時計宝石修理研究所

REPAIR COLUMN

■「チューダー・プリンスオイスターデイト オーバーホール」

2020.08.10

ロレックスのデフュージョンブランドとして誕生したチューダー。創業は1930年代にまで遡り、愛好家の中でも根強い人気があります。

 

近年では、1990年代頃からロレックスの廉価ブランドとしてではなく一つのブランドとして独自の道を歩み始めました。

 

2015年には、初となる完全自社開発ムーヴメント「MT5601」を発表したのでも注目を浴びました。“MANUFACTURE TUDOR(マニュファクチュール・チュードル)”のイニシャルを取って命名されたこのムーヴメントは、他のブランドと比較してもトップクラスの70時間パワーリザーブを誇ります。

 

また、ロゴマークも時代と共に変遷を繰り返し、通称“小バラ”が最も歴史が深く、その次に採用された“デカバラ”も非常に人気が高いようです。

 

そもそも、この“チューダーズ・ローズ”の由来は、“チューダー(TUDOR)家”の紋章にあります。エリザベス女王Ⅰ世を始め、歴代イングランド王を輩出したイギリスの名門であり、イギリス庶民に愛されるようにとの想いを込めて、ブランド名とロゴマークを制定したそうです。

 

この度のお承りモデルは、その“デカバラ”モデルです。恐らく、1960年代のものでしょう。

 

 

クサビ型のインデックスやスポーティなバンドからは、シャープな印象を受けます。が、何と言っても最大の特徴である紋章。チューダーズ・ローズが気高くも柔らかな印象を与え、絶妙なバランスでもって瀟洒この上ない逸品に仕上がっています。

 

 

さて、永年のご愛用から、パワーリザーブが最近短くなってきたそうです。ご安心ください。50年以上の歴史を持つこちらのモデル、誠心誠意メンテナンスを行います。お手許に、再びバラの紋章が輝くまで、今しばらくお待ちくださいませ。

 

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