの、と説明されることが多いんですね。

モニター電池は半年で切れる?

「モニター電池は半年くらいで切れる」と聞いたことがあるかもしれませんが、これは一概には言えません。

先ほどお話しした通り、工場出荷からどれくらいの期間が経過しているかによって、残りの寿命は大きく変わります。

運良く製造されたばかりの時計なら1年以上持つこともあるでしょうし、店頭に並んでいる期間が長かった時計なら、購入後すぐに(極端な話、数ヶ月や半年で)切れてしまうこともあり得ます。

あくまで「通常の電池寿命よりは短い」と理解しておくのが良いかなと思います。

電池交換は1 年ごとが目安?

では、電池交換はどれくらいの頻度で行うべきでしょうか?

平均寿命が2~3年だとすると、「1年ごと」というのは少し早い気もしますよね。もちろん、先ほどのモニター電池の場合は1年以内に切れることもありますが、正規の電池に交換した後は、そこまで頻繁に交換する必要はないケースが多いです。

ただ、時計の電池が切れる直前になると、「時間が遅れがちになる」といったサインが出ることがあります。また、電池が切れたまま長期間放置すると、電池から液漏れが起きて、時計内部の機械(ムーブメント)を損傷させてしまう恐れがあります。

注意:電池の液漏れ

電池の液漏れは、時計にとって非常に深刻なダメージとなります。ムーブメントが錆びてしまうと、修理費用が高額になったり、最悪の場合、修理不能になったりすることも…。電池が切れたら、なるべく早めに交換するのがおすすめです。

こうしたリスクを避けるため、あるいは「大事な時に止まってほしくない」という理由で、少し早めに交換を考える方もいらっしゃるかもしれませんね。

10 年もつリチウム電池とは

最近では「電池寿命10年」を謳う腕時計も増えてきました。これは主に「リチウム電池」という種類の電池を使用していることが多いです。

従来のアナログ時計でよく使われる「酸化銀電池」に比べて、リチウム電池はエネルギー密度が高く、長寿命なのが特徴です。

特にデジタルウォッチや、カシオのG-SHOCKなどの一部モデルで採用されていることが多いですね。10年間電池交換の手間がないというのは、とても魅力的だと思います。

ただし、10年というのはあくまで理論値や目安であり、使用状況(ライトやアラームの多用など)によっては短くなる可能性はあります。

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特殊時計と腕時計の電池の寿命

ここまでは一般的な電池式の時計についてお話ししてきましたが、世の中には「ソーラー時計」のように、ちょっと特殊な仕組みの時計もありますよね。こうした時計の電池寿命についても見ていきましょう。

ソーラー時計の電池寿命

「ソーラー時計」は、光を電気エネルギーに変えて動く時計のことですね。「ソーラーだから電池交換は不要」と思われがちですが、実はソーラー時計にも電池(二次電池またはキャパシタと呼ばれる蓄電池)が内蔵されています。

この二次電池は、充電と放電を繰り返すうちに少しずつ劣化していきます。

とはいえ、一般的な電池(一次電池)とは比べ物にならないほど長寿命です。メーカーやモデルにもよりますが、一般的には7年~10年、あるいはそれ以上持つと言われることが多いですね。

太陽電池の仕組みと寿命

ソーラー時計は、文字盤の下などに「太陽電池(ソーラーセル)」が搭載されています。

この太陽電池が光(太陽光だけでなく、室内の蛍光灯などの光でもOK)を受けると発電し、その電気を二次電池に蓄えます。時計はその蓄えられた電気を使って動くんですね。

ソーラー時計を長持ちさせるコツ

ソーラー時計の寿命は、この二次電池の劣化具合に左右されます。長持ちさせるコツは、「こまめに光に当てて充電すること」、そして「充電が空っぽの状態(完全放電)で長期間放置しないこと」です。

