今回は、カルティエ　タンクの修理を承りました。 「タンク」はその名の通り第一次世界大戦に登場した戦車のフォルムにインスピレーションを受けてデザインされました。終戦後、祖国フランスを守ってくれた感謝の気持ちを伝えるため、84個のタンクウォッチが連合軍に加わったアメリカの将軍や大佐に送られたといいます。当時のタンクウォッチに近い形を保っているのは、現在の「タンクルイ　カルティエ」です。 「タンクフランセーズ（フランス版）」、「タンクアメリカン（アメリカ版）」、「タンクアングレーズ（イギリス版）」や「タンクソロ」、「タンクアロンジェ（細長い）」、「タンクディヴィアン（横長）」など、様々なシリーズがあります。 タンクフランセーズは1997年に誕生し、従来のタンクの形をベースに形状を一新させることで、クラシカルからモダニズムへと新風を起こしました。 フランセーズの文字盤は、実は正方形なんです。正方形は「人間の作り得た完璧な形」を象徴しており、ヨーロッパでは”知性”の表現として建築物や庭園が多く見られます。 針は青に着色したのではなく、絶妙な火加減によりシルバーから青に変色する「青焼き」によるものなんです。 ケースもツヤのある鏡面仕上げ、落ち着きのあるヘアライン仕上げを細かく使い分けることで、随所の鏡面仕上げがより引き立ち、華やかな印象となるんです。 リューズの青い石（ブルースピネル）は、タンク（戦車）から発せられる砲弾をイメージしていると言われております。

お時計の電池が止まってしまったので、ご来店されました。