2020.07.20
1969年製の、懐かしいキングセイコーです!
1969年と言えば、時計史上、記念すべき世界初のクォーツ・ウォッチが実用化された年でもありますが、本モデルに搭載のCal.4500Aは、クォーツ登場前夜に製造が開始されたため、セイコーの手巻機械としては最晩期のもの。同社で、最も完成された手巻機械とも言われています。
そして、ハイビート、毎時36000回もの振動をするテンプが驚異的です。何年か前に、グランドセイコーでもハイビート・モデルが復活しましたね。振動数を高めることによって、安定性と高精度を狙いました。
裏蓋にある、キングセイコーのメダリオンも、非常に状態が良く、大切にご愛用なさってきたのでしょう。
今回のご相談といたしましては、最近、遅れが激しいようです。どうやらお父様の形見のお品だそうで、再度正常に動作するようにとのご依頼をお承りいたしました。
何分、今から50年近く前のモデルでもありますので、輪列の状態も心配なところではありますが、まずは分解をしてお調べいたしますので、少々お時間を頂戴いたします。
これからも、脈々と受け継がれますよう、メンテナンスをいたします。思いは、刻と共に受け継がれて行きますように…。