引き出しの中にしまいっぱなしにしていると、二次電池が劣化しやすくなるので、使わない時も明るい場所に置いておくのがおすすめです。

カシオ製腕時計の電池について

カシオ(CASIO)の腕時計、特にG-SHOCKやデータバンクなどは、多機能なモデルが多いですよね。

先ほど触れた「10年電池(リチウム電池)」を採用しているモデルもあれば、もちろんソーラー充電の「タフソーラー」モデルもあります。

一方で、スタンダードなモデルや多機能(ライト、アラーム、ストップウォッチなど)を頻繁に使う場合は、平均とされる2~3年よりも早く電池を消耗することも考えられます。

カシオの時計はモデルによって仕様が大きく異なるので、ご自身のモデルの電池の種類やおおよその寿命を、説明書などで一度確認してみるのが良いかもしれませんね。

ダイソーの時計の電池

最近はダイソーなどの100円ショップでも、腕時計が販売されていますよね。非常に安価で手に入りますが、これらの時計の電池はどうなっているのでしょうか。

多くの場合、これらに最初から入っている電池も「モニター電池(テスト電池)」です。そのため、購入してすぐに電池が切れてしまう可能性も十分にあります。

また、時計自体の価格が安いため、電池交換の費用の方が高くついてしまうケースも多いです。そのため、電池が切れたら新しいものを買う、という割り切った使い方をされる方が多いかもしれませんね。

クレファーの時計の電池

クレファー(CREPHA)は、比較的リーズナブルな価格帯で、ファッション性の高い時計やストップウォッチなどを展開しているブランドですね。

クレファーの時計も、基本的には一般的なクオーツ時計と同じです。搭載されているムーブメントや電池の種類によりますが、最初に入っているのはモニター電池である可能性が高いです。

正規の電池に交換した後の寿命は、やはり平均して2~3年程度が目安になるかなと思います。ただし、これもモデルや機能の使用頻度によりますね。

腕時計の電池のことでお困りなら

腕時計の電池の寿命は、時計の種類、使われている電池、そして使い方によって本当にさまざまですね。

モニター電池のようにすぐに切れてしまうものもあれば、10年持つリチウム電池、あるいはソーラー時計の二次電池のように長期間使えるものもあります。

電池交換のポイント

  • 電池が切れたら、液漏れを防ぐため早めに交換する。
  • ソーラー時計は、こまめに光に当てて充電する。
  • 自分で交換する自信がない場合は、専門のお店に相談する。

特に、防水機能(ウォーターレジスト)が付いている時計や、オメガやロレックスなどの高級ブランド時計の場合、電池交換時に専門の工具や技術(防水パッキンの交換や防水テストなど)が必要になることがあります。

無理に自分で裏蓋を開けようとすると、時計を傷つけたり、防水性能を損ねてしまったりする可能性も…。

もし、腕時計の電池の寿命や交換についてお困りのこと、ご不安なことがあれば、私たち「はらじゅく時計宝石修理研究所」でもご相談を承っています。

電池交換はもちろんですが、電池交換をしても動かない、といった場合にはオーバーホール(分解掃除)が必要な場合もあります。大切な時計を長く使うためのお手伝いができれば嬉しいです。

東京・渋谷エリアで修理をお考えなら、JR原宿駅から徒歩1分とアクセス抜群の「はらじゅく時計宝石修理研究所」にご相談ください。国家資格を持つ修理技能士が、あなたの愛用の時計を丁寧に診断し、最適なメンテナンスをご提案します。他店で断られた修理にも対応可能な場合がありますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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 この記事を書いた人        

⚪︎⚪︎のアバター 天野 一啓 はらじゅく時計宝石修理研究所 店長

2018年4月に時計宝石修理研究所へ入社。現在は「はらじゅく時計宝石修理研究所」の店長として、店舗運営と接客、修理対応を担う。厚生労働省認定の国家時計修理技能士資格を取得し、大阪府から時計技能最高優秀賞を受賞。

お客様の大切な想い出が詰まった時計やジュエリーに向き合い、安心して預けられる存在を目指す。スイスの老舗時計工具メーカー・BERGEON(ベルジョン)とのコンセプトショップも展開し、時計修理の魅力発信にも注力。

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