並行輸入の時計修理は拒否される?料金と専門店を解説

こんにちは。はらじゅく時計宝石修理研究所、店長の天野 一啓です。

並行輸入品の高級時計、正規店より安く購入できて嬉しい反面、いざメンテナンスが必要になった時、「並行輸入の時計修理ってどこに頼めばいいんだろう…」と不安になりますよね。特にロレックスやオメガ、タグホイヤーといった人気ブランドだと、正規店で修理拒否されたり、いわゆる並行差別で料金がすごく高くなったりしないか、心配になるかなと思います。また、修理専門店に頼むとしても、料金はいくらぐらいなのか、技術は確かなのか、いろいろと気になりますよね。

この記事では、そんな並行輸入品の時計修理に関する皆さんの疑問や不安を解消するために、修理拒否や並行差別の実態、そして賢い修理店の選び方について、詳しくお話ししていこうと思います。

東京・渋谷エリアで修理をお考えなら、JR原宿駅から徒歩1分とアクセス抜群の「はらじゅく時計宝石修理研究所」にご相談ください。国家資格を持つ修理技能士が、あなたの愛用の時計を丁寧に診断し、最適なメンテナンスをご提案します。他店で断られた修理にも対応可能な場合がありますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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この記事でわかること

  • 並行差別や修理拒否の具体的な実態
  • ブランド別の修理対応ポリシーの違い
  • 正規サービスと修理専門店のメリット・デメリット
  • 信頼できる優良な修理専門店の見極め方
目次

並行輸入の時計修理と「並行差別」

並行輸入 時計修理と「並行差別」

並行輸入品の修理を考えるとき、一番気になるのが「並行差別」や「修理拒否」といった言葉かなと思います。これらは単なる都市伝説ではなく、一部のブランドでは実際に行われているポリシーなんです。まずは、これらの実態について詳しく見ていきましょう。

並行差別とは?その仕組みを解説

「並行差別」とは、すごく簡単に言うと、国内の正規販売店で買った時計(国内正規品)と、それ以外のルートで買った時計(並行輸入品)とで、修理やオーバーホールの料金やサービス内容に意図的に「差」をつけることを指します。

例えば、一部のブランドでは、メーカーの正規メンテナンス料金が、国内正規品なら6万円のところ、並行輸入品だと12万円と、2倍の価格が設定されているケースもあるようです。これは、修理の原価が違うわけではなく、ブランド側が正規販売店で買ってくれたお客さんを優遇し、ブランド価値をコントロールするために行っている、意図的な価格設定と考えるのが自然かなと思います。

修理拒否の実例とブランド

「並行差別」(割増料金での受付)よりもさらに厳しい対応が、「修理拒否」です。これは文字通り、並行輸入品の修理やオーバーホールの依頼自体を受け付けない、という対応ですね。

例えば、ロレックスやカルティエといった一部のブランドでは、並行輸入品は正規ブティック(お店の窓口)での修理受付が不可となるケースが多いと聞きます。メーカーのサービスセンターに直接送れば受け付けてくれる場合もあるようですが、購入したお店で気軽にお願いできないのは、オーナーさんにとってはかなり不便ですよね。

並行差別 ブランド 一覧で比較

この並行差別や修理拒否の対応は、ブランドによって本当にまちまちです。すべてのブランドが厳しいわけではありません。私が知っている範囲で、主なブランドの傾向をまとめてみますね。

ロレックス (Rolex)

先ほども触れましたが、正規ブティックでの受付を断られるケースが報告されています。日本ロレックス(メーカー正規)でのオーバーホールは可能ですが、料金は高額になりがちです。例えばデイトジャストで97,000円~といった具合です。これに対して、私たちのような修理専門店だと、その6割~7割程度で済むことも多いですね。

ブライトリング (Breitling)

ここは「並行差別」が明確に存在するブランドとして有名でした。正規輸入品の2倍のオーバーホール料金が設定されていたんです。ただ、最近はポリシーが変わってきている可能性もありますので、修理に出す前には必ず最新の情報を確認することをおすすめします。

スウォッチグループ (オメガ, ロンジン, ハミルトンなど)

このグループは、比較的並行輸入品にも寛容とされています。国際保証も付きますし、修理拒否といった話はあまり聞きません。ただし、別の問題として、ムーブメント製造部門(ETA)がグループ外への部品供給を制限する動きがあり、これが将来的に修理専門店の修理に影響する可能性が懸念されています。

リシュモングループ (IWC, カルティエなど)

IWCでは修理代金が割高になる可能性が、カルティエでは正規店での受付が難しいケースがあるとされています。特にカルティエは、次の項目で詳しくお話ししますね。

※上記はあくまで一般的な傾向です。ブランドのポリシーは予告なく変更されることがありますので、正確な情報は必ず公式サイトでご確認いただくか、専門家にご相談ください。

カルティエの修理は専門店へ

カルティエの時計、特に女性に人気のモデルや高価なジュエリーウォッチは、並行輸入品だと正規のブティックでオーバーホールの受付をしてもらえないことが多い、とされています。

そうなると、オーナーさんは私たちのような独立系の時計修理専門店に頼るしかありません。カルティエの時計はデザインが繊細なものも多いので、技術力が高く、取り扱い経験が豊富な専門店を選ぶことが非常に重要になりますね。当店でもカルティエの修理ご依頼は本当に多く、タンクやパンテール、バロンブルーなど、様々なモデルのメンテナンスを承っています。

ブルガリの修理はどこに出す?

