時計宝石修理研究所

REPAIR COLUMN

【オリエント懐中時計】オーバーホール

2019.08.04

このたび、懐中時計のオーバーホールを行いました。

オリエントの手巻き式です。裏蓋はスケルトンでパワーリザーブ搭載のモデルです。
動かなくなっていたのと、文字盤が回転するような状態でした。
分解して内部を調査いたしますと、文字盤とムーブメント(機械部分)を固定する干支(エト)足という細い金属性の支柱が折れていました。こうなると、支柱を文字盤に溶接しなければなりません。
熱を加えますので、文字盤表面に焦げたような変色が残る危険性があるのですが、今回はなんとかうまくいきました。こういう症状は、何らかの外力が加わることで起こりますので、やはり時計に衝撃を与えると致命的なダメージとなることがわかります。精密機械ですので、丁寧に扱って末永くお使いくださいませ。

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