時計宝石修理研究所

REPAIR COLUMN

◾️ 「セイコー クレドール」

2021.07.22

今回は、セイコーのクレドールの修理を承りました。

クレドールとは、フランス語で「黄金の輝き」という意味の“CRÊTE D’OR”からきました。

クレドールはこの名にふさわしく、金、プラチナなどの貴金属や、厳選された素材だけを使用し、デザイン、ムーブメントから細かな部品の一つ一つに至るまで、卓越した技術と感性を注ぎ込んで、常に最高級の品質を守り、豊かな個性を紡いできました。

1974年にセイコー特選時計としてクレドールは誕生しました。厚さが当時で世界一薄いモデルが1980年に登場し、1982年に2億2000万円モデルを頂点としたジュエリーウオッチの製造・販売を開始しました。その後も、様々なシンプルでラグジュアリーな時計から、京都の伝統工芸である京繍モデル、オートクチュールビーズ刺繍をあしらったモデル、ピクウェというベッコウや象牙、真珠母貝などの素材に、金、銀などの異素材をはめ込む工芸技術を採用したりと様々な工芸技術を使用したモデルなどを発表してきました。

2016年にセイコー 初のトゥールビヨンと富嶽三十六景からインスピレーションを受けたデザインを立体彫金した「FUGAKU」などを含めた、文字盤やパーツへの彫金技術も非常に高く、目を奪われるものがあります。

ただ、もちろんデザインだけではなく、セイコー ならではの精巧さも特徴です。

超薄型(厚さ1.98mm)のムーブメントを採用し、自社で手作業での組立・調整・ケーシングを行います。そのため、一人の熟練時計師が1日にわずか1個から2個しか組み立てられない少量生産の手作りムーブメントです。

まさにデザインへのこだわりと技術の結晶です。

クォーツから手巻き、自動巻、はたまたトゥールビヨンなど様々な機能、デザインが豊富なのが特徴です。

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