ブルガリ(LVMHグループ)も人気が高いブランドですね。ブルガリの場合、並行輸入品だからといって修理を強く拒否される、といった話はあまり聞きません。ただし、やはりメーカー正規修理となると、料金はそれなりに高額になる傾向があります。

特に「ブルガリ・ブルガリ」や「オクト」などの人気モデルも、正規修理の見積もりが思ったより高かったという理由で、当店にご相談に来られるお客様は多いです。コストを抑えつつ、しっかりとしたメンテナンスを受けたい場合は、最初から修理専門店の見積もりを取ってみるのが賢明かもしれません。

東京・渋谷エリアで修理をお考えなら、JR原宿駅から徒歩1分とアクセス抜群の「はらじゅく時計宝石修理研究所」にご相談ください。国家資格を持つ修理技能士が、あなたの愛用の時計を丁寧に診断し、最適なメンテナンスをご提案します。他店で断られた修理にも対応可能な場合がありますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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並行輸入の時計修理の依頼先

並行輸入 時計修理の依頼先

では、実際に並行輸入品の時計を修理に出す場合、どのような選択肢があるのでしょうか。大きく分けると「メーカー正規サービス」と「時計修理専門店」の2択ですが、並行輸入品ということを考えると、後者が現実的な選択肢になることが多いですね。それぞれの特徴を見ていきましょう。

シャネルの並行品も修理可能

シャネルの時計、特にJ12などはセラミックという特殊な素材を使っているため、「専門店では修理できないのでは?」と心配される方もいらっしゃるかもしれません。

確かに、セラミックのコマ詰めや外装部品の交換は難しい場合もありますが、オーバーホール(分解掃除)や電池交換といった内部のメンテナンスであれば、多くの修理専門店で問題なく対応可能です。

正規サービスだと費用も時間もかなりかかるケースが多いので、まずは私たちのような専門店に「このモデルは対応可能?」と聞いてみるのが良いと思いますよ。

並行差別 ないブランド時計もある?

はい、あります。先ほども少し触れましたが、スウォッチグループに属するオメガ、ロンジン、ハミルトン、ティソなどは、並行輸入品に対しても差別的な対応は取っていないとされています。購入日から2年間の国際保証も有効ですし、修理も受け付けてくれます。

また、パテックフィリップのような超高級ブランドは「永久修理」を掲げており、並行輸入品であっても修理拒否の心配は基本的に少ないとされていますね。ただ、どちらの場合も、正規の修理料金は修理専門店に比べて高額になるのが一般的です。

タグホイヤーの並行差別なくなった?

これは時計好きの間でよく話題になりますね。タグホイヤー(LVMHグループ)は、以前は明確な並行差別(割増料金)がありましたが、現在はそのポリシーが変更され、「並行差別はなくなった」と言われています。

並行輸入品でも正規サービスを受けやすくなったのは、オーナーさんにとっては本当に朗報ですよね。
ただし、これも繰り返しになりますが、「並行差別がない」ことと「修理料金が安い」ことはイコールではありません。正規サービスの基本料金自体は、やはり修理専門店と比べると高めに設定されていることが多いので、コストパフォーマンスを重視するなら、修理専門店との比較は必須かなと思います。

電池交換だけでも頼める修理店

「オーバーホールは大げさだけど、クォーツ時計の電池交換だけお願いしたい」というケースも多いですよね。

正規店に電池交換を依頼すると、それだけで数週間待たされたり、高額な費用がかかったりすることがあります。私たちのような修理専門店なら、電池交換だけでももちろん大歓迎です。

その際、大事なのが「防水テスト」です。電池交換で裏蓋を開けると、パッキンの気密性が落ちることがあります。当店では電池交換の際に、必ず防水テストもセットで行うことをおすすめしています。これこそ、専門機材(防水テスター)を持っている修理専門店ならではの強みですね。

並行輸入の時計修理は専門店へ

ここまで並行輸入の時計修理についてお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか。

並行差別や修理拒否といった壁がある一方で、技術力の高い「時計修理専門店」という選択肢があることもご理解いただけたかなと思います。

私たち修理専門店は、並行輸入品であることや、他店で購入したことを理由に修理をお断りすることはまずありません。費用もメーカー正規の6割から7割程度に抑えられることが多いのが大きなメリットです。

ただし、一番大事なのは「信頼できるお店を選ぶこと」です。「時計修理技能士」のような国家資格を持つ技術者がいるか、修理実績は豊富かといった点を確認しましょう。

東京・渋谷エリアで修理をお考えなら、JR原宿駅から徒歩1分とアクセス抜群の「はらじゅく時計宝石修理研究所」にご相談ください。国家資格を持つ修理技能士が、あなたの愛用の時計を丁寧に診断し、最適なメンテナンスをご提案します。他店で断られた修理にも対応可能な場合がありますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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 この記事を書いた人        

⚪︎⚪︎のアバター 天野 一啓 はらじゅく時計宝石修理研究所 店長

2018年4月に時計宝石修理研究所へ入社。現在は「はらじゅく時計宝石修理研究所」の店長として、店舗運営と接客、修理対応を担う。厚生労働省認定の国家時計修理技能士資格を取得し、大阪府から時計技能最高優秀賞を受賞。

お客様の大切な想い出が詰まった時計やジュエリーに向き合い、安心して預けられる存在を目指す。スイスの老舗時計工具メーカー・BERGEON(ベルジョン)とのコンセプトショップも展開し、時計修理の魅力発信にも注力。

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