時計宝石修理研究所

REPAIR COLUMN

■「セイコー・エルニクス 電池交換」

2020.07.13

今や、殆ど見かけることがなくなった、エルニクス…非常に興味深い構造をしております。

 

本モデルの動力は“電池”です。が、調速はいわゆるクォーツではありません。もちろん音叉でもなく…テンプ式なのです。

 

電磁テンプ式といわれる、クォーツが主流になる直前に発売されていました。

 

クォーツ・アストロンが発売されたのが1969年、それから一気にクォーツ時代に突入することになります。電池式ではあるものの、調速はテンプなので、誤差は機械式と大差なく、かつ定期的に電池交換を必要とする…クォーツ式に完全に駆逐されることとなりアッと言う間に姿を消してしまいました。

 

しかしながら、その特殊な構造から愛好家の中ではファンも多く、現在においてもご愛用頂いている方もチラホラお見掛けいたします。

 

この度は電池交換でのご依頼でしたが、ご覧の通り内部にクモリが発生しております。

回路関係に問題がなければ良いのですが…お早めにオーバーホールもご検討くださいませ!

 

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