今回は、セイコー　キネティックの時計の修理を承りました。 キネティックとは、ギリシア語で「動力・動く」を意味します。 1988年に「世界初自動巻き発電クォーツウォッチ；オートクォーツ」として誕生したキネティックは、自動巻きとは機械式腕時計に搭載されるローターが回転することでゼンマイを巻き上げますが、キネティックは同じ仕組みで「電気エネルギー」へと変換、そして二次電池(充電池）に蓄えていきます。 それを用いて時計を動かしています。 つまり、一般的なクォーツ式のように頻繫な電池交換が不要で、その代わりであるローターの回転による自家発電により歯車とICの稼働や水晶を振動させ、なおかつクォーツ式の精度を持つ機構ということになります。 グランドセイコーに搭載されている「スプリングドライブ」とは一見似ていますが、実は全く逆の機構です。 「スプリングドライブ」はゼンマイのほどける力で歯車を動かし、その動力を使ってクォーツ時計に搭載されるICを稼働させ、電気式(いわゆるコンピューター、頭脳にあたります)で精度を調整しているより機械式寄りです。 そんなセイコー　キネティックの時計の修理が完了致しました。

充電ができなくなったため、お持ち頂きました。