時計宝石修理研究所

REPAIR COLUMN

■「グランドセイコー・クロノメーター オーバーホール」

2020.06.08

 

この度のお承り品は、グランドセイコーのセカンドモデル。1965年製の手巻きです。今から50年以上前の製造モデルなんですね。

 

この時計は、記念すべきGSファーストモデルと同様に、高級機種クラウンの機械をベースムーブメントとして改良され、ベースを35石化してカレンダー機能が搭載されました。

 

セカンドモデルでの改良点として、落下などの衝撃により容易に曲がってしまうベルト取りつけ脚(ラグ)の強度を高め、極太なデザインを採用しGSでは異端児的な容をしており、以降のGSケースの大きさはほぼ同じでも、時計を大きく魅せるデザインは大変存在感があります。

 

 

また、GSセカンドは販売された年次により機械・ケース・文字板のバリエーションが数種類あり、その成り立ちははっきり致しませんが、一般に型番、ムーブメントなどから前期型、中期型A,B、後期型に大別される様であり、こちらは型番が5722-9990(5722A搭載)の中期型Aに位置します。

 

 

次いで文字板からこのChronometer表示は後期型からは消えてしまうわけですが、ほんの一時期しか生産されていませんでしたので、大変貴重なモデルと言えるでしょう。

 

さて、こちらはお父様が若かりし頃にご購入なさったモデルだそうで、現在は全く動いてくれません。前日に一度ご相談に見えられたのですが、やはりこのままでは忍びないとのことで、ご依頼の運びとなりました。

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