時計宝石修理研究所

REPAIR COLUMN

■「エテルナ・エテルナマティック オーバーホール」

2020.05.04

ご覧ください、この小さなフォルムで自動巻なんです。
現行品の大型で厚みのあるデザインを見慣れていると、これはもう驚異的なサイズですよね!

 

エテルナは1856年創業の老舗、イタリア語で“永遠”を意味します。スイス最大のムーブメントメーカー“ETA社”を立ち上げた、スイス時計産業を語る上でも決して外すことのできない非常に重要なブランドでもあります。

 

この度お預かりしたモデルは、その中でもエテルナマティックと呼ばれる、自動巻ムーブメントに革新をもたらしたムーブメントを搭載しております。

 

1948年に開発されたムーブメントで、ボールベアリングを5つ配置することにより効率性を高め、バネを摩耗させる摩擦や抵抗を最小限にとどめることを可能にしました。エテルナマティックは大ヒットし、エテルナの看板商品になったそうです。同年に、5つのベアリングをモチーフにしたデザインがブランドロゴに採用され、現在に脈々と受け継がれているわけですね。

 

さて、今回のお預かり品は、もともとはお母様がご愛用されていた時計だそうです。形見として頂いたそうですが、全く動きませんでした…。

K18製のケースに独特のカットガラスが美しい、希少モデルでもあります。

 

お母様がご愛用頂いて来た時と共に、刻み込まれた思い出も蘇りますよう、メンテナンスさせて頂きます。これからも、連綿と時が刻まれ続けますように…。

 

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